量子サイズ光触媒によるCO2の還元・固定化 (優秀研究企画)
岩本 正和 (北海道大学触媒化学研究センター)
阿部 孝之 (北海道大学触媒化学研究センター)
田中 康裕 (北海道大学触媒化学研究センター)
研究調査課
【目的】
本研究では、半導体微粒子のエネルギー準位を量子サイズ効果により任意に制御し、反応性やエネルギー効率を大幅に向上させた新規光触媒を開発するとともに、その光触媒を用いて高効率なCO2光還元・固定化を実現することを目指している。まず、無機多孔体(MCM-41)中の細孔径を2-10nmの範囲で任意かつ厳密に制御する方法について詳細な検討を行う。次に、合成した無機多孔体を「鋳型」として利用し、nmスケールで粒径を正確に制御した超微粒子の調製を試みる。最後に、この超微粒子を光触媒として利用し、H2Oの完全分解やCO2の光還元・固定化を計る。
【平成7年度実施状況】
(1)新規無機多孔体の合成と細孔径制御
a.新規無機多孔体の最適合成条件:コロイダルシリカを原料とした場合のMCM-41の最適合成条件は、pH=13.1、テンプレート/SiO2=0.3-1.18、時間=48時間以上、温度=140℃であった。後処理の最適条件はpH=6.5-10.9、温度=60-90℃、時間=20時間であった。
b.細孔径制御:テンプレートの炭素鎖長をC10-C16の範囲で変化させると細孔径が1.9-3.3nmで変化した。
(2)微粒子を担持した試料の作製とその物性評価
a.各種酸化物半導体を担持した試料の調製:酸化物の種類によって担持率が0.02-19.3wt%と大きく変化した。
b.担持試料の光特性:担持酸化物の種類により光特性が異なり、4グループに大別された。細孔径2.1nmの担体に担持した時、バンドギャップエネルギー(Eg)は酸化物の種類によらず4-4.5eVであった。
c.担体の細孔径とEgの関係:細孔径2.1-4.5nmの担体にFe2O3を担持した試料ではEgが2.46eV(4.5nm)-4.2eV(2.1nm)まで増大した。Fe2O3の電子及び正孔の有効質量は0.27と推定された。
(3)光触媒材料としての評価
Fe2O3担持MCM-41を用いて水とCO2が共存する系で光反応を試みた。水素の発生量は光照射時間に依存して直線的に増加し、反応60時間後には約2μmolg-1-catの水素が発生した。
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