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09/Aug/10
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<二酸化チタン光触媒によるピバル酸分解反応過程の雰囲気依存性−時間分解赤外分光法を用いた観測>
(広島大院・理、広島大QuLiS)
○前田晃宏・石橋孝章
二酸化チタン光触媒は、紫外光の照射に伴って酸化還元反応を引き起こすことで有機物を分解する半導体であり、水の光分解や汚染物質の分解などの用途に利用されている。しかし、その反応過程に関しては複雑でありあまり詳しく調べられていない。本研究では、粉体の二酸化チタン参照触媒TIO-4によるピバル酸(CH3)3CCOOHの分解反応過程が、無酸素無水条件下、酸素存在下、水蒸気存在下の三種類の条件下でどのように異なるかを明らかにすることを目的として、マイクロ秒〜ミリ秒領域における時間分解赤外分光測定を行った。
*広島大学
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02/Aug/10
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光ディスクに応用
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<レーザー光で相が変化するTi3O5光ディスクへの応用、Blu-ray
Diskの300倍の記録密度達成>
東京大学大学院理学系研究科化学専攻の教授である大越慎一氏は、TiO2(二酸化チタン)から、光ディスクの記録層に使える新材料を発見した。Ti(チタン)酸化物の中でもTiが3価のものは、温度によって物質の相(結晶の構造)が変わることがこれまでの研究で明らかになっていた。物質の相が変わると、例えば金属のような導体から、絶縁体へと物質の性質が変わる。Ti3O5は室温では半導体的性質を見せるβ相という状態で安定しているが、187℃まで熱するとα相に変わり、導電体のように禁止帯がなくなる。この物質は波長が532nmの緑色レーザーを当てるだけで瞬時に茶色のβ相に変化することが分かった。その上、β層に変わったナノ粒子に波長410nmの青色レーザーを当てると、瞬時に元の状態に戻った。大越氏は黒色のTi3O5をλ相と呼ぶことにした。光で相が変化する金属酸化物は世界初の発見だ。λ相のTi3O5を構成する3つのTi原子はそれぞれ3.3価、3.3価、3.6価と、電荷が平均的に分布している。一方、β相のTi3O5は電荷が3.0価、3.8価、3.3価と偏っている。このように電荷が偏ると半導体的な性質を見せるという。λ相のTi3O5は、光を当てるだけでβ相に変化し、再び光を当てることでλ相に戻る。光ディスクの記録層の材料に十分応用可能な性質を持っている。さらに、粒子の直径が約10nmとごく小さい。大越氏によると、粒子1つで1ビットを表現すると仮定した場合、現時点ではBlu-ray
Diskのおよそ300倍の記録密度を達成できる見込みが立っているという。
*東京大学大学院理学系研究科/EETIMES
JYAPAN
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26/Jul/10
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繊維化疾病の治療
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<光触媒による痴呆症等の繊維化疾病の治療の開発>
酸化チタン(TiO_2)光触媒が紫外光を吸収して生成する電子と正孔がTiO_2表面の吸着水や酸素分子と反応すると、種々の活性種が生成する。これらの活性種は有機化合物を分解したり、細菌を死滅させたりするため、光触媒は現在広く環境浄化に利用されている。光触媒反応の医療への適用も進められつつあるが、それには生体関連物質への光触媒作用を分子レベルで解明する必要がある。カルシトニンはカルシウム調節ホルモンとして主に骨に作用し、骨吸収を抑制する働きをもつ。本研究は生理活性ペプチドであるヒトカルシトニンの触媒表面への吸着状態を検討し、光触媒作用による分解過程を解明することを目的とした。
本年度は次のような結果を得た,7種のアミノ酸の酸化チタンに対する吸着特性と光触媒特性をゼータポテンシャル測定とプロトンNMR測定から調べた。分解速度は,Phe<Ala<Asp<Trp<Asn<His<Serの順で高くなり,吸着した状態の酸化チタンの等電点が低いアミノ酸ほど分解されやすいことを見出した。ダイペプタイドである,Ala-Trpについても,吸着と光触媒分解の両方の検討を行った。Ala-Trpの分解速度はAlaより速く,また,Trpより遅いことがわかった。酸化チタンを焼成することで疎水的な結合が生じることがわかった。また,カルボキシル基が酸化チタンのターミナル水酸基部分に,アミノ基でブリッジ水酸基部分に吸着していることがわかった。しかし,しかし,触媒分解の速度が速いのは,Trpのインドイリル基により吸着した部分であることがわかった。
*長岡技術科学大学/科学研究費補助金データベース
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19/Jul/10
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空気浄化システム
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<多孔構造の竹炭チップに光触媒Tio2コーティングより成る空気浄化システムを開発・医療現場などに応用>
金大理工研究域機械工学系の瀧本昭教授は、竹炭と光触媒を組み合わせた
空気浄化システムを開発した。竹炭の高い吸着力で集めた空気中の浮遊物質を、強い酸化
力を持つ活性酸素の力で分解して再び空気中に飛び散ることを防ぐ仕組み。竹炭単独の場
合より浄化性能が高く、瀧本教授は「無菌状態が求められる医療現場などに応用できる」
としている。竹炭は微細な穴が無数に空いた多孔構造で、空気中に浮遊する有害物質や臭気物質を捕
集する性質を持つ。一方、光触媒は紫外線を吸収すると表面に活性酸素が発生し、空気中
にある有機物質と結び付いてこれを分解する働きがある。実験では、竹炭を砕いた直径1〜3ミリほどのチップを作り、光触媒作用を持つ酸化チ
タンの溶液に浸してコーティングした。コーティングされた竹炭をフィルターの中に入れ
て紫外線を当てながら空気を送り、細菌がどれだけ除去されるかを測定した。光を透過さ
せるため、チップと同じ大きさの透明なシリカゲル粒子を半分混ぜた。その結果、空気中を浮遊する菌の生存率は測定開始直後は約8%だったが、1時間後に
は約0・1%となった。比較のために竹炭のみの場合で測定したところ、1時間後の生存
率は3〜5%で、竹炭と光触媒を併用することで菌の除去性能が高まることが分かった。瀧本教授は現在、紫外線の照射効率の向上などに取り組んでおり、「手術室やぜんそく
患者の入院病室など医療現場などで役に立つ。ぜひ実用化させたい」と話している。
*金沢大学/北国新聞
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12/Jul/10
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メソポーラスシリカ酸化チタン粒子を包含した複合体
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<無機ナノ物質界面の構築と機能創出‐多孔体・触媒・薄膜‐>
広島大学 物質化学システム専攻 准教授 犬丸 啓
先生
ナノメートルサイズの規則構造をもつ多孔体から新しい高温超伝導体まで,さまざまな新材料の発見と開発がなされるなか,材料の複合化や高次構造の制御もますます重要になっている。我々は,物質同士のさまざまな界面が主役を演じる複合構造の構築と機能化に取り組んでいる。たとえば,多孔体のナノ空間とそれより一桁大きい結晶粒子との機能面での複合化,多孔体のメソポア中に固定した化学種の配置の機能設計,さらには無機分子や粒子の集積によるナノ
空間創出などである。本講演では,ナノ物質界面の創製という観点にたち,最近の我々の研究を紹介させていただきたい。メソポーラスシリカを用い,細孔内の有機・無機分子修飾や酸化チタン粒子を包含した複合体の創製により,分子選択
的吸着剤・光触媒や水中固体酸触媒を創出した。また,「スポンジ結晶」と名づけた新しいタイプの多孔質単結晶がヘテロポリ酸塩で生成することを見出している。その,エピタキシャル薄膜における界面の効果としてCrN薄膜の磁性転移制御などについても触れたい。
*広島大学/応用セラミックス研究所
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31/May/10
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光酸化活性に対するCu 反応機構
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<金属ナノ微粒子触媒作用と半導体光触媒作用のシナジー効果>
分子状酸素を酸化剤とする無溶媒液相アルコール光酸化反応がNb2O5
上で選択的に進行すること、およびその反応メカニズムを報告している。また
Nb2O5 上にCu
を担持することで活性が飛躍的に向上することを見出している。これまでの検討からCu/
Nb2O5 上で進行するアルコール光酸化にはCu
のレドックスが関与することがXAFS
測定より判明している。今回、FT-IR、ESR、作用スペクトル測定、速度論解析およびDFT
計算を用いて反応機構の検討を行い、光酸化活性に対するCu
の役割を明らかにした。
*京都大学大学院工学研究科
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17/May/10
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コア−中空シェル構造体光触媒
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<多孔質シリカシェル内包酸化チタン光触媒:合成と機能>
光触媒を多孔質の中空シリカ粒子に内包させた新奇コア−シェル型構造体(コア−中空シェル構造体)
を新たな光触媒形態として提案してきた。この構造では、「はだか」の高い反応性をもつ酸化チタン光触媒コアが、分子サイズの「ふるい」作用をもつ多孔質シェルおよびシェル内部の空隙部に形成される空間反応場のナノサイズ特殊空間に覆われている。このため、これらシェル−ナノ空隙部−光触媒コアの三つの機能が協奏的に作用する新しい光触媒反応系を構築することが期待される。本年度は、このコア−中空シェル構造体光触媒のシリカシェル部の細孔制御に取り組んだ。また、これを使っていくつかの基質を対象とした気相系光触媒反応光触媒をおこなったところ、ユニークな反応性を示すことを見いだした。
*大阪大学太陽エネルギー化学研究センター
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10May10
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ウィルスと
光触媒複合体
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<水から水素を分離する新技術を開発、ウイルスと触媒の複合体を利用し効率を4倍に>
将来訪れるであろう水素社会では、太陽エネルギを用いて燃料となるH2(水素)をH2O(水)から取り出すことになるだろうと言われていた。しかし、水素社会の到来は遅れている。単純な電気分解よりも効率の良い方法が見つからなかったからだ。米Massachusetts
Institute of Technolog(MIT)の教授であるAngela
Belcher氏が率いる研究グループは、生きているウイルスを利用して、植物の光合成の仕組みを模倣する技術を開発した。光合成のように、光を受けてH2OをO2(酸素)とH2(水素)に分解する技術だ。Belcher氏のグループは、遺伝子操作によってウイルス「M13」を開発した。M13は、水の分解反応を促す触媒の分子と、光を集める役目を果たす色素の分子を引き寄せる足場となる。今回の実験では触媒としてIrO2(酸化イリジウム)を利用し、色素にはZnDPEG(亜鉛ポルフィリン)を使った。色素が太陽光の光子を吸収し、触媒がそのエネルギを使って水分子を分解する仕組みだ。M13ウイルスと触媒などの複合体は糸のように伸びていき、複数の糸がからんで塊を作るようになる。糸の形をしているうちは良いが、塊になってしまうと、水分子を分解する機能を失ってしまう。そこで、糸状のウイルス複合体をゲル状の物体で覆って、カプセル化し、規則的なパターンを描くように配置した。これまでにも、さまざまな研究グループが光合成を利用した手法の開発に取り組んできた。しかし、従来の取り組みは植物の光合成を直接利用しようとするもので、ウイルスを使って、光合成を「模倣」する試みはなかった。MITは今回、ウイルスを利用したことで効率を4倍に高められたとしており、研究チームは高価なIrO2に代わる安価な触媒材料の開発を続けているという。今回の研究作業は、MITの博士課程の学生であるYoon
Sung Nam氏が大半を担い、米Pennsylvania State
Universityの教授であるThomas
Mallouk氏が協力した。開発資金は、イタリアのエネルギ大手であるEni社とMIT
Energy Initiative (MITEI)が提供している。
*Massachusetts
Institute of
Technolog(MIT)/EE TIMES JYAPAN
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12/Apr/10
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磁性を備えた多機能付与型触媒
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<キラル配位子修飾磁性ナノ粒子の新規合成と不斉触媒反応への応用>
研究機関:大阪大学
研究概要:真に実用的な触媒の開発を目指し、不斉反応を達成するための『キラル反応場』、高い触媒効率を発揮させるための『高表面積』、触媒の磁石分離を可能とするための『磁性』を同時に兼ね備えた多機能付与型触媒を開発する。具体的には、磁性粒子を核、その表面を触媒活性金属であるPd、Ptで被覆し、さらに不斉配位子で修飾した磁性金属ナノ粒子を提案する。反応後、触媒は磁石により容易に分離・回収できるため、操作性、安全性、経済性を兼ね備えた新規光触媒プロセスが構築できる。
*地域イノベーション創出総合支援事業「重点地域研究開発推進プログラム/内閣府
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05/Apr/10
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光エネルギー変換
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<光エネルギー変換を目指した光触媒技術の開発>
工藤 昭彦(東京理科大学理学部教授)
粉末光触媒を用いた水分解反応が進行するために必要な過程として、第一の過程では、半導体光触媒にバンドギャップより大きなエネルギーを持つ光を照射することにより、電子が価電子帯から伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生じる。ここで、水分解反応が進行するためには、伝導帯に励起された電子が水の還元電位よりも卑側のポテンシャルを、価電子帯に生成した正孔が水の酸化電位よりも貴側のポテンシャルを持っていることが不可欠である。また、可視光を利用するためには、3
eVより狭いバンドギャップを持つ光触媒の開発が要求される。第二の過程では、光照射により生成した電子および正孔が粒子表面へ移動する。ここで、光触媒粒子の結晶性などが、光生成したキャリアの寿命などを支配する。より良い結晶性を有する粒子では、再結合中心として働く欠陥が少ないため、電子および正孔が表面へたどり着く確率が高くなり、光触媒反応効率が増大する。第三の過程では、光触媒粒子の表面に到達した電子が水を還元して水素、正孔が水を酸化して酸素を生成する。光触媒粒子の表面特性としては、それらの酸化還元反応活性点の存在が不可欠である。また、表面積も重要な因子となる。これらの過程が完結することにより、初めて水分解活性が発現する。
ペロブスカイト構造を有するタンタル酸ナトリウム(NaTaO3)は高活性な水分解光触媒である。さらに、Laを数%をドーピングすることにより、その活性が十数倍向上する。図3に示した走査型電子顕微鏡観察からわかるように、このNaTaO3:La光触媒は、特徴的な表面ナノステップ構造を持つ数百ナノメートルの微結晶である。このナノステップ構造の形成により、水の酸化および還元のための高活性な反応場が構築されている。実際に、ガラス基板に塗布されたNiO/NaTaO3:La光触媒に紫外光を照射することにより、目視でも確認できる水素と酸素の泡が発生する(図3)。ここに存在するものは、水と粉(光触媒)と光だけである。このように、非常にシンプルな系で水から水素を作り出すことができるのである。このNiO/NaTaO3:La光触媒の開発により、粉末光触媒を用いても高効率な水分解が可能であることがはじめで実証できた。しかし、NaTaO3:La光触媒のバンドギャップは4。1
eVであり紫外光しか使えないことが、大きな欠点である。地球に届いた太陽光の有効利用の観点から、可視光で応答する光触媒の開発が重要である。
水素および酸素生成に活性を示す2つの可視光応答性光触媒を組み合わせることにより、水の可視光分解が可能となる。この系では、2つの光触媒間で電子のやり取りをする電子伝達剤が必要である。この電子伝達剤は、酸化還元を繰り返すだけで、それ自身は消費されない。この系は、緑色植物の光合成に見られるような2段階の光励起で働くことから、
Zスキーム型光触媒と呼ばれている。
Ru/SrTiO3:RhとBiVO4を組み合わせた系が、Zスキーム型光触媒として働く。ここで、SrTiO3:Rhは、ワイドバンドギャップ光触媒であるSrTiO3への遷移金属ドーピングによって開発された可視光応答型光触媒である。これは、可視光照射下で水素を生成することができる数少ない金属酸化物光触媒である。また、BiVO4は、Bi(III)の性質を利用した酸素生成可能な可視光応答型光触媒である。Ru助触媒を担持したSrTiO3:Rh粉末とBiVO4粉末を鉄イオンが溶けた水溶液に懸濁させて可視光照射すると、水が分解して水素と酸素が2:1で生成する。この光触媒系は、520nmまでの可視光を利用できるという特徴を持っている。さらに、太陽光を用いても反応が進行することが確認されている。これで、効率が低いながらも粉末光触媒を用いた水からのソーラー水素生成が実証できたわけである。しかし、粉末光触媒を用いた水分解では、水素と酸素が混合気体(爆鳴気)で得られるという大きな欠点がある。ここで、このZスキーム型光触媒では、水素と酸素が異なる粉末上で生成する。したがって、粉末を分離し、電子メディエーターだけが、それらの光触媒粒子間を行き来できるようにすれば、水素と酸素を分離して生成することが可能となる。実際、適当な穴のサイズを持つフィルターで仕切ることにより、水素と酸素が別々の反応槽から得られることも実証できている。一方で、Zスキーム型光触媒において、電子伝達剤を用いなくても、光触媒粒子間の電子移動により可視光水分解が進行する系の開発にも成功している。
*東京理科大学
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15/Mar/10
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有機半導体を
用いた光触媒
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<有機半導体p-n接合体の新しい応用― 全可視光応答型光触媒 ―>
有機半導体を用いた光触媒の開発
われわれは,全く違う目的で有機半導体を利用する中で,これが意外に安定だと実感し,過酷な酸化還元反応の関わる光触媒としても用いることができるのではないかと考え,光電気化学の手法を用いた実験を弘前大学の阿部敏之准教授と共同で行いました。ここでは,光源として,紫外光を含まないハロゲンランプを,また有機半導体としてn型のペリレン誘導体(PTCBI)とp型のフタロシアニン(H2Pc)を用いました。光照射時間とともに,酸素と水素が1:2の量で検出される一方で,窒素は全く検出されず,この酸素は空気の混入ではなく,水由来の酸素であることが確かめられました。図では,助触媒として酸化イリジウム(IrO2)を用いた場合を示しましたが,フタロシアニンは中心金属にコバルトを用いた場合は,酸化イリジウムを用いなくとも酸素発生が起こります。この実験は,対極の白金と電極で繋ぎ,その間にバイアス電位が印加されますが,(1)可視域全域(750
nmまで)の光に応答すること,(2)水系で安定に酸化還元すること,特に酸素発生(水の酸化)が安定に起こること(言い換えれば酸素発生の条件でも安定である)が初めて確認されました。無機化合物でも(1,2)を同時に満たす現象が報告された例はありませんでした。
高分子積層フィルム型無バイアス可視光応答光触媒の開発
しかし,環境調和型光触媒(発熱反応型、汚染物の分解),水素エネルギーの利用目的としての吸熱反応型の水分解,いずれの目的を考えても,この実験は必要条件を満たすにすぎません。バイアス電位を付与しない場合でも光触媒作用を示すことが更に必要です。さらに実用的な展開を考えると,粉末状態の光触媒よりも,フィルム型で切ったり貼ったりできることも重要となります。こうした点を考えて,吸着能を有する高分子膜の上に有機p-n接合体を形成させた光触媒をデザインしました。これを用いて,悪臭物質の一つであるトリメチルアミンの分解を試みたところ,室内の蛍光灯程度の強度(100μW/cm2)の可視光照射でこれが起こり,完全にCO2にまで分解することを確認しました。この光触媒的分解は,可視光全域の光に対して起こるのは勿論ですが,気相中のトリメチルアミンだけでなく,水に溶解したトリメチルアミンに対しても起こります。有機半導体で問題となる長期的な安定性については検証中の段階ですが,少なくとも1ヶ月以上は初期の性能を維持しています
*東京工業大学 集積分子工学部門
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08/Mar/10
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超伝導有機化合物
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<「ピセン」零下253度で超伝導・有機化合物で最高温度 群大・山路准教授ら発見>
「ピセン」という化学物質が、零下253度で電気抵抗がゼロになる超伝導状態を示すことを、群馬大学大学院工学研究科の山路稔准教授(光化学)が参加している岡山大学の研究グループが発見した。ピセンなど平面状の構造の有機化合物が超伝導状態になる最高温度は、これまで零下260度台とされており、より常温に近づいた画期的な発見だという。4日に英科学誌「ネイチャー」で発表される。ピセンは、ベンゼン環を五つ持つ有機芳香族の炭化水素。珍しい物質ではないが、これまでは合成しても、少量で低純度のものしか得ることができなかった。山路准教授は、ジナフチルエタンという有機化合物に光触媒を加えて光線を照射することで、高純度のピセンを比較的容易に、大量に合成することに成功。岡山大大学院の久保園芳博教授(物性物理化学)のグループに参加し、ピセンにアルカリ金属のカリウム、ルビジウムを加えると、より高温で超伝導状態を作り出す性質になることを確認した。超伝導の研究は、エネルギーの効率的な利用に向けて進められている。ピセンのような有機化合物は軽量で加工がしやすく、仮に実験や応用開発の段階で失敗しても「燃やせば空気と水に戻る」(山路准教授)ため、環境にも優しいという。山路准教授は「同様の性質を持つ有機化合物が、ほかにも存在する可能性を示せた」と、さらなる研究にも意欲を示している。
*岡山大学。群馬大学/読売新聞
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01/Mar/10
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シンポジウム
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<東京理科大学大学院総合化学研究科開設記念シンポジウム開催の御案内>
平成21年4月に新設されました大学院総合化学研究科
総合化学専攻は、本学大学院理学研究科
化学専攻と工学研究科
工業化学専攻を発展的に統合し、化学を基盤として理学の知と工学の知を融合させた、全国でもユニークな化学系単独の大学院で、33研究室、5研究コースで構成されています。このたび総合化学研究科の開設を記念して第1回シンポジウムを下記要領で開催いたします。総合化学研究科の最先端の研究をご紹介しますので、奮ってご参加いただきますようお願い申し上げます。
開催期日:平成22年3月10日(水)午後1時30分より午後6時まで
開催場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)
プログラム
1.13:30−13:40 開会挨拶・・・・・・・・・・学長 藤嶋 昭
2.13:40−14:00 総合化学研究科概要説明・・・総合化学研究科長 荒川 裕則
3.14:00−14:50 特別講演・・岩澤 康裕先生 講演題目:21世紀の化学研究
4.各コースからの研究紹介
15:00−15:30 分子集積・分子科学コース・・・教授 築山 光一 −Hydrogen:
先端分光による温故知新―
15:30−16:00 合成・反応有機化学コース・・・教授 林 雄二郎 −触媒開発からタミフルの全合成へ―
16:00−16:30 機能・生体材料化学コース・・・教授 矢島 博文 −カーボンナノチューブのバイオ化学への展開―
16:50−17:20 エネルギー・環境化学コース・・・教授 工藤 昭彦−水と太陽光から水素エネルギーを作り出す光触媒―
17:20−17:50 工業化学コース・・・教授 大竹 勝人 −超臨界技術の最前線―
17:50−18:00 閉会挨拶
申し込みはFAXにて東京理科大学化学系事務室(Fax:03-3235-2214)へお願いします。詳細
参加希望者が200名になり次第締め切りにさせていただきます。参加費無料。
*光電気化学・光触媒ニューズメール
第251号
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22/Feb/10
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講演会
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<第60回大阪府立大学産官学共同研究会テクノラボツアー>
"『電気を創る・貯める・利用する-環境に優しい次世代エネルギーデバイス最近のトピックス-』"
日 時
2010年3月17日(水) 13:30〜19:00 (開場13:00)
会 場
大阪府立大学 工学研究科 A9-209 大会議室
定 員 60名程度
プログラム
13:00〜13:30 受付(A9-209 大会議室前)
13:30〜14:00 講演I
『水を使った蓄電・発電デバイス-ハイブリッドキャパシタと固体高分子型燃料電池』
井上 博史:工学研究科 応用化学分野 教授
14:05〜14:25 講演II
『全固体リチウム-硫黄電池の開発-次世代高容量蓄電池を目指して』
林 晃敏:工学研究科 応用化学分野 助教
14:30〜14:50 講演III
『光燃料電池の開発-光触媒を用いてバイオマスから電気を取り出す』
松岡 雅也:工学研究科 応用化学分野 准教授
15:05〜15:25 講演IV
『ハイブリッド型太陽光・熱利用電池-光と熱の両方で発電する』
津久井 茂樹:工学研究科 化学工学分野 准教授
15:30〜15:50 講演V
『分散型エネルギーシステムによる熱電併給-家庭用システムの開発動向と最適化による分析』
涌井 徹也:工学研究科 機械工学分野 准教授
16:00〜17:45 ラボツアー: (見学内容は下記)
(1)電気化学研究グループ(講演I関連見学)
(2)無機化学研究グループ(講演II関連見学)
(3)物理化学研究グループ(講演III関連見学)
(4)クラスター制御工学研究グループ(講演IV関連見学)
(5)大会議室(講演V関連パネル展示)
17:45〜19:00 交流会(A9-309 中会議室)
主催・協力 主催:大阪府立大学産官学共同研究会
協力:大阪商工会議所・大阪TLO、堺商工会議所
*大阪府立大学
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