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15/Mar/10

有機半導体を
用いた光触媒

<有機半導体p-n接合体の新しい応用― 全可視光応答型光触媒 ―>
有機半導体を用いた光触媒の開発
われわれは,全く違う目的で有機半導体を利用する中で,これが意外に安定だと実感し,過酷な酸化還元反応の関わる光触媒としても用いることができるのではないかと考え,光電気化学の手法を用いた実験を弘前大学の阿部敏之准教授と共同で行いました。ここでは,光源として,紫外光を含まないハロゲンランプを,また有機半導体としてn型のペリレン誘導体(PTCBI)とp型のフタロシアニン(H2Pc)を用いました。光照射時間とともに,酸素と水素が1:2の量で検出される一方で,窒素は全く検出されず,この酸素は空気の混入ではなく,水由来の酸素であることが確かめられました。図では,助触媒として酸化イリジウム(IrO2)を用いた場合を示しましたが,フタロシアニンは中心金属にコバルトを用いた場合は,酸化イリジウムを用いなくとも酸素発生が起こります。この実験は,対極の白金と電極で繋ぎ,その間にバイアス電位が印加されますが,(1)可視域全域(750 nmまで)の光に応答すること,(2)水系で安定に酸化還元すること,特に酸素発生(水の酸化)が安定に起こること(言い換えれば酸素発生の条件でも安定である)が初めて確認されました。無機化合物でも(1,2)を同時に満たす現象が報告された例はありませんでした。
高分子積層フィルム型無バイアス可視光応答光触媒の開発
しかし,環境調和型光触媒(発熱反応型、汚染物の分解),水素エネルギーの利用目的としての吸熱反応型の水分解,いずれの目的を考えても,この実験は必要条件を満たすにすぎません。バイアス電位を付与しない場合でも光触媒作用を示すことが更に必要です。さらに実用的な展開を考えると,粉末状態の光触媒よりも,フィルム型で切ったり貼ったりできることも重要となります。こうした点を考えて,吸着能を有する高分子膜の上に有機p-n接合体を形成させた光触媒をデザインしました。これを用いて,悪臭物質の一つであるトリメチルアミンの分解を試みたところ,室内の蛍光灯程度の強度(100μW/cm2)の可視光照射でこれが起こり,完全にCO2にまで分解することを確認しました。この光触媒的分解は,可視光全域の光に対して起こるのは勿論ですが,気相中のトリメチルアミンだけでなく,水に溶解したトリメチルアミンに対しても起こります。有機半導体で問題となる長期的な安定性については検証中の段階ですが,少なくとも1ヶ月以上は初期の性能を維持しています
*東京工業大学 集積分子工学部門

08/Mar/10

超伝導有機化合物

<「ピセン」零下253度で超伝導・有機化合物で最高温度 群大・山路准教授ら発見>
「ピセン」という化学物質が、零下253度で電気抵抗がゼロになる超伝導状態を示すことを、群馬大学大学院工学研究科の山路稔准教授(光化学)が参加している岡山大学の研究グループが発見した。ピセンなど平面状の構造の有機化合物が超伝導状態になる最高温度は、これまで零下260度台とされており、より常温に近づいた画期的な発見だという。4日に英科学誌「ネイチャー」で発表される。ピセンは、ベンゼン環を五つ持つ有機芳香族の炭化水素。珍しい物質ではないが、これまでは合成しても、少量で低純度のものしか得ることができなかった。山路准教授は、ジナフチルエタンという有機化合物に光触媒を加えて光線を照射することで、高純度のピセンを比較的容易に、大量に合成することに成功。岡山大大学院の久保園芳博教授(物性物理化学)のグループに参加し、ピセンにアルカリ金属のカリウム、ルビジウムを加えると、より高温で超伝導状態を作り出す性質になることを確認した。超伝導の研究は、エネルギーの効率的な利用に向けて進められている。ピセンのような有機化合物は軽量で加工がしやすく、仮に実験や応用開発の段階で失敗しても「燃やせば空気と水に戻る」(山路准教授)ため、環境にも優しいという。山路准教授は「同様の性質を持つ有機化合物が、ほかにも存在する可能性を示せた」と、さらなる研究にも意欲を示している。
*岡山大学。群馬大学/読売新聞 

01/Mar/10

シンポジウム

<東京理科大学大学院総合化学研究科開設記念シンポジウム開催の御案内>
平成21年4月に新設されました大学院総合化学研究科 総合化学専攻は、本学大学院理学研究科 化学専攻と工学研究科 工業化学専攻を発展的に統合し、化学を基盤として理学の知と工学の知を融合させた、全国でもユニークな化学系単独の大学院で、33研究室、5研究コースで構成されています。このたび総合化学研究科の開設を記念して第1回シンポジウムを下記要領で開催いたします。総合化学研究科の最先端の研究をご紹介しますので、奮ってご参加いただきますようお願い申し上げます。
開催期日:平成22年3月10日(水)午後1時30分より午後6時まで
開催場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)  
プログラム
1.13:30−13:40 開会挨拶・・・・・・・・・・学長 藤嶋 昭
2.13:40−14:00 総合化学研究科概要説明・・・総合化学研究科長 荒川 裕則
3.14:00−14:50 特別講演・・岩澤 康裕先生 講演題目:21世紀の化学研究
4.各コースからの研究紹介

 15:00−15:30 分子集積・分子科学コース・・・教授 築山 光一 −Hydrogen: 先端分光による温故知新―
 15:30−16:00 合成・反応有機化学コース・・・教授 林 雄二郎 −触媒開発からタミフルの全合成へ―
 16:00−16:30 機能・生体材料化学コース・・・教授 矢島 博文 −カーボンナノチューブのバイオ化学への展開―
 16:50−17:20 エネルギー・環境化学コース・・・教授 工藤 昭彦−水と太陽光から水素エネルギーを作り出す光触媒―
 17:20−17:50 工業化学コース・・・教授 大竹 勝人 −超臨界技術の最前線―
 17:50−18:00 閉会挨拶
申し込みはFAXにて東京理科大学化学系事務室(Fax:03-3235-2214)へお願いします。詳細 
参加希望者が200名になり次第締め切りにさせていただきます。参加費無料。
*光電気化学・光触媒ニューズメール 第251号 

22/Feb/10

講演会

<第60回大阪府立大学産官学共同研究会テクノラボツアー>
"『電気を創る・貯める・利用する-環境に優しい次世代エネルギーデバイス最近のトピックス-』"
日 時 2010年3月17日(水) 13:30〜19:00 (開場13:00)
会 場 大阪府立大学 工学研究科 A9-209 大会議室
定 員 60名程度 
プログラム 13:00〜13:30 受付(A9-209 大会議室前) 
13:30〜14:00 講演I
『水を使った蓄電・発電デバイス-ハイブリッドキャパシタと固体高分子型燃料電池』
井上 博史:工学研究科 応用化学分野 教授
14:05〜14:25 講演II
『全固体リチウム-硫黄電池の開発-次世代高容量蓄電池を目指して』
林 晃敏:工学研究科 応用化学分野 助教
14:30〜14:50 講演III
『光燃料電池の開発-光触媒を用いてバイオマスから電気を取り出す』
松岡 雅也:工学研究科 応用化学分野 准教授
15:05〜15:25 講演IV
『ハイブリッド型太陽光・熱利用電池-光と熱の両方で発電する』
津久井 茂樹:工学研究科 化学工学分野 准教授
15:30〜15:50 講演V
『分散型エネルギーシステムによる熱電併給-家庭用システムの開発動向と最適化による分析』
涌井 徹也:工学研究科 機械工学分野 准教授
16:00〜17:45 ラボツアー: (見学内容は下記)
(1)電気化学研究グループ(講演I関連見学)
(2)無機化学研究グループ(講演II関連見学)
(3)物理化学研究グループ(講演III関連見学)
(4)クラスター制御工学研究グループ(講演IV関連見学)
(5)大会議室(講演V関連パネル展示)
17:45〜19:00 交流会(A9-309 中会議室)
主催・協力 主催:大阪府立大学産官学共同研究会
協力:大阪商工会議所・大阪TLO、堺商工会議所
*大阪府立大学 

28/Dec/09

可視応答形酸化チタン光触媒の作製と評価

<日本分析化学専門学校 平成21年度 「卒業研究発表会」のご案内>
本校学生生活の集大成である「卒業研究発表会」を下記の通り開催いたします。興味を持たれた研究発表のみの聴講も歓迎しますので、ぜひご来場下さいますようご案内申し上げます。
日時:平成22年2月6日(土) 午前9時30分〜午後3時40分
会場:(財)大阪科学技術センター 8階大ホール 大阪市西区靱本町1-8-4
プログラム:光触媒関連のみ抜粋
【 午後の部  13:00〜15:30】
No.14.可視応答形酸化チタン光触媒の作製と評価
対象:どなたでも自由にご参加可能です。但し、事前予約が必要です。参加費無料
申込締切:参加を希望される方は、メールでお申し込み下さい。先着順で、定員に達した段階で締め切りとさせていただきます。
申込方法:以下の事項を明記し、お申し込み下さい。
@氏名 A生年月日 B学校名・学年または勤務先 C連絡先(郵便番号、住所、電話番号)
  日本分析化学専門学校 「卒業研究発表会」係
〒530-0043 大阪市北区天満2-1-1 電話 06-6353-0347 FAX 06-6353-1828
*日本分析化学専門学校 

21/Dec/09

超高速な光磁性現象のメカニズム

<光が一瞬の磁石を作り出す(100億分の1秒のX線パルスによる分子磁性と分子構造変化の検出に成功)>
大学院理工学研究科  教授  腰原 伸也
研究の背景:人類にとって理想的なエネルギー源である太陽光を用いて、光エネルギーをより利用しやすいエネルギーの形態に変換・貯蔵し、有効利用のための高効率システムを構築することは、持続可能な社会の実現に向けた重要な研究課題です。また光を用いた物質の制御は、次世代の光通信や光情報処理素子開発のためのキーテクノロジーとして期待されており、特に光により磁性が変化する物質は、超高速光通信に必要不可欠な光スイッチングデバイスへの応用の観点から注目を集めています。より良い機能を持った新物質設計を行うためには、その基礎的な情報である光による分子内の高速な磁性の変化と、それに伴う高速な分子構造の変化に関する情報を得ることが極めて重要です。しかし、これまでの最新技術をもってしても高速で変化する分子の磁性を観測することは極めて困難であり、また分子磁性と分子構造変化を同時に測定することは不可能でした。
研究の成果:本研究では、新たに開発されたXAFS法を用いることにより、光によって分子内に100億分の1秒の間だけ出現する磁性と分子構造の変化を直接観測することに成功しました。本研究の対象としたサンプルは、1個の鉄原子の周りをフェナントロリンと呼ばれる3個の有機分子が取り囲んでいる分子集合体です。このような分子集合体を一般に金属錯体と呼び、この分子を特に、鉄フェナントロリン錯体と呼びます。この鉄フェナントロリン錯体は水に溶かすと綺麗なワイン色の溶液になりますが、非常に高強度で短い時間幅を持つ青色のレーザー光(パルスレーザー光と呼びます)を照射すると、パルスレーザー光のエネルギーを吸い込んで、分子の色が変化し、700ピコ秒(100ピコ秒:100億分の1秒)という非常に短い時間で元の状態に戻るということが以前から知られていました。この現象は錯体分子の中心にある鉄原子の状態がレーザー光によって過渡的に変化し、元に戻ったことに対応します。分子の色が変化していることで、分子中の磁性と分子構造が変化していることが予想されますが、実験的にその詳細なメカニズムを調べるためには、磁性と分子構造の変化を一度に測定することができるXAFS測定が最も有効な手法です。ただし、一般的なXAFS測定は高速現象の測定には適さないため、特殊な方法で強力な短パルスのX線を利用する必要があります。本研究は、KEKの放射光科学研究施設(PF-AR)の時間分解X線ビームラインNW14Aを使い行われました。このビームラインは高速な物質の状態変化を原子サイズの分解能の動画として観測するために、JSTとKEKとの共同研究により特別に設計・建設されたビームラインです。このビームラインでは、レーザーパルスとX線パルスを交互に繰り返し入射する測定法(ポンプ・プローブ法と呼びます)によって、周期的に非常に短い間だけ出現する状態を、100ピコ秒幅のX線を用いてとらえることができます。本研究グループの足立准教授と野澤特別助教は、このビームラインを利用して時間分解XAFS実験を新規に開発することで、鉄フェナントロリン錯体の色の変化を、分子の磁性および分子構造の変化として観測することに成功しました。その結果から、光励起後の鉄フェナントロリン分子中では、700ピコ秒の間だけ、鉄原子の電子スピン注2)の配置が変化して磁性が出現し、その影響で鉄とフェナントロリンの結合距離が0.198nmから0.215nmへと約10%伸びて分子構造が変化し、鉄とフェナントロリンの間の結合が弱くなっていることが明らかとなりました。この結果は、溶液中でランダムに配向した分子が、光によって700ピコ秒という非常に短い間に一瞬だけ分子磁石へと変化し、すぐに元の状態へと戻っていく様子を、これまで実現不可能であった空間精度と時間精度でとらえることに成功したことを表しています。
今後の展開:本研究で開発された時間分解XAFS法によって、原子スケールにおける、極めて短い時間(100億分の1秒)の機能(磁性)の変化を、その機能変化と結びついた分子構造の変化と合わせて同時に直接観測することが可能となりました。これは超高速な光磁性現象のメカニズムを知ることができるという意味で極めて画期的なものです。このように光によって、分子磁性が超高速に変化する現象を詳しく探求することで、超高速な超微小メモリやスイッチの開発が推進されることが期待されます。また、時間分解XAFS法は試料形状を選ばないため、固体だけでなく、液体や気体のように結晶でない試料に対しても適用可能です。したがって分子磁石、磁性触媒、生物磁石といった、分子中の磁性を利用した新技術における反応機構解析・物質設計に大いに役立つことが期待できます。さらには、太陽光エネルギーの有効利用に向けて、新規太陽光発電技術の開発や光触媒反応によるCO2固定化など、光エネルギー利用技術の高効率化を目指した基礎測定技術としても、今後の発展が期待されます。
*東京工業大学 

07/Dec/09

ポーラス酸化亜鉛の光触媒特性

<アノード酸化により作製したポーラス酸化亜鉛の構造と光触媒特性>
小林 勇太, 阿相 英孝, 小野 幸子/ 工学院大学 工学部
酸化物半導体である酸化亜鉛(ZnO)は,クリーンエネルギーとして注目されている太陽光発電において,従来のシリコン太陽電池よりも低コストである色素増感太陽電池の半導体電極としての応用が期待されている。また,ZnOを二酸化チタン(Ti02)と同様に光触媒へ応用する研究も近年活発化している。さらには,発光デバイス,フォトダイオード,透明導電膜,バリスター,金属一絶縁体一半導体ダイオードなど,ZnOはさまざまな用途で応用研究が進められている。現在,これらの応用に使用されているZnO薄膜の成脱法は,スパッタリング法などのドライプロセスが主流である。しかし,ドライプロセスによる薄膜作製の際には高真空度が要求され,成膜設備が高コストな上,真空装置の大きさによって成膜面積が限定されるといった工業的な課題がある。一方,めっきやアノード酸化などのウェットプロセスは,大気中,特殊な装置を用いずに筒使に低コストかつ太面積に成膜可能という有利さをもつ。これまでにもアノード酸化によるZnO皮膜の生成に関してはいくつかの報告があり,電解液に水酸化カリウムを用いた場合,アノード酸化時の電解液濃度や生成電圧に応じて黒色あるいは白色の不動態皮膜が生成することが知られている。また,電解液に水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたアノード酸化に関しても同様の検討がなされており,生成したZnO皮膜の光触媒反応によるアセトアルデヒドの分解特性に関する報告では,0.1 mol dm-3 NaOH 水溶液を10七以下に制御し,30Vの定電圧でアノード酸化を行うと透明の皮膜が生成し,良好な光触媒特性を示すこと,また0.1moldm ̄3NaOH水溶池中で生成したZnO皮膜はフォトルミネッセンスを示すことが報告されている。しかし,皮膜の微細構造を制御する電解条件の影響や,NaOH以外の電解池中におけるZnのアノード酸化挙動に関しては十分な検討は行われていない。本研究では,電解液の種類,濃度,温度,生成電圧,電解時間などの電解パラメータを変化させ,Znのアノード酸化皮膜の微細構造に及ぼす電解条件の影響を明らかにするとともに,皮膜を厚く成長させる条件について検討し,得られた皮膜の結晶構造と光触媒特性の評価を行った。

ポーラスZnO皮膜の微細構造や結品性に及ぼす電解条件因子の影響および生成した皮膜の光触媒特性に関して検討し,以下の結論を得た。
 @(COOH)2中で生成した皮膜は,主に結晶性のZn(OH)2であり,岩状の表層部と粒状の内層部からなる多層構造を形成したものであった。
 A(NH4)2B407中で生成した網目状の皮膜は,アモルファスで皮膜表層には白色の粒子が堆積したものであった。
 (3)NaOH中で生成した直管状のセル構造を待つ皮膜は粒径10〜20 nm 程度の微粒子から成る結晶性のZnOで,定電圧電解によって生成した皮膜のセル径は電圧によらず約40〜60nmであった。
 (4)低い生成電圧(9V)におけるアノード酸化は,ガス発生および皮膜の部分はく離が抑制され,8時間のアノード酸化で膜厚30μmのポーラスZnO皮膜が生成した。
 (5)ZnO皮膜のMB分解率は対照に用いたTi02(P25)の80‰であり,面試料の実表面積の差を考慮すると,アノード酸化で生成したZnOの光触媒特性はTi02と同等以上であると考えられる。よって,Zn板状に形成したポーラスZnO皮膜はプレート型触媒としての応用が期待できる。
*工学院大学 

16/Nov/09

新学長

<東京理科大学長に藤嶋氏>
東京理科大は、次期学長に、神奈川科学技術アカデミー理事長の藤嶋昭氏(67)を選出した。任期は平成22年1月1日から4年間。藤嶋氏の専攻は電気化学。光触媒の研究で知られ、16年に日本学士院賞を受賞した。
*東京理科大 

02/Nov/09

光触媒薄膜基板

<高速低温条件で光触媒薄膜形成 都城高専准教授ら世界初>
都城高専(都城市)の野口大輔准教授(材料化学)を中心とした産学グループが、スパッタ法で酸化チタンを原料にした光触媒薄膜を基板に形成する際、100度以下の低温で効率よく成膜する製造技術を世界で初めて開発した。既に量産ベースでの応用にめどを付けており、これまで耐熱性の問題から光触媒薄膜を形成できなかったプラスチック基板などで新用途開発につながる見通しだ。参加している民間企業は自動車部品など製造のホンダロック(宮崎市佐土原町)、真空装置メーカーのシンクロン(神奈川県)。グループはシンクロンの技術をベースに2段階に分けて成膜、薄膜構造を多層化する新技術を確立した。加熱処理を加える従来技術の10倍のスピードで基板表面に薄膜を形成できることを確認し、8月に特許出願した。
*都城高専/宮崎日日新聞 

21/Sep/09

植物工場 研究

<校内『植物工場』建設へ 明大・生田キャンパス『普及の技術拠点に』>
明治大学は川崎市多摩区の生田キャンパス内に、来年夏をめどに、「植物工場」普及の技術開発拠点となる研究センターを開設すると発表した。「植物工場基盤技術研究センター」で、今年八月、農業の産業化を狙う経済産業省の補助金制度の対象の一つとして採択されていた。「植物工場」は人工的に光、温度、湿度などを制御した屋内で農産物を栽培する施設。センターでは、明大がすでに開発した二酸化炭素(CO2)殺菌法や、光触媒による培養液浄化の新技術を活用し、無農薬・無菌の生産システムを確立。従来の殺菌・洗浄工程を省略することで、コスト減や水の節約を実現する。明大によると、消毒の必要がないため、食品の安全性も確保されるという。工場運営上の課題解決に向けた研究開発や、導入を検討中の地元事業者への技術指導・人材育成を担い、植物工場の普及や地域経済の活性化を図る。四百四十平方メートルの施設には、センター内で生産された農産物を品質評価する場や微生物の分析をする実験室を備えるほか、排水を出さないために培養液の殺菌、浄化設備などを設ける。太陽光や風力発電装置による自然エネルギーで電源をまかなうエコな工場を目指す。本年度中の着工を予定している。事業費は非公表。明大農学部の担当者は「植物工場の導入を検討している市内の中小企業の見学も受け入れるなどし、地元の産業の活性化につなげたい」としている。 
*明治大学/東京新聞 

31/Aug/09

農薬分解

<トリアジン系農薬の光分解法>
公開番号 未公開特許・データ収録日2009年8月28日
出願番号 特願2008-188446・出願日2008年7月22日
発明の名称「トリアジン系農薬の光分解法」
出願人/権利者:学校法人明星大学  発明者:柳澤一平 大山俊之 日高久夫
発明の概要:生分解法や従来の光触媒法では、分解が困難であったトリアジン系農薬について、オゾン、酸素、および過酸化水素の存在下、アルカリ性に調整されたトリアジン系農薬の水溶液に光触媒を加え光照射することにより分解浄化する方法である。
*明星大学/科学技術振興機構 

24/Aug/09

研究紹介

<金属イオン修飾による二酸化チタン光触媒の可視光応答性付与と歯科応用のための基礎研究>
 谷村 幸広/北海道大学大学院歯学研究科口腔病態学講座口腔顎顔面外科学分野
 亘理 文夫/北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座物性歯科理工学分野
 宇尾 基弘/北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座物性歯科理工学分野
 戸塚 靖則/北海道大学大学院歯学研究科口腔病態学講座口腔顎顔面外科学分野
従来,紫外光が不可欠であった二酸化チタン(TiO_2)光触媒を歯科に応用するために,金属イオン修飾により可視光応答性を付与し,その効果を色素分解試験で評価し,処理条件の最適化を図った.光触媒能は金属イオン/TiO_2量比に依存し,0.3μmのTiO_2粉末ではAg/TiO_2量比が30μg/gの条件において可視光で最も優れた触媒効率を示した.その応用として,ゾルーゲル法でTiO_2コーティングしたガラス板を用いた抗菌試験では,controlに比較してStreptococcus mutansに対する明らかな抗菌作用が確認された.さらに歯牙漂白試験でも漂白前後で視覚的,数値的に審美性の改善が認められた.可視光応答性の付与と触媒効率の増大により抗菌作用,歯牙漂白も十分に可能であり歯科臨床への応用の可能性が示唆され
Although titanium dioxide photocatalyst is usually initiated only by ultraviolet in radiation, visible light responsiveness after metal ion processing was investigated by examination of the decomposition of methylene blue pigment and optimal processing conditions were studied. The photocatalyst effect depended on metal ion/TiO_2 ratio during treatment with metal ion solution. Using a 0.3 μm powder, the optimal catalyst efficiency under visible light was obtained with a Ag/TiO_2 ratio of 30 μg/g. An antibacterial effect on Streptococcus mutans was clearly confirmed on titanium dioxide film formed by the sol-gel method on a glass plate and decorated with metal ion. Dentition bleaching was also successfully carried out. Thus visible light responsiveness and an increase in catalyst efficiency were obtained, enabling antibacterial activity and dentition bleaching. These findings suggest the applicability of photocatalyst in dental practice.
*北海道大学大学院歯学研究科/国立情報学研究所(NII) 

03/Aug/09

結晶面構造制御による光触媒機能向上

<酸化チタン同結晶面で還元と酸化反応が同時発生抑制の分離結晶面構造制御にて光触媒機能を向上>
九州工業大学大学院工学研究院物質工学研究系教授の横野照尚氏の研究グループは,光触媒として使われている酸化チタンの結晶面を構造制御する粒子合成手法によって,有機物などを分解する能力を大幅に高めることに成功した。光触媒効果を持つ酸化チタン粒子は,光を照射すると電子とホール(正孔)の対ができ,粒子表面での電子による還元反応と,ホールによる酸化反応によって有機物などを分解除去する機能を持っている。しかし通常の球状粒子では,同一表面上で電子とホールが再結合して,酸化反応や還元反応を阻害する反応(逆反応)が起こる。横野教授らは,酸化チタンのある結晶面では還元反応が,別の結晶面では酸化反応がそれぞれ優先的に起こることを見い出した。そこで,それぞれの結晶面で還元と酸化の反応が別々に起こるように制御し,同じ結晶面で還元と酸化反応が同時に起こらないように分離することによって,光触媒性能を全体として向上させることを可能にした。実際には,結晶面を構造的に制御したルチル型酸化チタン粒子を水熱合成法によって合成し,その光触媒機能によって,刺激臭を持つホルムアルデヒドを酸化分解させたところ,市販品の球状粒子のアナターゼ型や従来のルチル型に比べて,3モル/dm3試作品では約2倍の分解能力を示した。照射した光は波長350nm以下,12mW/cm2であり,ホルムアルデヒドの分解は二酸化炭素(CO2)の発生量で測定した。ルチル型酸化チタン粒子の水熱合成法は,具体的には酸化チタンの前駆体に3塩化チタン(TiCl3)水溶液(約20%希塩酸溶液で)を用い,塩化ナトリウム(NaCl)水溶液の下で,200℃・6時間の水熱合成を実施し,ルチル型酸化チタンの細長い粒子を合成した。作製したルチル型粒子は棒状の側面が(110)結晶面で,先端部の45°にカットされた結晶面は(111)面に,最先端は(001)面になっていることを,透過型電子顕微鏡(TEM)の電子線回折像から明らかにした。横野氏の研究グループは,ルチル型粒子の側面の(110)結晶面では,白金(Pt)粒子の還元による析出反応を確認した実験によって,側面では還元反応が優先的に起こっていることを明らかにした。反応の解析はエネルギー分散型X線解析(EDX)によって行った。一方,棒状粒子の先端部の(111)面では,酸化反応が優先的に起こっていることを鉛粒子の析出現象から明らかにした。こうして,結晶面を構造制御することで,電子とホールが同一表面上で再結合しないようにコントロールできる。照射する光には紫外線域のものを使っているが,横野氏は現在,酸化チタン粒子の各結晶面の表面に鉄イオンなどの遷移金属イオンを修飾する手法によって,可視光でも光触媒反応を高性能化する開発にもメドをつけたとしている。
*九州工業大学/日経BPサイト 

08/Jun/09

非接触型チタニア光触媒シート

<非接触型の高効率光触媒シート〜10倍以上の面積の有機物が分解できるチタニア光触媒シート>
東北大学電気通信研究所の玉田薫教授、庭野道夫教授は、接触していない有機物を高効率で分解できるチタニア光触媒シートを開発した。チタン金属を陽極酸化して作製したチタニアナノチューブが分散したシートに紫外光を照射することで、チタニアナノチューブと接触していない10倍の面積の有機物を分解することが確認された。またこの非接触型の光触媒性能評価に銀微粒子含有有機物シートが有用であることを世界で始めて確認した。これにより、光触媒が実用化されている建材や空気清浄機などへの応用以外に、これまで性能不足で実用化が進んでいなかった、半導体フォトリソグラフィプロセス、医薬用具の殺菌、水処理装置などへの光触媒の適用が期待できる。
(概要説明)1.チタニアナノチューブはチタン金属箔を陽極として過塩素酸を含んだ電解液を用いた陽極酸化法により作製した。得られたチタニアナノチューブを含んだ溶液をスピンコーターで分散させた。チタニアナノチューブのサイズは直径 100 ナノメートル、長さ1マイクロメートル程度である。2.特定の波長の光を吸収する銀微粒子が均一に分散した有機物シートを光触媒性能を評価するのに用いた。本評価方法は世界初であり、光触媒の非接触性能を確認する手法として有用であることが確認された。3.一定時間の紫外線を照射したのち、顕微鏡観察したところ、チタニアナノチューブの占有率が10%程度であるにも関わらず、シート全面の有機物が分解し銀微粒子が凝集している結果が確認された(写真1)。さらに今回の測定は試料を密封容器などで覆わない開放系で測定を行っていることから、密閉容器中ではさらに効果が高まることが予想される。4.比較として光触媒性能を有する市販のチタニアナノ粉末標準品を用い、同様な手法で作製したシートを評価したが、非接触型の光触媒性能は顕微鏡観察では全く観察されず、粉末が接触している部位のみ分解が進行したと考える。この結果より、チタニアナノ粉末と比較し、今回用いたチタニアナノチューブが非接触型の光触媒性能において格段に優れることが確認された。
*東北大学電気通信研究所 

18/May/09

セミナー

<2009年北の国触媒塾>
主催:触媒学会教育推進委員会
共催:北海道大学触媒化学研究センター・触媒学会北海道地区
日時:2009年5月23日(土)
会場:北海道大学創成科学研究棟5階大会議室 〒001-0021 札幌市北区北21条西10丁目
会費:学生/院生1,000円、 一般5,000円
≪プログラム≫
8:45- 9:00 登録、開塾式
9:00-10:00 1.触媒化学の基礎(北大触セ)服部英
10:10-11:10 2.触媒材料(北見工大)岡崎文保
11:20-12:20 3.触媒調製(北大院工)岩佐信弘
12:20-13:20 昼食
13:20-14:20 4.触媒構造解析−結晶と表面(北大院地球環境)神谷裕一
14:30-15:30 5.触媒構造解析−細孔構造(北大院工)向井紳
15:50-16:50 6.均一系触媒反応(北大触セ)小笠原正道
17:00-18:00 7.光触媒反応および総論(北大触セ)大谷文章
18:30-20:00 交流会
申 込:氏名、ふりがな、所属(研究室名)、学年(職名)、電子メールアドレスを研究室単位でまとめて、代表者が下記連絡先にお送りください。
締 切:5月1日(金)
連絡先:〒001-0021 札幌市北区北21条西10丁目
北海道大学触媒化学研究センター 福岡 淳 TEL 011-706-9140 (FAX 9139)
*北海道大学触媒化学研究センター 

11/May/09

球や円柱への
光触媒成膜法

<光触媒を球や円柱への成膜法を開発、表面積増え分解効率アップ・環境浄化複合光触媒薄膜を開発>
本技術では機械摩擦磨耗を利用した、簡便、且つ経済的なもので複雑な形状の担体に金属薄膜を作製できるメカニカルコーティング法(Mechanical Coating Technique, MCT)を提案・開発した。またMCT法を用いてアルミナのボール、円柱、ボタン等にTiO2/Ti複合光触媒薄膜を作製し、高い光触媒機能を発現した。さらに環境浄化などへの応用の検討を行っている。従来のCVDやPVD等の薄膜作製法では、大型装置や煩雑なプロセス等が必要で、また平板状の担体上にしか成膜できない問題点がある。本技術のメカニカルコーティング法(Mechanical Coating Technique, MCT)は、機械摩擦磨耗を利用した、簡便、且つ経済的なもので複雑な形状のボール、円柱、ボタン等に薄膜を作製できる手法である。またMCT法を用いて高機能のTiO2/Ti複合光触媒薄膜の作製に成功した。技術の特徴は以下の様。
・機械摩擦磨耗を利用した成膜法
・簡便、且つ経済的に複雑な形状の担体(アルミナのボール、円柱、ボタン等)への成膜
・高機能複合光触媒薄膜の作製
想定される用途
・複雑な形状の担体への金属薄膜、複合薄膜、多孔質薄膜、複合光触媒薄膜の成膜
・高機能複合光触媒薄膜を用いた環境浄化
・触媒薄膜、光触媒薄膜、半導体機能性薄膜、薬剤、半導体薄膜ディバイスへの応用
*千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻  講師  魯 云

06/Apr/09

分子選択性光触媒

<分子選択性をもつ光触媒の開発>
酸化チタン光触媒は,環境中の有害有機物の分解除去などにすぐれた環境浄化機能をもつことが知られています。環境中の希薄な物質に対する除去機能をさらに向上させるためには、高濃度の共存物質に阻害されることなく目的の分子を分解できる分子選択性を光触媒に付与することが望まれます。本研究では、酸化チタンのまわりをナノメートルサイズの細孔(直径約 3 nm)を持つ酸化シリコンの多孔体で包んだ、新しいタイプの複合体を開発しました。この複合光触媒では,河川の「環境ホルモン」として問題となったノニルフェノールという物質を選択的に多孔体の細孔内に濃縮し分解する機能を発現しました。このような分子選択的な分解機能をさらに向上させるために,複合体の構造を制御する研究を行っています。
* 広島大学プロジェクト研究センター機構 無機多孔体プロジェクト研究センター

30/Mar/09

ハルカーボン分解

<二酸化チタン光触媒を用いたハロカーボンの分解反応>
南 亘, 金 煕濬 豊橋技術科学大学 エコロジー工学系
使用済みハロカーボンの無害化処理のため,TiO2および殺菌灯を用いて,光触媒分解反応実験を行った.化学物質の置換基の違いによる分解速度の解析のため,対象とする化学物質は,構造が同じで置換基が異なるHCFC-22,四塩化炭素,メタンを用いた.それぞれの物質の分解反応速度解析をおこなった.主な結果として,分解率はHCFC-22が最も大きく,次いでメタン,CCl4の順であった.光触媒反応の反応次数は本実験条件範囲では一次であった.総括的反応速度定数から求めた活性化エネルギーはそれぞれHCFC-22が13.7 kJ?mol?1,CCl4が66.1 kJ?mol?1,メタンが16.6 kJ?mol?1であった.
*豊橋技術科学大学/化学工学論文集Vol. 32 (2006) , No. 3 pp.310-313

23/Mar/09

環境ホルモン分解

<超音波・光触媒ハイブリッド系における環境ホルモン分解>
○畑中信一(電通大)・平木康広(ノリタケカンパニーリミテッド)・林 茂雄(電通大)
水溶液中の数種の環境ホルモンおよび有害な有機汚染物質について,超音波,二酸化チタン光触媒およびそれらの併用による分解を比較した.基質の分解速度については,併用時の分解速度は,それぞれ単独で用いた場合の和になっており,分解が並行して起こっていることが示された.一方,分解生成物である二酸化炭素の発生速度については,併用時,それぞれ単独で用いた場合の数倍になっており,超音波分解と光触媒分解に相乗効果が現れた.有害化学物質の無害化においては,分解生成物の有害性の有無の問題もあり,完全に無機化するのが望ましい.その点において,超音波と光触媒の併用による分解法が有望であることが示唆された.
*電気通信大学・ノリタケカンパニー/電子情報通信学会 

16/Mar/09

太陽光利用
水素製造

<光触媒-電解ハイブリッドシステムによる太陽光利用水素製造>
(産総研・エネルギー技術研究部門1)・東京理科大学2))荒野大輔1) 2)・小野澤伸子1)・杉原秀樹1)・郡司天博1) 2) ・佐山和弘1)
水素燃料は近年クリーンなエネルギー源として注目を集めているが、将来的には再生可能エネルギーと水から製造することが理想である。当グループでは水素製造の方法の一つとして図1 に示す光触媒-電解ハイブリッドシステムという太陽光を利用した光触媒反応と水の電気分解を組み合わせた技術を考案した。このシステムでは、光触媒反応プールでのレドックス反応のエネルギー蓄積過程を利用することで、水の電気分解から水素生成するのに必要な電位の低下が可能になる。本研究では光触媒に可視光応答性のWO3、レドックスとしてFe3+/Fe2+(NHE=0.77 V)を用いている。WO3 は水から酸素への酸化能力は持っているが水から水素への還元能力は持っていないがFe3+を還元してFe2+にする能力はある。WO3 に各種助触媒を担持させることによって酸化還元反応の促進させる検討を行った。図2 に水の電気分解電位をRuO2 担持WO3 光触媒反応とFe3+/Fe2+を仲介させることで低下させることを実証した結果を示す。水の水素への還元は理論上1.23 V 以上必要で、さらに大きな酸素過電圧の影響があり、1.6V 以上は通常必要である。本システムでは光触媒反応でFe2+を蓄積することで、Fe3+/Fe2+の酸化還元電位に近い電解電圧からアノード電流の増加が見られることがわかる。つまりFe3+/Fe2+レドックスを仲介させることで水の水素への還元電位を低下させることを実証したと言える。本研究の一部は、NEDOの委託により実施した。
*東京理科大学  

02/Mar/09

ライセンス特許

<光触媒皮膜及び光触媒材料並びにこれらの製造方法>
発明の名称:光触媒皮膜及び光触媒材料並びにこれらの製造方法
出願番号:特願2006-043205・公開番号:特開2007-216197
出願人:学校法人近畿大学
発明の概要【課題】高い触媒活性を備える光触媒皮膜及び光触媒材料、並びに安価で且つ容易にこれらを製造する方法を提供すること。
【解決手段】光触媒能を有する二酸化チタン皮膜を過マンガン酸塩水溶液中で光照射することにより、二酸化チタン皮膜に二酸化マンガンをカップリングして得られる二酸化チタン‐二酸化マンガン(TiO2/MnO2)複合材からなる光触媒皮膜、及び該光触媒皮膜が基材表面に形成されてなる光触媒材料、並びにこれらの製造方法とする。
*近畿大学/科学技術振興機構 

23/Feb/09

水の酸化反応機構

<究極の光触媒:マンガンカルシウムクラスターの構造と機能を探る>
 神戸大学 自然科学系先端融合研究環 重点研究部  木村 行宏 先生
酸素発生型の光合成生物は、光エネルギーを用いて水から酸素を創りだす能力をその進化の過程で獲得し、地球生命圏の繁栄をもたらした。この光合成酸素発生反応は、4つのマンガンイオン(Mn)と1つのカルシウムイオン(Ca)を中心とした金属クラスターにより触媒される水の酸化反応であると考えられている。光合成生物は生息する環境に適応して必要な構成成分を変化させていくが、酸素発生系の核心部分は遥か27億年以上も前に既に確立されており、生物が獲得した究極の光触媒であると言える。本セミナーでは酸素発生型の光合成について概説し、酸素発生を担うMn4Caクラスターの構造や水の酸化反応機構について物理化学的な手法を用いた研究。
*神戸大学 

09/Feb/08

クリーニング店の抗菌消臭加工

<北陸職業能力開発大学校:クリーニング店の抗菌消臭加工用、新溶剤開発>
北陸職業能力開発大学校(魚津市川縁)は29日、県内メーカーなど3社とともに、既存製品より安価で、幅広い用途に使用できるクリーニング用抗菌消臭加工溶剤を開発したと発表した。有機薬剤でなく、光触媒で洗濯物についた皮脂などに繁殖する菌類を抑制、除去するため、安心、安全なのも特徴。共同で特許を申請している。新たな溶剤を開発したのは同校と、機械メーカー「スギノマシン」(魚津市)▽クリーニング店チェーン「ヤングドライ」(富山市)▽富山大のベンチャー企業「エーエステー」(同)−−の3社。従来の溶剤は、繊維の隅々に行き渡り、繊維への接着力も強い半面、その強い接着力のために汚れまでも落ちにくくなる欠点があった。このため、毛布や礼服など、頻繁には洗濯しない洗濯物のドライクリーニングを中心に用いられてきた。同校と3社は、特殊な加工技術により新溶剤を繊維の表面だけに吸着させることに成功した。接着力も従来より低いため、洗濯すると溶剤とともに汚れも落とすことが可能。しかも、より安価なため洗濯の度に新たに溶剤を吸着させてもコスト高にならずにすむため、ワイシャツやブラウスなど、汚れが付きやすく頻繁に洗濯する衣類にも使えるようになった。実験では、少量でも従来の溶液と同じ効果が得られ、この溶剤2リットルでワイシャツ約2000枚を加工できるという。ヤングドライ社は2月1日から、北陸3県を中心とした計約700店舗で新溶剤を使ったワイシャツなどの抗菌消臭加工を始める。従来は300円だった加工料が100円になるという。問い合わせは同社(076・433・2345)。
*北陸職業能力開発大学校・(株)ヤングドライ社/毎日新聞 

02/Feb/09

光触媒
 生体作用

<妊娠中の親マウスに酸化チタンを注射、子の脳などに異常>
光触媒として使われる酸化チタンの微粒子を妊娠中のマウスに注射すると、生まれた子の脳や精巣に粒子が入り込み、細胞死や機能低下を引き起こすことが、東京理科大学の武田健教授と栃木臨床病理研究所の菅又昌雄所長らの研究で分かった。1日付の日本薬学会の専門誌に発表する。酸化チタンは光を当てると、汚れを分解する光触媒として、便器や浴室のタイルなどに使われる。日焼け止め化粧品にも含まれる。実験は直径40ナノ・メートルの酸化チタン粒子0・1ミリ・グラムを食塩水に混ぜて、妊娠中のマウスに4回皮下注射した。生後6週目の子どもを調べると、末梢の血管が詰まり、大脳皮質や海馬で細胞死が確認された。精巣にも異常が見られ、精子を作る能力が2割以上低下していた。酸化チタンは世界保健機関が「発がん性の可能性がある」と指摘している。国立医薬品食品衛生研究所の菅野純・毒性部長は「吸い込んだ場合でも同じような毒性があるか、確認が必要」と話している。
*東京理科大学/読売新聞 

26/Jan/09

分子選択性光触媒

<分子選択性をもつ光触媒の開発>
酸化チタン光触媒は,環境中の有害有機物の分解除去などにすぐれた環境浄化機能をもつことが知られています。環境中の希薄な物質に対する除去機能をさらに向上させるためには、高濃度の共存物質に阻害されることなく目的の分子を分解できる分子選択性を光触媒に付与することが望まれます。本研究では、酸化チタンのまわりをナノメートルサイズの細孔(直径約 3 nm)を持つ酸化シリコンの多孔体で包んだ、新しいタイプの複合体を開発しました。この複合光触媒では,河川の「環境ホルモン」として問題となったノニルフェノールという物質を選択的に多孔体の細孔内に濃縮し分解する機能を発現しました。このような分子選択的な分解機能をさらに向上させるために,複合体の構造を制御する研究を行っています。
* 広島大学プロジェクト研究センター機構 無機多孔体プロジェクト研究センター

29/Dec/08

CO2還元 光触媒

<太陽光にてCO2を化学工業原料となるCOに高効率で還元するRu-Re超分子錯体型光触媒を開発>
東京工業大学大学院理工学研究科の石谷治教授の研究グループは,太陽光によってCO2を化学工業原料となるCOに還元する光触媒として,Ru-Re(ルテニウム・レニウム)超分子錯体の実用化にメドをつけた。開発のポイントはCO2を還元する能力に優れたRe錯体と太陽光中の可視光波長域の光(フォトン)を吸収するRu 錯体を巧みに組み合わせた点にある。Ru錯体は太陽光中の波長500nm以上の可視光を量子効率(フォトン1個に対する生成物の比率)0.21と高効率で吸収する。一方、Re錯体はCO2を COに還元する量子効率が0.59と高性能な光触媒として働く。Re錯体の量子効率は「現在,世界一の性能」と石谷教授は言う。CO2の還元する光触媒能力には優れているが,太陽光の可視光域での光吸収能力が劣るRe錯体の欠点を,可視光の吸収能力が高いRu錯体と組み合わせる超分子錯体として分子設計して解決した点に独創性がある。同研究グループは,Re錯体は水と共存する環境でも,光触媒として水(H2O)をH2とO2にほとんど分解せず,CO2をCOに選択的に還元させる反応に着目し,研究を進めてきた。この結果,アミンなどの還元剤と共存する環境で,レニウム・ジイミントリカルボニウム系錯体がCO2を量子効率0.59と高効率で還元する錯体の分子設計に成功した。問題は,太陽光の主成分である波長400〜800nmの可視光域での光級数能力が低く,450nm以下の紫外光域でしか光を吸収しないことと,錯体の安定性などだった。このため,増感剤として優れていることが知られているRu錯体に注目し,ルテニウム・トリスジイミン系錯体が可視光域の太陽光を量子効率0.21 と効率良く吸収する分子設計に成功した。最近では「Ru錯体の量子効率を0.34まで高めるメドもつけた」(石谷教授)が,詳細はまだ公開されていない。光触媒能力に優れたRe錯体と,増感剤能力に優れたRu錯体を緩い結合様式で組み合わせる超分子錯体の構成・構造では多くの超分子の候補が考えられる。両方の錯体を単純に連結すると、Re錯体の光触媒能力が劣化する問題が起こる。このため,石谷教授の研究グループはRe錯体とRu錯体を連結する架橋配位子を丹念に調べ,共役系ではなく非共役系の方が優れてることを見出した。非共役系の配位子の長さやRe錯体の構造などを改良する分子設計を進めることで,実用的な超分子錯体を開発する構え。
太陽光を用いてCO2をCOに変換できる光触媒が実用化されれば,「植物が光合成によってCO2からデンプンやショ糖などの炭水化物を合成するように,CO2から有用な物質をつくり出す人工光合成を実用化できる道が開かれる」(石谷教授)。CO2を原料として有効活用できるようになれば,地球温暖化対策の面でも意味があると注目されている。次の大きな課題は「超分子錯体を安定化することだ」とのこと。
*東工大/日経BPサイト記事

22/Dec/08

ライセンス特許

<光触媒酸化チタン膜およびその製造方法>
公開番号:特開2008-297184
公開日:平成20年12月11日(2008.12.11)
発明者: 福本 昌宏・山田 基宏
出願人:国立大学法人豊橋技術科学大学
発明の概要:【課題】 二酸化チタン光触媒皮膜の形成において、有機バインダ等の結合剤を用いずに、大面積の基材に厚い膜を形成することにより、二酸化チタンの光触媒作用による、有機バインダの劣化が無く、長期間安定な光触媒皮膜を形成する。
【解決手段】 凝集した形態のアナターゼ型二酸化チタンを原料粉末とし、比較的低いガス圧力及び、アナターゼ型二酸化チタンの結晶変態温度以下の温度にて、原料粉末を加熱・加速し、基材上に衝突させることにより、基材上にアナターゼ型ニ酸化チタン光触媒皮膜を形成する。
産業上の利用分野:本発明は自動車の排気ガス等に含まれる有害物質である窒素酸化物の分解や防汚、防食特性が要求される高速道路の防音壁、建築物外壁および橋梁などの被覆に好適な光触媒酸化チタン膜、それを被覆した部材及びそれらの製造方法にかかわるものである。
*豊橋技術科学大学/科学技術振興機構 

15/Dec/08

可視光応答
有機光触媒

<可視光応答有機光触媒の性能評価と環境調和型水処理システム化>
一可視光で作用する光触媒を有機材料で実現−
レーザーエネルギー学研究センター・助教  長井 圭治
本多一藤崎効果の発見とその後の研究により、酸化チタン光触媒は身の回りの様々な場所で利用されている。これは酸化チタンの半導体としての性質を応用したものである。一方で、有機物やプラスチックからも半導体や導電休が得られることが知られているが、それを安定な光触媒として利用した例はなかった。我々は有機物半導体を用いて、本多藤崎効果に相当するような可視光照射の酸素発生を確認した。電極を用いない場合でも光触媒として作用し、悪臭物質、水質汚濁物質である、トリメチルアミンの除去に有効であることを明らかにし、小規模実験では、1ヶ月以上安定に作用することを確認している。
*大阪大学 

08/Dec/08

歯 う蝕防止材

<光触媒反応をもつ二酸化チタン(TiO2)をう蝕予防填塞材に添加、う蝕の予防材料開発への応用が明らかに>
光触媒反応をもつ二酸化チタン(TiO2)という物質をう蝕予防填塞材に添加することにより,う蝕の予防材料開発への応用研究が注目されている.光機能材料研究所主催の第15回シンポジウムが12月2日,川崎市高津区坂戸のかながわサイエンスパークで開かれ,「TiO2 添加う蝕予防填塞材の抗菌効果」を,大阪歯科大学附属病院総合診療・診断科の永目真誠吾氏が発表した.実験に用いたTiO2は石原産業製で,う蝕予防填塞材はクラレ社製.口腔内にTiO2を添加したう蝕予防填塞材を挿入した場合,その表面への細菌の付着は対照群と比較して極めて少なく,また,生存菌数も対照群より減少する場合がされた,とした.以上のことから,光触媒反応をもつ二酸化チタン(TiO2)微粒子をう蝕予防填塞材に添加することにより,う蝕の予防材料開発への応用が明らかになったと考察を加えた.
*大阪歯科大学/歯学情報 

01/Dec/08

技術説明会

<千葉大学 新技術説明会> 
日時:2008年12月17日(水)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
「新しい成膜法による環境浄化複合光触媒薄膜の開発とその応用」
 Development and application of composite photocatalyst film by a new film form technique
10:40〜11:10 千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻 講師 魯 云 http://apei.tu.chiba-u.jp/Luyun-HP.html 
新技術の概要:本技術では機械摩擦磨耗を利用した、簡便、且つ経済的なもので複雑な形状の担体に金属薄膜を作製できるメカニカルコーティング法(Mechanical Coating Technique, MCT)を提案・開発した。またMCT法を用いてアルミナのボール、円柱、ボタン等にTiO2/Ti複合光触媒薄膜を作製し、高い光触媒機能を発現した。さらに環境浄化などへの応用の検討を行っている。
従来技術・競合技術との比較:従来のCVDやPVD等の薄膜作製法では、大型装置や煩雑なプロセス等が必要で、また平板状の担体上にしか成膜できない問題点がある。本技術のメカニカルコーティング法(Mechanical Coating Technique, MCT)は、機械摩擦磨耗を利用した、簡便、且つ経済的なもので複雑な形状のボール、円柱、ボタン等に薄膜を作製できる手法である。またMCT法を用いて高機能のTiO2/Ti複合光触媒薄膜の作製に成功した。
技術の特徴:・機械摩擦磨耗を利用した成膜法・簡便、且つ経済的に複雑な形状の担体(アルミナのボール、円柱、ボタン等)への成膜・高機能複合光触媒薄膜の作製
想定される用途:・複雑な形状の担体への金属薄膜、複合薄膜、多孔質薄膜、複合光触媒薄膜の成膜・高機能複合光触媒薄膜を用いた環境浄化
・触媒薄膜、光触媒薄膜、半導体機能性薄膜、薬剤、半導体薄膜ディバイスへの応用
*千葉大学 

24/Nov/08

研究室紹介

<研究室紹介 〜光触媒で太陽電池を作る〜>
鹿児島大学 工学部 電気電子工学科 電子物性デバイス工学講座
光蓄電池グループ(堀江 雄二,野見山 輝明)
■色素増感型太陽電池:色素増感型太陽電池は1991 年にスイスのグレッツェルによって発表された新しい太陽電池です.ガラスに透明な導電膜をつけた導電性ガラスを使用し,その表面に二酸化チタン微粒子の膜,その上に色素を吸着させ,負極とします.もう一方の導電性ガラスを正極とし,電解質溶液をはさんだサンドイッチ構造になっています.酸化チタンは光触媒で,太陽光によって電子を得ることができますが,エネルギーの高い紫外光しか吸収することができないため,色素を使って吸収効率を上げる工夫をしています.植物の光合成と似ているので,「光合成型太陽電池」とも呼ばれています.従来の太陽電池はシリコンをベースにしていて高価であるのに対し,色素増感型太陽電池は安価で自然に優しい材料を使っているので,次世代の太陽電池として注目されています.現在,光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を上げるための研究が盛んに行われているほか,曲げられるペーパー電池,カラフルな電池などへの応用も考えられています.本研究室でも,変換効率向上のための基盤技術について企業との共同研究を行っています.
■「光蓄電池」:これまでの太陽電池は太陽光が当たっていなければ発電できないため,夜間や天気の悪いときには,天気の良いときに蓄電池にためておいた電気を使わなくてはなりませんでした.そこで,光発電と蓄電を同時に一つの素子でできないかと考え出されたのが,「光蓄電池」です.導電性膜の上に蓄電材の層を新たにつくり,その上に光触媒の微粒子を積み上げます.太陽光を当てると光電変換によって電子と正孔ができ,蓄電材中に移動した電子によって電解質溶液中のリチウムイオンが蓄電材中に蓄えられます.ちょうど,リチウムイオン電池と光触媒太陽電池を重ね合わせたような構造になっています.私たちの研究室ではこのような構造の「光蓄電池」のエネルギー変換効率等を向上させるにはどうしたらよいか,実際にいろんな電極を作製しながら研究しています.
*鹿児島大学

17/Nov/08

研究発表会

<第8回 東北大学 多元物質科学研究所研究発表会> 
主催:東北大学多元物質科学研究所
協賛:応用物理学会、化学工学会、高分子学会、資源・素材学会、電気化学会、日本化学会、日本金属学会、日本結晶学会、日本顕微鏡学会、日本光学会、日本セラミックス協会、日本鉄鋼協会、日本表面科学会、日本物理学会、日本分光学会、日本放射光学会、 粉体工学会(予定含む)
日時:2008年12月11日(木)9:45〜20:00
会場:東北大学 片平さくらホール 〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1
ポスターセッション(光触媒関連)  
■新規水溶性EDTAチタン錯体を用いたブルカイト型酸化チタン光触媒の合成・評価
 森嶋勇介1、小林亮1、冨田恒之2、 Petrykin Valery1、殷シュウ1、佐藤次雄1、垣花眞人1 1多元研, 2東海大理
■新規Ti−Ta系酸化物水分解光触媒の錯体ゲル法による合成および特性評価
 山谷倫央、ペトリキンヴァレリー、垣花眞人 1東北大学
■酸化チタンナノチューブの構造制御による機能化
 関野 徹1、朴 動鎭1,2、Narges Fahim1,2、楠瀬 尚史2、田中俊一郎1 1多元研, 2大阪大学産業科学研究所
*東北大学

10/Nov/08

講演会

<講演会「シングルサイト光触媒の設計と応用」>
講演者:山下 弘巳 先生
(大阪大学大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 教授)
日時:12月10日(水) 16:30〜18:00
場所:資源化学研究所 第一会議室
*東京工業大学 

27/Oct/08

研究発表会

<「京大桂シーズ発表会」?実用化に活かせるヒントがここにあります?>
京都大学大学院工学研究科(桂キャンパス)研究シーズのご紹介
日時:2008年11月21日(金) 14:00~17:00
場所:独立行政法人科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ京都 1階セミナー室
対象者:京都大学との連携を考えている企業・研究機関・自治体関係者等
参加費:無料
申込:JSTイノベーションプラザ京都のHP申込フォームにて
主催:京都大学産官学連携センター桂拠点・JSTイノベーションプラザ京都
連絡先:京都大学産官学連携センター桂拠点
  TEL:075-383-3022 FAX:075-383-3044
  JSTイノベーションプラザ京都 TEL:075-383-1300 FAX:075-383-1301
「高い可視光応答型光触媒活性を示すチタニア系光触媒材料」 
産官学連携センター工学研究科物質エネルギー化学専攻 助教 小林 圭助教 岩本 伸司
技術の概要:ソルボサーマル法で合成したシリカ修飾チタニアナノ結 晶に窒化処理を行うことで500 nmまでの可視光域に吸 収を持つSi−N共ドープチタニアが得られ、これにさらに Feを担持した触媒は可視光照射条件でも高い光触媒活性を示す。
技術の特徴:静電気力検出であるため試料に非接触で 評価できる 可視光照射条件でも高い光触媒活性を有 する光触媒材料の作製 ナノスケールの空間分解能を有する Siとの共ドープによるNの安定なチタニ アへのドーピングおよびFeの助触媒効果 ウェハー等の大面積試料も評価できる 低コストで安全、環境や人体に無害な材 料組成 半導体における非接触ドーパント濃度評価
想定される用途:建物外壁、ガラス等の防汚・セルフク リーニング 強誘電体の局所ドメイン評価/メモリ応 用 室内壁や日用品の抗菌・防カビ
*京都大学産官学連携本部 

20/Oct/08

環境ホルモン分解

<超音波・光触媒ハイブリッド系における環境ホルモン分解>
Degradation of endocrine disruptors in a hybrid system of sonolysis and photocatalysis
畑中 信一 1 平木 康広 2 林 茂雄 3
1電気通信大学量子・物質工学科 2電気通信大学量子・物質工学科:(現)(株)ノリタケカンパニーリミテッド 3電気通信大学量子・物質工学科
社団法人電子情報通信学会 ISSN:09135685
水溶液中の数種の環境ホルモンおよび有害な有機汚染物質について,超音波,二酸化チタン光触媒およびそれらの併用による分解を比較した.基質の分解速度については,併用時の分解速度は,それぞれ単独で用いた場合の和になっており,分解が並行して起こっていることが示された.一方,分解生成物である二酸化炭素の発生速度については,併用時,それぞれ単独で用いた場合の数倍になっており,超音波分解と光触媒分解に相乗効果が現れた.有害化学物質の無害化においては,分解生成物の有害性の有無の問題もあり,完全に無機化するのが望ましい.その点において,超音波と光触媒の併用による分解法が有望であることが示唆された
*社団法人電子情報通信学会 

29/Sep/08

技術ライセンス

<光触媒マイクロリアクタとその製造方法>  
研究者:松田 厚範 国立大学法人豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系
研究実施機関:国立大学法人豊橋技術科学大学
技術概要: 本発明のリアクタ(化学反応素子)では、(1)紫外光照射によって光触媒が有機物質を分解してプロトンなどのイオンが生成し、(2)この生成したイオンがイオン伝導性膜を拡散し、対極で酸化され、(3)その際の自由エネルギー変化を起電力として出力する。このリアクタは、超薄膜多層構造を有し、光・燃料電池や有機化学物質のセンサとして応用可能である。
<粒子積層法を用いた光触媒酸化チタンの高速成膜技術> 
研究者:山田 基宏 国立大学法人豊橋技術科学大学 工学部 生産システム工学系
研究実施機関:国立大学法人豊橋技術科学大学
技術概要 :原料粉末を非溶融で積層するコールドスプレー法により、原料粉末のアナターゼ型酸化チタンの特性を維持した高純度・高特性光触媒酸化チタン皮膜を大気中で高速に成膜する技術である。
問合せ先:とよはしTLO 技術移転部  
*豊橋技術科学大学/科学技術振興機構

15/Sep/08

TiO2ナノチューブ

<紫外線吸収能力に特化した酸化チタンナノチューブの調製>
Preparation of Chemically Modified TiO2 Nanotube specialized for UV Ray Absorptive Capacity
加藤太一郎(兵庫県立大学 大学院 工学研究科 物質系工学専攻 助教)
河南治(兵庫県立大学 大学院 工学研究科 機械系工学専攻 助教)
酸化チタンナノチューブの表面を有機無機ハイブリッド化合物にて自己組織化膜様に表面修飾する技術を開発した。これによって酸化チタンの有する高い紫外線吸収能力はそのままに,紫外光吸収時に付随的に発現する光触媒活性は完全に抑制することが可能となった。また有機無機ハイブリッド化合物の種類によって,元来親水性である酸化チタンナノチューブの表面状態を疎水性から親水性まで任意に制御できることがわかった。さらに表面修飾基に官能基を提示し,これを足がかりに色素などの化合物を共有結合にて固定化することによって材料の色調を変化させることができた。今回の技術開発によって素材の紫外線吸収能力のみを引き出し,かつ拡張性の高い酸化チタンナノ材料の構築に成功した。
*兵庫県立大学/月間機能材料2008年10月号 

08/Sep/08

レーザー利用
光触媒活性評価

<液相レーザーアブレーション法を用いた光触媒ナノ粒子システムの調製と評価に関する研究>
水素は燃やしても水に戻るだけのクリーンなエネルギー源として注目されている。そして、太陽光を用いて水から水素を発生させることは究極のクリーンエネルギーシステムとなる。これによって、光触媒を光エネルギー変換材料として利用する研究が精力的に行われている。その上、光を用いて効率よく水素を発生させるには高性能の光触媒が必要である。代表的な光触媒は、錯体型光触媒と半導体型光触媒である。活性や性能、持続性、化学的安定性、安全既さらにコストの観点から、数多くのある半導体光触媒の中で酸化チタンが光触媒の主流になっている。近年になって、全我等をドープする酸化チタン系の光触媒による光エネルギー変換が注目されるようこなり、水の光完全分解を目指して研究が進められている。当研究では、光触媒としてTi02、Rh-SrTi03などを、助触媒としてGraphite SiHca (GS)、Pt、Mn02、Ru02などを用いて、水−メタノール溶旅中のこれらの粉末混合型光触媒を能相パルスレーザーアブレーション(LPLA)法で処理して、その光触媒活性、特に水素発生に対する影響を調べた。
* 鹿児島天理大学○楊海龍・宮城博明・大野篤史・楠元芳文

25/Aug/08

大気清浄輔石

<空気をきれいにするコンクリート敷石、オランダの道路に試験導入>
オランダのトウェンテ大学(University of Twente)の研究所で撮影された、空気をきれいにするコンクリートの敷石(2008年8月7日撮影)。オランダ東部のヘンゲロ(Hengelo)の道路に、「空気をきれいにするコンクリート」の敷石が試験的に導入されている。画期的な大気汚染対策になる可能性があることから、注目を集めている。トウェンテ大学(University of Twente)の専門家らは、日本企業が開発した技術を基に、二酸化チタンの添加剤を含んだコンクリートの敷石を開発した。この添加剤は、日光を浴びると排気ガスに含まれる酸化窒素の粒子を結合させ、無害な硝酸塩に変えることが、研究所で確認されている。こうした硝酸塩は、雨できれいに洗い流されるという。なお、外見は通常のコンクリートと変わらない。 工場や自動車が排出する酸化窒素は、主要な大気汚染物質で、酸性雨やスモッグの原因とされる。現在ヘンゲロでは、工事中の道路の半分に、この新技術を用いたコンクリート敷石が導入されている。来年初めにも、通常のコンクリートを敷いたエリアとの間で空気の清浄度を比較し、来年の夏までにデータを分析して、有効性を確認したいとしている。
※リリースには「日本の企業」とのみ記載されており、具体的にどの企業が今回の「空気清浄敷石」に関係しているのかまでは明記されていない。光触媒酸化チタンによる光触媒機能を活用技術をコンクリートに応用して環境保全に役立てるという手法は多数の企業で古くから見受けられ、例えば三菱マテリアルは【環境保護用コンクリート】という名前で特許を申請しているし、ポーラスコンクリートに応用したものはIHIが【ポーラスコンクリート】で申請している。
*University of Twente 

11/Aug/08

高分解能光触媒

<水及び有機物分解用光触媒、並びに光合成反応に適す該光触媒の製造方法>
特願2006-345205・ 特開2008-155099
出願人:国立大学法人長岡技術科学大学
発明の概要:【課題】毒性が低く、水を水素と酸素に完全に分解することができる光触媒、或いは高い活性を有する有機物分解用光触媒触媒、及び光合成反応の光触媒等として有用な酸化セリウムを活性成分として含有する光触媒を提供する。
【解決手段】(1)酸化セリウムに、(2)カルシウム、ストロンチウム、イットリウム、ランタンからなる群から選択された異種元素を添加し、さらに(3)助触媒として酸化ルテニウム又は白金を担持することにより水及び有機物分解用光触媒を構成する。
従来技術、競合技術の概要:【背景技術】光エネルギーを利用して物質変換を行う方法として、光触媒の利用が挙げられる。光触媒については、光照射によって生じる電子で反応物を還元、正孔で反応物を酸化する能力を持つことが既に知られている。この技術を応用した有害物質の分解除去、部分酸化反応、および水分解反応などの化学反応プロセスは、環境およびエネルギー問題の観点から重要な課題になっている。光触媒には、光照射によって効率良く化学反応を進行させることはもとより、環境維持の観点から光触媒自身が毒性の低い材料から構成されることが要求される。これまでに開示されている光触媒の中では酸化チタンが高い光触媒活性を持ち、毒性の低い材料として知られている。一方、酸化セリウムは高い紫外線遮断能を持ち、紫外線吸収サングラス、自動車用紫外線カットガラス、日焼け防止化粧品などに幅広く応用されている。また、酸化セリウムは希土類の一種で極めて毒性が低く、人体に対して中毒性や急性毒性がない化合物として知られている。酸化セリウムは、その電子構造から光照射によって生成した電子とホールは直ちに再結合し、微弱な熱が放出される。したがって、酸化セリウムを光触媒として応用するには、光を吸収して生成した電子とホールを再結合させることなく反応物に接触させる必要がある。酸化セリウムは、その高い紫外線吸収能および低毒性から光触媒への応用が試みられている。従来の特許や文献においては、は酸化セリウム光触媒による水からの酸素生成について言及している。この場合、光照射により酸素を発生させるには、電子受容体として働くFe3+やCe4+が光触媒懸濁液中に存在することが必要である。電子受容体であるFe3+やCe4+が存在しない場合の、酸化セリウム光触媒による水素生成については言及していない。また、酸化チタンと少量の酸化セリウムを複合化することにより、有機物の光分解が促進されることが開示されている。酸化セリウム単独の光触媒機能についての記述はない。また、水分解反応に対する活性については言及していない。特許文献では、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのいずれか、あるいは複数を含有している光触媒のNOxガスの浄化作用について開示されている。また、光触媒活性を有する粉末を酸化セリウムで被覆した複合化粉末を含む組成物が、医薬品、医薬部外品、化粧品等の外用組成物への応用に対して光毒性(光照射によって生成する電子とホールに由来する人体への悪影響)を抑制する能力を持つことが開示されている。
*長岡技術科学大学/J-STORE科学技術振興機構 

04/Aug/08

光触媒活性薄膜

<可視光領域で光触媒活性を有する薄膜の製造方法>
出願番号:特願2006-340742 公開番号:特開2008-024578
出願日:平成18年12月19日 公開日:平成20年2月7日(2008.2.7)
発明者:村上 能規 野坂 芳雄 五十嵐 学
出願人:国立大学法人長岡技術科学大学
発明の概要 【課題】基板から剥離することがなく、可視光領域で高い光触媒活性を有し電極等として用いられる薄膜を効率良く低コストで製造する方法を提供する。【解決手段】平均粒径1μm以下のBiVO4微粒子を水系溶媒に分散させたBiVO4コロイド分散液を基板に塗布し、乾燥後焼成することにより可視光領域で光触媒活性を有する薄膜を製造する。その際に、コロイド分散液100mL中にBiVO4微粒子を0.1〜10g含有するコロイド分散液を使用し、スピンコート法により分散液を基板に塗布することが好ましい。
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】二酸化チタン等種々の金属酸化物が光触媒活性を示すことは広く知られており、その抗菌性、防汚性、脱臭性等の性能を利用して建材等広い用途に用いられている。 しかしながら、二酸化チタン等の光触媒反応に利用できる光は紫外光領域に限られており、エネルギーの有効利用及び屋内での利用を実現するには、可視光領域でも利用可能な光触媒が求められている。最近、可視光領域でも活性を有する光触媒としてバナジン酸ビスマス(BiVO4)が注目され、BiVO4を主成分とする微粒子を、必要に応じて他の金属或いは金属酸化物等と組み合わせた光触媒が提案されている。このような光触媒から電極等の実用製品を製造する際には、通常基板等に光触媒を塗布する等により薄膜化して利用することが必要となる。そして、均質な性状を有する薄膜を形成するには、光触媒を微粒子化して基板上に塗布することが重要となる。 従来、BiVO4は尿素の存在下にNH4VO3とBi(NO3)3を反応させる方法や、機械的に粉砕することにより微粒子化されていた。しかしながら、これらの微粒子を使用して基板上に薄膜を形成した場合には、薄膜の剥離が生じ易く、均一な性状を有する薄膜を製造することは困難であり、また得られる薄膜の光触媒活性も不充分なものであった。
産業上の利用分野:本発明は、可視光領域で光触媒機能を有する電極等として使用される薄膜の製造方法に関する。
*長岡技術科学大学/J-STORE科学技術振興機構

28/July/08

光触媒活性
定量測定方法

<光触媒活性および放射線誘起表面活性を定量的に測定する方法>
経済産業省の「化学統計月報」によると、我が国では、石油化学品製造用等の工業用触媒や、自動車排ガス浄化用等の環境保全用触媒として、2006年度には 6576億円が生産されています。これらの触媒のなかには、光触媒物質として酸化チタンが含まれています。酸化チタンのような半導体物質に紫外線を照射すると、物質表面が活性化し、まわりの有機物を分解します。光触媒には、殺菌機能、防染機能、浄水機能、脱臭機能、大気浄化機能等があり、現在、光触媒関連の国内市場規模は400億円と試算され、将来は環境や省エネルギーの観点から、数兆円の市場規模が見込まれています。ところで、DVDを始めとした電化製品や自動車等各種の製品には、必ずと言っていいほどJIS規格があります。光触媒に関しても、経済産業省ではJIS規格制定に向けて取り組みがなされています。現在、光触媒の性能評価は、@色素脱色法、Aガス分解法等が行われていますが、これらの評価方法は光触媒反応の活性を直接測定する方法ではありません。従って、公正な性能評価やそれを裏付けるJIS規格も未だ不十分な状況です。一方、放射線誘起表面活性とは、酸化ジルコニウムのような金属酸化皮膜に放射線を照射することにより、表面に「防錆」や「濡れ性の向上」などの効果が生じる現象です。原子炉の熱効率向上や防錆効果の高い材料開発等で注目されています。いずれの現象も原理は同じで、半導体や金属酸化物の物質に光や放射線で一定以上のエネルギーを与えると、物質内部で電子や正孔の電荷分離が起こり、その結果表面に活性イオンが生じて、これらが表面活性をもたらすものです。これまでのところ、この「活性イオン」を定量的に測定する技術は開発されていませんでした。川口研究室を中心とした九州産業大学研究グループでは、光触媒や放射線誘起表面活性において発生する活性イオンを電荷量(10−16Aレベル)として測定する方法・装置を開発し、特許出願(特願2007-201747)をしました。この技術の基本は、2006年6月に特許登録された「超高抵抗測定装置及び超高抵抗測定方法」(特許第3817537号)の技術です。本技術により、これまで不十分であった光触媒活性のJIS規格化と光触媒製品の世界規格化が大いに期待できます。
*九州産業大学工学部電気情報工学科 教授 工学博士 川口俊郎 氏 

07/July/08

高機能ルチル型TiO2

<陽極酸化法により光触媒活性、親水性、吸水性に優れた高機能ルチル型TiO2製造に成功>
東北大学などは,親水性と吸水性に優れるルチル型二酸化チタン材料を開発した。同大金属材料研究所の附属研究施設大阪センター新素材創製研究室と北見工業大学機器分析センター講師の大津直史氏,大阪府立大学金属系新素材研究センター,ティグ(本社大阪府東大阪市)の共同研究によるもの。親水性と吸水性を高めたことで,無機吸水材としての用途が見込めるという。新材料は,不均一ひずみが小さく,結晶子のサイズが15〜30 nm の高い結晶性を持ち,1μm以下のポア(孔)を含有するのが特徴。チタンあるいはチタン合金上に陽極酸化によって二酸化チタンを作製する過程において,陽極酸化時の電解浴組成に高濃度硫酸水溶液を使い,化成電圧と電流密度を高めて作製した酸化膜に,熱処理を施して生成する。陽極酸化法はチタンの着色技術として既に確立しており,設備コストが低い上,複雑形状や大型部材への対応も可能。二酸化チタンには,アナタースとルチル,ブルッカイトの3種類の結晶構造があり,このうちアナタースが優れた光触媒活性を示すとされていた。しかし今回,メチレンブルー(MB)分解率測定により,新材料は99%以上という結果が得られた。加えて新材料は,紫外線を照射しなくても高い親水性を発揮する。さらに,インクジェット・プリンタ用の用紙と同程度の時間で,表面張力が大きい蒸留水を浸透させる吸水性を持つ。研究チームは,X線光電子分光分析によって新材料の最表面に多数の水酸基が存在することを確認しており,優れた親水性は,酸化膜と水酸基の相互作用に起因するとみる。この成果は,有害化学物質や細菌などを含む工業排水の浄化のほか,携帯電話機や眼鏡などに抗菌性を付与するのに応用できる。現在,表面積の大きな基板にこの二酸化チタンをコーティングし,工業排水中の化学物質を分解・除去することを検討中という。なお,同研究の一部は,科学研究費補助金,詳細は平成20年9月23日から25日に熊本大学にて開催される日本金属学会の秋季講演大会、ならびに平成20年9月23日から26日に名古屋大学にて開催される触媒学会の触媒討論会にて発表する予定。
*東北大学/ NIKKEI NETニュースリリース記事

30/Jun/08

高活性光触媒塗料

<空気中の有害物質を分解する光触媒塗料を開発・人工微光下でも反応する様にTiO2顔料構造を修正>
塗料は、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、ジクロロエチレン、ベンゼン、窒素酸化物などの化合物を分解することができ、かつ汚染物質を生成することがない。ドイツのエルランゲン大学のHorst Kisch教授が「植物の光合成プロセスを模倣したもの」と説明するように、デンタルケア製品にすでに使用されている顔料二酸化チタンを基盤とするこの塗料は、光触媒として機能する。顔料は、何の操作もなしに紫外線からエネルギーを吸収し、表面を活性化、空気に触れると有害分子を完全に無害の粒子に分解する反応を引き起こすoxygen linkを生み出すというものである。Kisch教授が率いる無機化学チームの功績は、曇りの日や人工光の微光の下でも反応するように二酸化チタン顔料の構造を修正したことである。オフィスで実施されたテストでは、この塗料を内壁に使用したところ、有害物質の濃度が80%削減された。塗料はすでにStoClimasan(内装用)およびStoPhotosan(外装用)の商品名で販売されている。価格は従来の塗料の最大5倍し、とりわけ公共の場を含め、広く普及するには価格が主な障害になると思われる。ドイツでは、100社以上の企業が同じ原理を使って、家具、タイルやカーペットなどの他の表面にも使用でき、空気のみならず表面自体も浄化できる製品の実現に向けて研究に取り組んでいる。ドイツ経済省後援の最新の革新賞を受賞した最新塗料について報告する。
*独Erlangen大学/Inter Press Service記事

23/Jun/08

研究発表

<豊橋技術科学大学 新技術説明会>
日時:2008年7月18日(金)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
「粒子積層法を用いた光触媒酸化チタンの高速成膜技術」
15:50〜16:20 工学部 生産システム工学系 助教 山田 基宏 
原料粉末を非溶融で積層するコールドスプレー法により、原料粉末のアナターゼ型酸化チタンの特性を維持した高純度・高特性光触媒酸化チタン皮膜を大気中で高速に成膜する技術である。高速成膜技術には溶射法があるが、原料粉末の溶融を前提とするため、熱的相変態に伴う特性劣化が問題となる。ペンキと共に塗布する方法などは簡便であるが、低特性や溶剤の使用という問題がある。本技術はこれらの問題を解消するものである。
・光触媒活性の高いアナターゼ型酸化チタンのみからなる皮膜作製が可能・大気中で大面積に高速成膜が可能・プラズマや燃焼炎を用いないクリーンなプロセス・構造物表面塗布による自動車排気ガス中の窒素酸化物除去・生体材料としてインプラントの表面処理・建造物等における防汚コーティング
*豊橋技術科学大学 

31/Mar/08

ライセンス技術

<アモルファス緻密リン酸カルシウム薄膜付き光触媒>
出願番号:特願2006-234266・公開番号:特開2007-090338
出願日:平成18年8月30日(2006.8.30)
公開日:平成19年4月12日(2007.4.12)
出願人:学校法人東京電機大学
発明の概要:【課題】 光触媒の活性が高くガラス等の透明度を必要とする基材においても透明度が高く、付着強度の高い光触媒リン酸カルシウム薄膜を提供する。【解決手段】 基材表面上にスパッタリング法を用いて、基材側に二酸化チタン、その表面にアモルファス緻密リン酸カルシウム薄膜がコーティングされていることを特徴とする光触媒。
従来技術、競合技術の概要:【背景技術】二酸化チタンは、光を照射すると強い酸化還元力(光触媒反応)を生じるため、脱臭、防汚、水の浄化等各種の化学反応を進行させる光触媒として広く用いられている。また、上記の光触媒反応は、二酸化チタンの表面反応であり、反応が完了するまで処理する有害物質を二酸化チタンに接触させておく必要がある。このため、二酸化チタン単独で使用されるのみならず、有害物質である有機物の吸着特性に優れるアパタイトを二酸化チタン基材に付着させるため、その基材を擬似体液に浸漬し、アパタイトを析出させ、多孔質アパタイト被覆二酸化チタン複合物を得る方法、あるいは、チタン含有リン酸カルシウムを加水分解して二酸化チタン被覆アパタイト結晶を得る方法などがある。また、共沈法を用いて、アパタイト結晶構造中に金属酸化物をイオン交換により形成する金属修飾アパタイトも示されている。一方、光触媒は実用的には何らかの構造体を担体(基材)として、その表面に光触媒を結合させた状態に担持させて使用されるのが一般的な方法であり、二酸化チタンの微粒子やアパタイト被覆二酸化チタン微粒子等を有機又は無機のバインダーで固定する方法や、チタンアルコキシド等の二酸化チタンの前駆体からゲル・ゾル法により薄膜を成形する等の湿式による方法や、スパッタリング、蒸着といった乾式による方法が示されている。また、金属又は有機材料からなる基材に二酸化チタンを担持する場合、これらの基材を二酸化チタンで直接被覆すると、二酸化チタンが基材を侵食するチョーキングといわれる現象が生じるため、基材と二酸化チタンとの間にバインダー膜を介在させた積層構造にすることが行われている。そしてまた、また二酸化チタンをバインダー樹脂によって基材に結合させる場合には、二酸化チタンによってバインダー樹脂が分解され劣化・消失が生じるため、バインダー樹脂を増量することが示されている。
*研究成果展開総合DB/科学技術振興機構 

04/Feb/08

光触媒含有
金属ナノ粒子触媒

<ナノ細孔空間を持つゼオライトなどの骨格内にチタン含有光触媒を用いた金属ナノ粒子触媒を開発>
大阪大学大学院工学研究科の山下弘巳教授、森浩亮助教らは、ナノ細孔空間を持つゼオライトなどの骨格内にチタンを含有したシングルサイト光触媒を用いた金属ナノ粒子触媒を開発する。これを環境負荷の低い酸化剤である過酸化水素の合成に優れた金属ナノ粒子触媒の開発に結び付ける考え。将来的には、金属ナノ粒子触媒とシングルサイト光触媒を活用したワンポット(一つの反応容器内)合成法の開発につなげる。シングルサイト光触媒は、ナノ細孔空間を持つゼオライトやシリカにチタンを含有した光触媒。一般的な二酸化チタン光触媒に比べ、電子と正孔の捕捉サイトが隣接しており光触媒反応性も異なっている。シングルサイト光触媒であるチタン含有ゼオライトとパラジウム(Pd)ナノ粒子の原料の混合液に紫外光を照射し、パラジウムナノ粒子を合成した。すると粒子径が約2ナノメートルの均一なPd粒子が得られる。 
*大阪大学/1/29/2008日刊工業新聞

01/Oct/07

NoドープTiO 光触媒微粒子

<一酸化窒素(NO)を用いたN-doped TiO 光触媒微粒子の開発>
可視光応答型光触媒として窒素ドープされた酸化チタンが良く知られている。我々は、N ドープ源として反応性の高い NO を用いて、ガスフローのみで酸化チタンナノ粒子への N ドープを試みた。試料は市販の酸化チタン粉末を固めた錠剤を使用し、X 線回折により温度依存による構造変化の確認と SIMS による N のドーピング濃度の測定を行った。SIMS の結果より、NO のガスフローによって酸化チタンへの Nドープの可能性を見出した。本研究では、NH3 以外の材料にて製法がプラズマ等を使用せず、より単純なガスフローのみでTiO2-xNxを作製することを目的とした。N供給源として、NH3 よりも分解温度が低く、その分子構造においてπ分子軌道に不対電子を有し、反応性が高いNOを使用することで酸化チタン粉末へNドープが可能性を見出した。
*大阪大学

13/Aug/07

高活性光触媒

<光触媒の有害物質分解効果を2倍に・TiO2粒子状からナノメートルサイズの筒状に変えて実現>
九州工業大学の横野照尚教授らは、光を当てると有害化学物質を分解する効果が従来の2倍以上ある光触媒を開発した。代表的な光触媒素材の酸化チタンを、粒子状からナノメートルサイズの筒状に変えて実現した。素材は外径約12ナノメートル、内径約7ナノメートル、長さ 100-200ナノメートルの筒状酸化チタン。筒の内側に粒径が約 2-5ナノメートルの白金粒子を付着させた。光を当てると筒の外側で酸化反応が生じ、付着した化学物質を分解する。横野教授は、分解効果が高まったのは、光照射で生じる酸化と還元の正反対の反応をそれぞれ筒の外側と内側に分離できたためと説明している。
*九州工業大学/日経ベンチャー経営者倶楽部サイト記事より引用]

30/Jul/07

光触媒観ず分解による水素生成

<可視光を全吸収する水素生成のための黒色光触媒>
発明の概要 【目的】 太陽光の可視光領域のスペクトルを高効率で利用可能な光水分解触媒の提供
【構成】 全可視光を吸収する黒色の半導体であるCuInS2のCu又はInの一部をAg又はGaで置換した固溶体から成る光触媒、および、前記触媒にRu、Pt又はRh助触媒を担持させた硫黄化合物を含む水溶液の光水分解により水素を生成させる光水分解用触媒。
産業上の用途利用分野:本発明は、可視光のほぼ全領域の光を吸収する半導体CuInS2のCu又はInの一部を金属AgまたはGaで置換した黒色固溶体からなる光半導体にRu、PtまたはRh助触媒を担持させた光触媒および前記光触媒を用いて硫黄化合物を含む水溶液、特にSO32−とS2−イオンを生成する硫黄化合物を含む水溶液の光水分解により水素を製造する方法に関する。
出願人:東京理科大学
公開番号 特開2006-167652 公開日 平成18年6月29日(2006.6.29)
*東京理科大学/科学技術振興機構 

23/Jul/07

光触媒多孔体構造

<酸化チタン含有スメクタイト光触媒複合材料>
公開番号 特開2006-326453 出願人 国立大学法人東京工業大学
発明の概要:【課題】 本発明は、スメクタイトの層間に酸化チタンを含む光触媒複合材料であって、スメクタイトの層間に形成される細孔構造が、分解対象分子の吸着において好適に制御された光触媒複合材料を提供することを目的とする。
【解決手段】 塩酸加水分解法によって均一な酸化チタンゾルを調整し、スメクタイト懸濁液と混合撹拌する。上記混合液の撹拌温度を、室温〜80℃の間の所定の温度に制御することで、分解対象分子の吸着において好適に制御された均質な細孔構造を備えた、酸化チタン含有スメクタイト光触媒複合材料を得る。
従来技術、競合技術の概要:【背景技術】従来、粘土鉱物のケイ酸塩層をホストとして、層間を微細なセラミックス粒子で架橋した粘土層間架橋体を触媒として活用することが検討されていた。特に、スメクタイトに代表される粘土鉱物の層間に酸化チタンの柱を立てて細孔構造を形成し、光触媒として機能させるための研究例が多く報告されている。しかし、実用化に至るような、充分な光触媒活性を備えた材料の作製例は、今までほとんど見られなかった。その理由として、スメクタイトに形成される細孔構造の制御が充分に行われていなかったことが挙げられる。触媒表面の細孔特性は、分解対象分子の拡散、吸着、脱離に影響を与えるといわれており、一般に、細孔の大きさは、対象分子の3〜5倍が適当であるといわれている。一方、1、4−ジオキサンは発癌性の疑いのある化学物質として知られており、水と似たような性質を持つために、水中からの分離が困難であるため問題となっていた。1、4−ジオキサンの分解については、Fenton試薬の利用、γ線の利用、あるいは、超音波の利用などの研究例が報告されているが、いずれも充分なものとはいえなかった。そこで、現在、1、4−ジオキサンの分解に酸化チタンの光活性触媒反応を用いる方法が種々検討されており、光活性触媒反応による1、4−ジオキサンの分解が報告されていた。しかし、1、4−ジオキサンの分解の結果生じる、中間生成物(エチレングリコールジフォルメイト: EGDF)は、分解速度が遅く、また、酸化チタンとの親和性が低いため、完全に分解するまでの間、EGDF分子を触媒に保持することができず、EGDFが系外に放出されてしまうという問題があった。産業上の用途利用分野 本発明は、スメクタイトの層間に酸化チタンを含む多孔体構造を備えた光触媒複合材料に関し、より詳細には、スメクタイトの層間に形成される細孔構造が、分解対象分子の吸着に対し好適に制御された光触媒複合材料に関する。
*東京工業大学/科学技術振興機構 

09/Jul/07

高活性光触媒

<従来の可視光応答性の光触媒より4倍高い活性示す触媒開発・TiO2に硫黄を混ぜナノチューブ状に>
九州工業大学の横野照尚(おうのてるひさ)教授らは、従来の可視光応答性の光触媒より3、4倍高い活性を示す触媒を開発した。光触媒として一般的な酸化チタンをナノメートル単位の筒状(ナノチューブ)にしたうえ、可視光吸収性が高い硫黄をチューブ全体に混ぜている。一般的な可視光応答性の光触媒よりコストは2倍近く高くなるが、「性能が3倍以上になるので触媒量をその分減らすことが可能」(横野教授)という。現在、製品化について数社の化学メーカーと共同研究を行っている。有機物を光エネルギーによる電子レベルの化学反応で分解する光触媒は、材料に酸化チタンを使うのが広く知られている。しかし、紫外線でしか反応しないので、太陽光のない室内では使用できない。このため室内でも使えるように可視光線で反応する触媒の開発が進んでいる。
*九州工大/7/6/2007日刊工業新聞記事

19/Mar/07

高活性光触媒
多孔質ガラス

<材料自体がTiO2であり塗布より有機物分解能力10倍超の光触媒酸化チタン多孔質ガラスを開発>
兵庫県立大学大学院工学研究科の矢澤哲夫教授は、光のエネルギーで化学物質や黴菌(ばいきん)を分解する光触媒機能を持つ酸化チタンを主成分とする多孔質ガラスを開発した。材料そのものが光触媒機能を持ち、多孔質のため表面積が大きくなることから、見かけの面積が同じ酸化チタンを塗ったものと比べ、分解効果を10倍以上高められる。矢澤教授は、空気や水の浄化フィルターなどで来年にも実用化を目指し、複数の企業と共同開発を始めた。酸化チタンは粉体のため、通常は物体の表面にコーティングしているが、使用中にはがれ、回収も難しかった。こうした問題を解決するため、矢澤教授は、耐熱食器などに使われる「ホウケイ酸ガラス」に着目した。このガラスはホウ素とケイ素が主な成分で、酸で処理することで内部に微細な空洞を持つ多孔質になる。同教授は、材料に酸化チタンを20%程度混ぜてガラスを製造。その後、酸で処理し、成分の60〜70%が酸化チタンの多孔質材料を作ることに成功した。製法についての特許を出願している。標準試薬のメチレンブルーを用いた分解実験を行ったところ、みかけの面積が同じ塗布タイプと比べ、20〜30倍の分解効果があった。矢澤教授は「おそらく1カ月たった安定した段階でも、10倍以上の効果があるのでは」と話している。同教授は、パイプやプレートなどさまざまな形状のものを作れるとしている。また、試作したものは褐色だが、酸化チタンを微結晶化すれば透明化でき、光が内部まで透過してさらに大きな分解効果を期待できるという。
*兵庫県立大学大学院/3/13/2007FujiSankei Business

12/Mar/07

高活性光触媒
TiO2合成

<安全な方法で光触媒活性能の高い酸化チタン多形を容易に合成できる技術を開発>
東北大学多元物質科学研究所教授の垣花眞人氏らは,酸化チタン(TiO2)多形を,天然有機酸−チタン錯体の水熱分解によって選択的に合成する技術を開発した。この技術を使うことで,光触媒活性が高いタイプの酸化チタン多形を容易に合成できる。一般に酸化チタンは,天然の鉱物としてアナターゼ,ルチル,ブルカイトの3種類の結晶構造(多形)で存在する。TiO2という化学組成をもつ多形では,人工的に合成するTiO2(B)など数種類がある。このうちアナターゼ型とルチル型の結晶構造を持つ酸化チタンの合成は比較的容易だが,より高い光触媒活性が期待されるブルカイト型とTiO2(B)型は,合成が難しかった。今回の研究ではまず,水に溶解しにくいチタンを水溶化する技術を開発。その際,人体に無害な天然有機酸(フルーツ酸)であるヒドロキシ・カルボン酸を利用する新たな経路を作り出すことで,酸性からアルカリ性の幅広い範囲で安定な天然有機酸−チタン錯体水溶液を調整することに成功した。具体的には,サトウキビやレモン,リンゴ,ブドウの成分であるグリコール酸,クエン酸,リンゴ酸,酒石酸などをチタン可溶化剤として利用し,水を溶媒として使う。このため,安全で環境への負荷が少ない。従来のチタン原料には,発火性や腐食性がある,水と接触すると不溶性沈殿物を作る,など作業安全性や保存性の点で課題があったが,天然有機酸−チタン錯体を使うことで解決できるという。この天然有機酸−チタン錯体の水溶液を水熱法(密閉容器内で水を溶媒とした反応溶液を100℃以上に加熱し,高温高熱状態の水の中で反応させる方法)で処理することで,酸化チタンのナノ粒子を作れる。このとき,天然有機酸の種類と溶液のpHを選択すれば,酸化チタン多形を選択的に作れることも分かった。界面活性剤やアミノ酸,カルボン酸を添加して形態を制御することも可能だ。新しい方法によって得られたブルカイト型/TiO2(B)型酸化チタンのナノ粒子は,一酸化窒素(NO)による光分解で,従来の酸化チタンよりも高い光触媒活性能を示したという。
東北大学/日経BP社サイト記事より引用

22/Jan/07

研究テーマ

<酸化チタン光触媒による有機分子の−電子酸化>
ナノ秒時間分解拡散反射測定により、TiO2光触媒による吸着有機分子の一電子酸化反応において、表面吸着とその際の電子的相互作用が重要であることを明らかにしました。
<ビフェニル修飾酸化チタンにおけるカスケードホール移動反応>
4-フェニル安息香酸をTiO2光触媒表面に修飾することにより、非吸着性の有機分子を一電子酸化することに成功しました。
<光触媒酸化反応における金属イオン効果>
Mg2+などの金属イオンがTiO2光触媒表面に吸着することにより、一電子酸化反応によって生成したラジカルカチオンの表面解離が促進され、TiO2中の電子との逆電子移動反応(CR)が抑制されることを明らかにしました。
<ギ酸イオン修飾酸化チタンによる−電子還元反応>
ギ酸イオン(HCOO-)がTiO2ホールを捕捉し、還元力の強いCO2ラジカルアニオンを生成することで溶液中に存在するメチルビオロゲンの一電子還元(TiO2白色の粉末が青色に変色します)が進行することを見出しました。
<可視光応答型酸化チタンによる−電子酸化反応>
硫黄および炭素をドープした可視光応答型TiO2の酸化能をナノ秒時間分解拡散反射法により評価しました。この研究は横野照尚教授(九州工大)との共同研究です。
大阪大学産業科学研究所
機能分子科学研究部門励起分子化学研究分野 真嶋研究室
 

15/01/07

可視光にて水分解

<水から水素を作る光触媒・BiVO4がAg+などの酸化剤存在下で可視光照射下、水から酸素を生成>
タンタル系複合酸化物の多くが、水の分解反応に対して高活性を示すことを見出してきました。その中でも特に、La3+をドーピングしたNaTaO3では、活性が最も高く、世界一の活性となっています。この触媒では、水から、水素と酸素をそれぞれ、500, 250ml/hで生成することができました(400W高圧水銀灯使用)。可視光応答光触媒には大きく分けて、3種類のものがあります。
(1) 初めから小さいバンドギャップ(<3eV)を持つ半導体
(2) バンドギャップの大きい半導体を修飾し、バンドギャップ内に新しい準位を形成させたもの
(3) バンドギャップの大きい半導体を増感色素で修飾したもの
当研究室では、(1), (2)のケースについて新規の可視光応答光触媒を開発しています。まず(1)のケースについて、BiVO4がAg+などの酸化剤存在下で可視光照射下、水から酸素を生成することを見出しました。このBiVO4では、Bi3+が可視光応答の鍵を握っていると考えています。(2)のケースについては、他の研究室でも精力的に研究がなされています。このケースの光触媒の開発で鍵となるのは、ベースとなる光触媒の活性を維持したまま、半導体のエネルギーギャップを小さくし、可視光(>420nm)に応答性を持たせることです。当研究室では、紫外光照射下で還元剤存在下、水から水素を生成できるZnS(バンドギャップ3.7eV) をベースとした可視光応答光触媒を開発しました。この光触媒では、ZnSの結晶格子に銅やニッケルなどの遷移金属イオンをドーピングすることで、可視光応答性を持たせています。一般に水素生成に活性を示す光触媒では、白金のような助触媒の助けが必要です。しかしこのZnSをベースとした光触媒では、白金の助けを必要としないところにも特徴があります。
*東京理科大学理学部第一部応用化学科 工藤研究室

04/Dec/06

共同研究募集

<半導体の熱平衡キャリヤーを利用した有機物の分解システム>
横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門 教授 水口 仁 氏
Message:共同・受託研究の相手企業を探している 研究成果を事業化するためのパートナーを探している 試作に協力してくれる企業を探している その他
1. 熱平衡キャリヤーを利用した分解システムの原理
本分解システムは半導体のキャリヤーを有機物の分解に利用すると言う点では、光触媒と酷似している。われわれのシステムは光励起により電子・正孔対を形成するのではなく、高温状態(例えば350℃)で多量に発生する熱平衡キャリヤーを分解に利用することに大きな特徴がある。高温状態では被分解物(例えばプラスティック)も溶融状態におかれるので、酸化チタン等の半導体表面での分解過程も効率よく進行する。
2. ポリマーの分解メカニズム
ここではポリカーボネート(PC)の分解過程を例にとってみる。市販のCD等の光ディスク基板に使用されているのがPCであり、その分子量は2万程度である。約220℃でPCは融解するので半導体(酸化チタン)とPCは固体/液体界面を形成し、理想的な接触状態と言える。約350℃の温度で正孔が多量に生成していることを念頭におき、分解反応を考えてみる。分解反応は2段階で進行する。350℃の温度では溶融状態にあるPCが酸化チタン表面に吸着すると、PCは正孔により直ちに酸化分解され、分子量が数1000程度のフラグメントとなる。第2段階では、これらのフラグメントが空気中の酸素と反応して完全に炭酸ガスと水に分解する。しかし、この反応を真空中で行うと多くのフラグメントが観測され、PCの完全燃焼は起こらないことが分かっている。
3. 分解可能なポリマー
上記の例ではポリカーボネート完全分解を紹介したが、これ以外にもポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン、PET、ABS樹脂などあらゆるポリマーも短時間で完全分解することが可能である。特にポリカーボネートのように融点を有するポリマーは極めて短時間で分解することができる。また、色々なポリマーが混ざっているような系でも同様に完全分解することが可能であり、分別する必要は全くない。上記の熱可塑型のポリマーばかりでなく熱硬化性のポリマーも同様に完全分解できる。
4. その他の応用分野
医療廃棄物、土壌汚染、PCB、ダイオキシン、フロンガス、脱臭等の分解にも応用が可能である。
*(財)横浜産業振興公社

21/Aug/06

研究員募集

<信州大学繊維学部研究員募集のおしらせ>
・職位:研究員(信州大繊維学部精密素材工学科鈴木研究室)
・人員:2名
・対象:下記関連分野の研究経験があり、修士以上の学位を有する方。
・内容:色素増感太陽電池に関する研究開発
 A. 錯体色素の合成(有機化学)
 B. 半導体膜と導電膜の作製(無機合成、電気化学、物理化学)
・着任予定時期:決定次第なるべく早い時期
・任期:2006年の採用日から2008年3月20日まで。
・応募書類:下記の情報を電子メールまたは電子メール添付書類または郵送にて、下記応募先に送付してください。
(1)履歴書、(2)業績リスト、(3)所見を求めうる研究者の連絡先、(4)本人の連絡先
・給与:月額 約30万円、ボーナス月数は大学規定に準ずる。
・応募先、問い合わせ先:鈴木栄二 〒386-8567 長野県上田市常田3-15-1
    信州大学繊維学部精密素材工学科
    TEL: 0268-21-5456 (Fax 兼用) Eメール: esuzuki@giptc.shinshu-u.ac.jp
・備考:年齢制限なし。色素増感太陽電池分野の経験は無くともよい。
*光電気化学・光触媒ニューズメール第113号

02/Jan/06

産学共同研究

<ナノ粒子の塗布・乾燥における構造形成シミュレータの開発>
内容:ナノ粒子薄膜は発光素子、受光素子、記録媒体などばかりでなく、カラーフィルター、反射防止膜、光触媒のパターン塗布、化粧品などへ広範な応用が期待されている。この研究室では、数nmから数100 nmの微粒子により構成される薄膜を、量産性、製造コスト等において優れるウェットプロセス(液相ナノ粒子系を塗布・乾燥によって基板上に形成)により作製する研究を進め、これまでに、塗布、乾燥過程において粒子に働く各種の力を理論計算および実験により把握し、それらを制御することにより、一様塗布およびパターン塗布膜において塗膜形状の予測を可能にする等、多くの研究実績を得ている。これらをもとにシミュレーション・ソフトウェアの整備も進め、間もなくプロトタイプが完成する予定である。今後、このシミュレータをより実用度の高いものにすることを目指し、企業や大学研究者参加によるコンソシアムを立ち上げる予定であり、熱意ある企業メンバーの参加を呼び掛けている。
研究者:教授 山口 由岐夫 大学院工学系研究科 化学システム工学専攻

<機能性膜材を用いた住宅用屋根材の開発>
内容:東京大学生産技術研究所・千葉実験所構内に2001年6月に「ホワイト・ライノ」(正式名称は「張力型空間構造モデルドーム観察システム」)と呼ばれる膜構造物の実験棟が竣工した。膜材は現状ではコストや耐久性等の面から、仮設建築物や競技場のドーム等に使用が限られているが、住宅用材料としても将来的に有望なものである。特に屋根に用いた場合は、軽量で加工性の優れた屋根ができ、地震にも強く、主たる構造材の軽減にも寄与できる。また、最新の新素材膜を用いると、耐久性や耐候性、透過性、材質感等に新機能を付与することができ、従来とは異なる住宅建築ができるものと思われる。ホワイト・ライノでは酸化チタン光触媒コーティング膜を使用しているが、その白浄作用により、膜は今も竣工当時の美しさを保っている。膜材はこの他にも壁材や、化粧材としての活用も考えられるが、ここでは、新素材膜を使用した住宅用屋根材の開発に関する共同研究を提案する。
研究者 教授 藤井 明 生産技術研究所 人間・社会部門、助教授 川口 健一 生産技術研究所 人間・社会部門
*東京大学国際・産学共同研究センター  

12/Dec/05

高効率水素生成

<窒化物半導体の光触媒効果で水を電気分解し水素ガス作製・発生効率1.4%と大幅に高める事に成功>
東京理科大学理学部応用物理学科の大川和宏助教授の研究グループはこのほど、窒化物の一種である窒化ガリウム(GaN)のn型半導体が持つ光触媒効果を利用し、水を電気分解して水素ガスを発生させる効率を1.4%と大幅に高めることに成功した。2005年10月26日に、大川助教授の研究グループは窒化ガリウム・インジウム(GaInN)のn型半導体の光触媒効果による水素ガスの発生効率を0.7%に高めたと発表したばかりである。窒化物n型半導体と白金(Pt)をそれぞれ電極とし電線でつなぐ。両電極を1リットル当たり1モルの希薄な塩化水素/水酸化カリウム(HCl/KOH)水溶液につけて電池を構成する。窒化物n型半導体にバイアス電圧を1V加え、光を当てると、窒化物n型半導体表面で光触媒効果によって水が酸化されて分解し、酸素ガス(O2)と電子、水素イオン(H+)ができる。一方、白金電極の表面では水素イオンが電子と結合する還元反応を起こし、水素ガス(H2)を発生させる。今回は、窒化物n型半導体に窒化ガリウムを適用し、太陽光を模したキセノンランプ(波長250〜365nm、出力150W)を窒化ガリウムの表面に照射し、もう一方の白金電極表面から水素ガスを発生させた。今回、水素ガス発生量を改善できた理由は、「窒化ガリウムの光触媒効果によって表面でできる電子やホールのキャリア密度を最適化するように光吸収構造を工夫した成果」と大川助教授は説明する。窒化ガリウムが光触媒効果によって電子とホールをつくるバンドギャップは3.42eVである。大川助教授の研究グループは、窒化ガリウムに光を照射すると、光触媒効果によって電子とホールの対ができるため、対極としてつないだ白金電極表面から水素ガスが発生することを以前に発見した。窒化物が光触媒効果によって水素ガスをつくることを世界で初めて見いだした研究成果である。その後、窒化ガリウムのバンドギャップを小さくするために、窒化ガリウムのガリウムの2原子%分をインジウム原子に置き換えた窒化ガリウム・インジウムのn型半導体を電極に用いた。この結果、照射した光エネルギーに対する水素ガスの発生効率を0.7%まで改善していた。インジウムを2原子%添加した窒化ガリウム・インジウムのバンドギャップは3.3eVである。このため、今回発生効率1.4%まで改善させた工夫を窒化ガリウム・インジウム製の電極に施すと、発生効率をさらに改善できる可能性が高い。実用化できるかの目安は、「発生効率20%以上が達成できること」という。窒化ガリウムや窒化ガリウム・インジウムなどの窒化物は、MOCVD(有機金属気相成長法)によって作製する。大川助教授は、n型半導体に続いて、p型の窒化物半導体の光触媒効果によって水素ガスを発生できることも確認済みである。今回の大川助教授の研究成果は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の創造科学技術推進事業(ERATO)の一つである「中村不均一結晶プロジェクト」(総括責任者=中村修二カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)の研究テーマの一環から産まれたもの。大川助教授は研究者として同プロジェクトに参加している。科学技術振興機構は、窒化物半導体の光触媒効果によって水を電気分解し水素ガスをつくる技術に関する特許5件を出願し、基本特許を近々特許登録に進める予定である。
*東京理科大学/日経BPニュース

12/Dec/05

研究展望

<ナノネットインタビュー「光触媒の高機能化を目指して」〜フィールドに出るナノテクノロジー〜>
   東京大学 先端科学技術研究センター 所長・教授
    大学院工学系研究科応用化学専攻 教授  橋本 和仁 氏
全世界で約800億円強の市場規模を有する光触媒に、材料面から今期待されているのは可視光応答型の開発だ。酸化チタン(TiO2)は紫外光しか吸収しないため、室内では十分な効果が期待できない。可視光応答型の研究はほぼ30年の歴史があるが、最近になって窒素ドープや白金錯体を担持させるなどの方法によって、ようやく可視光による酸化分解反応が可能になった。だが、「その性能は従来型の2〜3倍で、まだ不十分」と橋本氏は言う。「私達はTiO2のナノ構造を制御することによって、さらに性能が上がることを見つけました。構造という意味は2つあって、1つは原子組成を制御してバンド構造を変化させるアプローチ。もう1つは表面構造を変えて、より高感度にする方法です」。TiO2の価電子帯は主に酸素の2p軌道からなる。窒素のドープにより酸素の2p軌道と窒素のp軌道の混成が生じて価電子帯が高エネルギー側にシフトし、バンドギャップが狭くなって、可視光応答が可能になると考えられる。「今の可視光応答型のほとんどは、TiO2の価電子帯の上に窒素の軌道が局在化している。これを価電子帯と混成させないといけない。それには窒素をより高濃度にドープすることになるが、入れすぎるとバンドギャップが小さくなり過ぎて、その結果酸化力が弱くなり、さらにドーピングサイトは電子・正孔対の再結合センターにもなるので効率も低下してしまう」。橋本氏のグループでは、窒素に加え炭素や硫黄などの他のアニオン種あるいはタンタルなどのカチオン種を共ドープすることによりバンド構造を制御できることを理論的に明らかにし、この問題の解決に向けた研究を進めている。
もう1つのアプローチである表面構造の制御は、光誘起親水化の高効率化につながる。元来、金属酸化物は表面エネルギーが大きく、清浄表面であれば濡れ性は高い。そのため、表面に付着した汚れが酸化分解され、清浄表面が露出したために親水的になると考える研究者は多い。「しかし、色々な実験データをベースに考えると、酸化分解反応と光誘起親水化のメカニズムはまったく別のものであることは明らかです。空気中では完全な清浄表面を保つことは不可能で、汚れを取っただけでは表面に付いた水滴の接触角はせいぜい10度から20度にしかなりません。一方、TiO2表面では空気中でも0度まで行くんです。それは光を当てることによって表面で何か不安定な構造ができて、表面エネルギーが大きくなっているからです。たとえば表面から数十nmの範囲で圧縮応力が発生しているという実験結果が得られています。この現象は分子論的には光を当てることによって表面のチタンと酸素の結合が切れて、そこに空気中の水が解離吸着し、不安定な水酸基が増えていることに起因すると考えられます。水酸基が無理に表面層に入ってくるから膨張するのですね」。この考え方に基づけば、あらかじめ膜に引張り応力を入れて膨張しやすいデザインにしておけば、光誘起親水化の効率が上がると予想される。「実際にそういう膜を作ってやると、効率が上がるんですね。光誘起親水化は1995年に我々が見出した現象であると同時に、実社会で今すごく使われているわけです。その根本的なメカニズムに関して先のような議論の対立があるので、これにはパワーを入れて戦っているところです」。
 表面にナノ構造を作り込むことで、親水性のTiO2を撥水材料に利用することも可能になる。フラットな材料表面では、表面エネルギーが高ければ親水、低ければ撥水になる。古典的な理論によれば、材料表面に凹凸を入れると親水のものはより親水に、撥水のものはより撥水になる。「つまり撥水性のものを得るには、撥水材料から出発しないといけないとずっと思っていた。でも凹凸を入れると、水と空気の界面が出てきますよね。水と空気の界面は撥水的だから、空気の界面が多くなれば接触している部分が親水性であっても、撥水性は起き得るということに最近気づきました」。実際に研究室では、酸化チタン表面においても130度程度の接触角を示す「超撥水」に近い特性がナノレベルでの微細加工によって得られている。「ナノスケールの凹凸を入れることによって、普段は撥水だけれど光を当てると親水に変わり、暗中に保管すると元の撥水に戻る材料ができています。今後は、違う波長の光を当てて超親水と超撥水をリバーシブルに行えるような材料設計ができればと思っています」。
 「機能的にはTiO2を超えるものが出る可能性は十分ある」と橋本氏はTiO2以外の光触媒の探索に力を注ぐ。その一方で、「実用的なことをいうとTiO2は絶対に超えられない」とも話す。それは何故か。「安全性なんです。TiO2は人類がずっと使ってきたもので、安全性は担保されているんです。それを考えるとTiO2を環境材料としてより高感度に、より可視光にという研究はやはりずっと続けていく意味があると思います」。
 橋本氏は、「たとえ基礎研究であれ何か面白い成果が得られたと思った時は、それをどう使ったら有用な展開ができるかということに、研究者自身がもう一歩踏み出して考えてみることも重要なのではないでしょうか。自分が光触媒の分野において、最近も新しい実用展開を出すことができているポイントはそこだと思う」と最近、同氏が力を入れている光触媒の環境浄化への応用に話が及ぶ。これが実現したのは、ある発想の転換があったからだ。すなわち、太陽光はエネルギー密度が薄いため、たとえ僅か1molのトリクロロエチレン(131.4g)でも1リットルの立方体形状の容器に入れて、光分解しようとしても6年もかかってしまう。しかし、同じ1molでも1m四方の厚さ1mmの浅い1リットル容器に入れれば、光の当たる面積が100倍になるため20日で分解できることになる。「我々はフラスコでの反応、すなわち反応場を三次元と考えることに囚われていたわけです。だけど、植物と同様に太陽光を使う場合には反応をフィールドで、つまり二次元の反応場にするべきだったのですね」。TiO2のナノ粒子を活性炭やガラス繊維に吸着させた光触媒シートの登場で、有機溶剤による土壌汚染や農業廃液の浄化、水耕栽培での養液のリサイクルなどが可能になりつつある。「ナノテクの研究は皆ハイテク産業を目指しているように思えます。もちろんそれも必要ですが、ナノテクを農業や土木建築のようなローテク産業に使っていくような研究開発も必要だと思っています。僕が今目指している光触媒によるナノテクは、そういう位置づけなんです」。
*Japan Nanonet Bulletin 第102号(2005/11/30)/文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター

23/Nov/05

水素製造

<窒化物半導体で光触媒作用を確認 ・青色LED発光メカニズムを逆手にとり光から直接水素エネルギーに変換で水素製造>
窒化物半導体の光触媒作用で水素製造できることが初めて確認された。これは東京理科大学理学部応用物理学科の大川和宏助教授らの成果。直径1cmの窒化ガリウムに光を当て、数時間で、約1mlの水素を製造した。青色発光ダイオード(LED)の発光メカニズムを逆手にとり、光から直接水素エネルギーに変換する。効率が改善されれば、クリーンエネルギーを生み出す新たな材料として注目される。科学技術振興機構創造科学技術推進事業「中村不均一結晶プロジェクト」から創出された。窒化ガリウムなどの窒化物半導体は青色LEDで有名だが、構成元素に有害物質が含まれていないなど、クリーンで低い環境負荷型の半導体材料としても注目を集める。また窒化物材料の組成により幅広いバンドギャップ制御が理論的に可能で、大川助教授らは今回、このバンドギャップ制御の可能性を逆手に利用することに着目した。窒化物半導体が水を電気分解できる光触媒効果をもつことを確認し、窒化物半導体に光を吸収させて水素製造の可能性を調べた。その結果、直径1cmのN型窒化ガリウム半導体を作製して水から水素製造すると、1ボルトの印加が必要だったものの0.5%の効率で水素製造できることを確認した。窒化ガリウムにインジウムを2%添加してバンド幅を狭くすると、水素製造効率が上がることも見いだした。またP型窒化ガリウム半導体でも光触媒効果で水素製造できることも発見し、水素製造時に材料自身が酸化して腐食する耐久性の問題も解決できることが分かったという。P型窒化物半導体の作製技術のほか、窒化ガリウムへの添加技術などの確立が進むことは、同材料での水素製造の効率改善に直結する。大川助教授は結晶成長技術の専門家でもあり「よりよい窒化物半導体結晶を作製して効率20%の水素製造を目指す。また水素製造に使えない光は、同じ半導体材料を利用して燃料電池として利用できるので更なる効率向上も見込める」と述べている。
*東京理科大学/知的情報局 

17/Oct/05

産官学連携
研究シーズ

<酸化チタン光触媒ー糖アルコールハイブリッドナノ粒子>
 千葉大学大学院自然科学研究科 助教授 上川直文
目的:酸化チタンナノ粒子表面を化学的に修飾して用途に応じた機能制御を容易にしたり、安定な水性分散系を形成して有機蒸気等が発生しない環境にやさしい薄膜形成を可能にする。
技術の概要・特徴:酸化チタンナノ粒子表面の糖アルコール分子が水性溶媒と水素結合することによって安定な分散状態を形成する。 (1年程度室温で安定な分散状態を保持)  糖アルコールの分子特性を利用した吸着・触媒活性制御が可能。
従来技術との比較:有機溶媒を分散媒としている場合が多く、有機蒸気対策問題、コーティング液の安定性など改善する必要がある。また、酸化チタンは大きな屈折率を有する事からコーティング膜に干渉縞が発生しやすく高い透明性を有する膜を得る事が困難である。またシリカゾルなどのバインダーを用いて製膜した場合、膜の強度と耐久性に問題がある。本技術はこれらの問題の解決に有効である。
応用分野:光触媒ガラスコーティング、環境浄化など、安定分散系  機能性電子セラミックスなど、高比表面積・表面糖アルコール  機能性吸着材料など
実用化上の技術的課題:製造プロセスの最適化   現在、酸化チタンナノ粒子分散ゾルの製造プロセスを連続して行うと2日ほどかかるためこれを短縮するための条件の最適化が必要   光触媒活性のチューニング  現在の物よりも更に活性を高める。可視光活性化などの付加価値を高める。
知的財産権:発明の名称 : 酸化チタン分散液及びその製造方法
出願番号:特願平2005−078241  出願日:平成17年3月17日
出願人:国立大学法人 千葉大学  発明者:上川直文,鈴木美季,掛川一幸,小島隆
*技術者・研究者のための産学連携ポータル/サイバーナビ株式会社

10/Oct/05

産官学連携提案テーマ

<機能性膜材を用いた住宅用屋根材の開発>
内容: 東京大学生産技術研究所・千葉実験所構内に2001年6月に「ホワイト・ライノ」(正式名称は「張力型空間構造モデルドーム観察システム」)と呼ばれる膜構造物の実験棟が竣工した。膜材は現状ではコストや耐久性等の面から、仮設建築物や競技場のドーム等に使用が限られているが、住宅用材料としても将来的に有望なものである。特に屋根に用いた場合は、軽量で加工性の優れた屋根ができ、地震にも強く、主たる構造材の軽減にも寄与できる。また、最新の新素材膜を用いると、耐久性や耐候性、透過性、材質感等に新機能を付与することができ、従来とは異なる住宅建築ができるものと思われる。ホワイト・ライノでは酸化チタン光触媒コーティング膜を使用しているが、その白浄作用により、膜は今も竣工当時の美しさを保っている。膜材はこの他にも壁材や、化粧材としての活用も考えられるが、ここでは、新素材膜を使用した住宅用屋根材の開発に関する共同研究を提案する。
研究者: 教授 藤井 明 生産技術研究所 人間・社会部門
助教授 川口 健一 生産技術研究所 人間・社会部門
*東京大学国際・産学共同研究センター  

03/Oct/05

燃費向上

<ディーゼルエンジン燃費向上の新技術を発見>産官学プログラム
今回、本学の研究グループ(木下助教授ら)が、酸化チタンの光触媒作用がディーゼルエンジンの燃費性能を向上させる可能性があることを突き止めました。 酸化チタンを吹き付けた「チタンボール」と呼ばれる球に浸した軽油(ジーゼルエンジンの燃料)を使用すると、従来の軽油に比べて燃費効率が最大で20%向上、しかも排出するNOxの排出濃度が18.6%低減される実験結果がでました。木下助教授の話によると、「これは酸化チタンの光触媒作用が軽油の質を変え燃費を向上させた」との事。燃費低減だけではなく、環境にもやさしい発見の為、国内外の自動車・エンジンメーカーが注目しており、すでに米国の航空会社が空港内で使う車両で年内に実証実験を始める予定になっています。
*中日本自動車短期大学

19/Sep/05

講演会

<第30回東海若手セラミスト懇話会秋期講演会>
本会では若手セラミックス研究者、技術者の交流と情報交換を目的として、毎年夏期セミナーと秋期講演会を行っており、本年も下記のように秋期講演会を開催致します。若手研究者、技術者の積極的な参加を呼びかけます。
主催:日本セラミックス協会東海支部東海若手セラミスト懇話会
共催:日本セラミックス協会基礎科学部会、日本化学会
日時:2004年10月7日(木)受付時刻13時
場所:名古屋工業大学 2号館C棟3階WY講義室(名古屋市昭和区御器所町)
プログラム:
13:30〜14:30 講演:『単層カーボンナノチューブの物理・化学修飾と材料評価』
(名古屋工業大学)川崎晋司
14:30〜15:30 講演:『可視光応答型光触媒』
(豊田中央研究所)森川健志
15:40〜16:40 講演:『科学捜査のための分析手法』
(数値解析研究所)三井利幸  
16:40〜17:40 名古屋工業大学 セラミックスCOE紹介
18:00〜 意見交換交流会
参加申込方法:電子メールにて、@氏名 A所属 B連絡先 C一般・学生の別を明記の上、下記へ申し込んで下さい。
参加申し込み締切:10月1日(金)(定員100名) 
参加費:一般:5000円、学生:3000円(当日お支払い下さい)
参加申込・問合先:〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町 
名古屋工業大学おもひ領域、本多沢雄 (e-mail. honda@nitech.ac.jp)
*名古屋工業大学

27/Jun/05

共同研究企業募集

<エネルギー貯蔵能を持つ光触媒>
酸化チタン光触媒は、光励起により生じる還元力と酸化力により、有害物質の分解、抗菌、金属の防食などの機能を示すことが知られ、すでに実用化されている。しかしそれらの機能は、原理上、一定強度以上の光が照射されている間しか得られない。この問題点を克服するため、この研究室では、エネルギー貯蔵型光触媒を開発した(Chem.Mater.,2001)。この新しい材料では、酸化チタンと酸化タングステンが組み合わされており、酸化チタンにおいて光励起された電子が酸化タングステンに貯蔵され、昼間に蓄積した電子が持つ還元エネルギーを夜間に用いることができる。応用としては、夜間も防錆能、抗菌能を維持するコーティング、光を受けると着色するスマートウィンドウ(酸化タングステンは電子を蓄えると青く着色)などが期待でき、すでに、防錆能と抗菌能を夜間も維持できることなどを確認している。実用化を目指した研究を企業(無機系の安定な膜を作る技術を得意とする企業を希望)と共同で進めたいと考えている。(整理番号 1549)
研究者:助教授 立間 徹 生産技術研究所 情報・システム部門
*東京大学 国際・産学共同研究センター

20/Jun/05

共同研究企業募集

<ナノ粒子の塗布・乾燥における構造形成シミュレータの開発>
ナノ粒子薄膜は発光素子、受光素子、記録媒体などばかりでなく、カラーフィルター、反射防止膜、光触媒のパターン塗布、化粧品などへ広範な応用が期待されている。この研究室では、数nmから数100 nmの微粒子により構成される薄膜を、量産性、製造コスト等において優れるウェットプロセス(液相ナノ粒子系を塗布・乾燥によって基板上に形成)により作製する研究を進め、これまでに、塗布、乾燥過程において粒子に働く各種の力を理論計算および実験により把握し、それらを制御することにより、一様塗布およびパターン塗布膜において塗膜形状の予測を可能にする等、多くの研究実績を得ている。これらをもとにシミュレーション・ソフトウェアの整備も進め、間もなくプロトタイプが完成する予定である。今後、このシミュレータをより実用度の高いものにすることを目指し、企業や大学研究者参加によるコンソシアムを立ち上げる予定であり、熱意ある企業メンバーの参加を呼び掛けている。(整理番号 2108)
研究者:教授 山口 由岐夫 大学院工学系研究科 化学システム工学専攻
*東京大学 国際・産学共同研究センター 

16/May/05

共同研究企業募集

<フルカラーフォトクロミック表示デバイス>
研究者 助教授 立間 徹
この研究室では、光触媒として用いられる酸化チタン膜に銀イオンを付着させ、これに紫外線を照射して銀をナノ粒子にすると、フルカラーフォトクロミックデバイスになることを明らかにした。この状態では褐色を呈しているが、ある色の光を照射すると、その部分がその色に変化する。こうして、青、緑、黄、橙、赤、白などさまざまな色を表示させることができ、一度書き込めば、その色は通常の蛍光灯のもとでも2時間程度は維持される。また、再び紫外線を照射すれば、褐色に戻すこともできる。つまり、フルカラーで繰り返し、書き込み・消去ができるものである。応用としては、繰り返し利用が可能なコピー紙などのマルチカラーリライタブルペーパー、模様や色を任意に変えられる壁紙・装飾材料(防汚・抗菌性もある)、新たな塗色・発色法などが期待できる。実用化を目指した研究を企業(金属微粒子のプラズモン吸収に関する技術を有する企業を希望)と共同で進めたいと考えている。
<フェムト秒時間分解近赤外分光法の応用>
研究者 助教授 岩田 耕一
この研究室が開発したフェムト秒時間分解近赤外分光装置は、ポンプ・プロ−ブ法に基づくもので、測定可能波長0.9から1.5ミクロン、装置の応答時間(ポンプ光とプローブ光相互相関時間)200フェムト秒、繰返し周波数1キロヘルツで動作し、1回の露光で256の波長成分を検出でき、その検出感度が非常に高い(吸収光度差10-4)との特長を有する。この装置を用いることにより、フェムト秒からピコ秒での電子移動反応プロセスの計測が可能となった。すでに、ビアンスリルの2つのアントラセン環の間で起きる光照射による電子移動過程や、酸化チタンの微粒子(光触媒材料)に光を照射した時に起きる内部でのフェムト秒オーダーでのチャージキャリアの移動、その後起きる電子、正孔の再結合、また白金触媒による再結合の抑制などを明確にすることができた。この評価法は各種の化学反応過程をフェムト秒からピコ秒の時間領域で解析するのに有力な手段であり、応用に関して企業等との共同研究を希望している。
大学院理学系研究科 附属スペクトル化学研究センター 生産技術研究所 情報・システム部門
*東京大学 国際・産学共同研究センター  

25/Apr/05

エネルギー貯蔵型光触媒

<エネルギー貯蔵能を持つ光触媒>
酸化チタン光触媒は、光励起により生じる還元力と酸化力により、有害物質の分解、抗菌、金属の防食などの機能を示すことが知られ、すでに実用化されている。しかしそれらの機能は、原理上、一定強度以上の光が照射されている間しか得られない。この問題点を克服するため、この研究室では、エネルギー貯蔵型光触媒を開発した(Chem.Mater.,2001)。この新しい材料では、酸化チタンと酸化タングステンが組み合わされており、酸化チタンにおいて光励起された電子が酸化タングステンに貯蔵され、昼間に蓄積した電子が持つ還元エネルギーを夜間に用いることができる。応用としては、夜間も防錆能、抗菌能を維持するコーティング、光を受けると着色するスマートウィンドウ(酸化タングステンは電子を蓄えると青く着色)などが期待でき、すでに、防錆能と抗菌能を夜間も維持できることなどを確認している。実用化を目指した研究を企業(無機系の安定な膜を作る技術を得意とする企業を希望)と共同で進めたいと考えている。
研究者:東京大学 生産技術研究所 情報・システム部門助教授 立間 徹
*東京大学 国際・産学共同研究センター 

18/Apr/05

廃液処理

<製品化・事業化に向けた取り組み事例/平成15年度マッチング事例>
「光触媒作用を利用した廃液処理技術の研究」
従来は、ニトロ基を含む起爆薬(ジアゾジニトロフェノール)の合成過程で発生する廃液(DNPP廃液、黄褐色)を、強アルカリ水で分解することで爆発性を失活させ、酸性下で漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)にて脱色している。大量の化学薬品を使用しており、漂白時には塩素ガスを伴うため、新たな環境汚染へつながるなどの問題がある。そこで、ニトロ基を含む起爆薬を合成する過程で発生する廃液を酸化チタン光触媒の作用を利用し、処理する技術の確立を検討。
酸化チタンを光触媒として用いることで、DDNP廃液の脱色化に成功し、同時に、CO2への完全な酸化分解が進行したことが明らかとなった。
*財団法人 九州産業技術センター/宮崎大学工学部 物質環境化学科

21/Mar/05

公開講座

<公開講座「光合成研究からエネルギー・環境・食糧問題を洞察する」>
演題:水分解酵素の研究とクリーンな水素エネルギー時代
講演者:楠 正美 所属:明治大学理工学部教授
植物は,アンテナ色素分子を使って可視領域の太陽光を吸収したあと、そのエネルギーを化学的エネルギーに変換するための驚くべきシステムを持っています。"明反応"と呼ばれるこの一連の過程は,チラコイド膜と呼ばれる生体膜上に浮遊する"光化学系T"と"光化学系U"とよばれる複合膜タンパク質の共同的作用により進行します。実に環境に適合したそのメカニズムは、1)"光化学系T"と"光化学系U"のそれぞれの反応中心が励起状態になると起こる最初の電子移動反応,2)光化学系Uで誘起される,水の酸化分解反応(2H2O→4H++4e-+O2)、3)光化学系Tからの移動電子により起こる、高エネルギー状態分子HADPH2を生産する酵素反応(NADP+2H++2e-→NADPH2),及び、4)水の酸化分解の結果生じたプロトン流により駆動される、高エネルギー状態分子ATPを生産する酵素反応(ADP+Pi→ATP)、から成ります。この講演では,明反応について全般的な概説をしますが,クリーンな水素燃料時代を見据えて,特に演者が行っている水分解酵素の研究に焦点をあて、ホットな研究の最前線に触れた話をする予定です。その訳は,水分解酵素の分子構造を決定し,そのメカニズムを解明することが自然科学として重要であるばかりではなく,現在進行している光触媒技術を飛躍させる鍵となるかもしれないからです。工学の分野では、環境汚染をもたらさない持続可能な水素燃料を水から生産する光触媒技術の開発が,本田-藤島効果の発見を契機に,精力的に行われています。この講演で,植物の水分解酵素と現在の人工的な光触媒とを比較する事により、自然から学ぶべきものは何かを論じます。
*明治大学 科学技術研究所

14/Mar/05

講演会

<「光触媒技術および製品開発について」>
酸化チタンに代表される光触媒は、太陽光に含まれる紫外線を吸収して有機物分解作用や表面の超親水作用を示すことから、防汚・防曇・抗菌・空気浄化・水浄化などの機能が得られ、21世紀の環境浄化材料として国際的にも実用化が進んでいます。光触媒の実用化技術、製品開発の実情、光触媒標準化活動、光触媒の未来について、また、これらの研究開発を通じた技術経営(MOT)について説明します。
  1.光触媒実用化技術とは   2.光触媒製品開発(国内外の現状整理)  
  3.光触媒効果の測定と評価方法  4.光触媒の未来について   5.技術経営に思うこと(まとめ)
講師 秋田大学地域共同研究センター客員教授
 東陶機器株式会社 総合研究所 所長
  工学修士  佐 伯  義 光
日時:平成17年3月14日(月)15時30分 〜 17時00分
場所:秋田大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL) 2階大セミナー室
主催:秋田大学地域共同研究センター
共催:秋田大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)
後援:秋田科学技術協議会,秋田大学工学資源学部
参加料:無料  人数:先着100名
申込先・問い合わせ先:秋田大学地域共同研究センター
    〒010-8502 秋田市手形学園町1番1号
    TEL 018-889-2712(事務室)FAX 018-837-5356 E-mail:seminar@crc.akita-u.ac.jp
*秋田大学地域共同研究センター

07/Feb/05

研究テーマ

<廃棄物対策研究発表会/廃棄物処理対策研究事業>
「し尿処理にともなう水中のエストロゲンの酸化チタン光触媒による分解除去」
横浜市立大学 窪田 吉信
*環境衛生センター

31/Jan/05

研究テーマ

<硫黄ドープTiO2光触媒の創製と太陽光による環境調和型高効率物質変換反応システムの開発>
二酸化チタン光触媒はアルデヒドや窒素酸化物などの有害物質を効率よく分解する触媒として知られており、二酸化チタンを利用した製品が数多くでている。また、二酸化チタン光触媒は光エネルギーを利用することにより大きな吸熱変化を伴う反応過程を進行させることも可能であることから、有機合成的に新規な反応経路を提供することも考えられる。しかしながら、二酸化チタンは紫外光照射下でしか触媒活性が発現しない。そこで、地球上に無尽蔵に存在する太陽エネルギーを利用した新規な光触媒的有機合成システムの開発を行っている。太陽光にわずか4%しか含まれない紫外光だけでなく、大部分を占める可視光により高い触媒活性を発現する所謂可視光応答性の光触媒の創製について検討を行っている。さらに開発した可視光応答型光触媒を用いて分子状酸素との組み合わせにより付加価値の高い有機化合物の光触媒科学的合成反応系についての研究も併せて行っている。
<光触媒の表面に鉄を付着させて分解能力向上>
九州工業大学の横野照尚教授らの研究グループは、蛍光灯のような可視光線でも有機物を効率的に分解できる光触媒を開発した。チタン触媒の表面に鉄を付着させることにより、鉄が付着していない従来の光触媒に比べ、分解量が約3倍に増え、紫外光を含む太陽に近い光を当てた条件でも、分解能力が約2倍以上向上した。通常の光触媒は紫外線を当てる必要があるが、新技術は蛍光灯を使う室内でも光触媒を幅広く利用できる可能姓がある。たとえば、内装材に含ませ、健康に影響のある化学物質などを効率的に分解する商品応用も考えられる。
*九州工業大学 物質工学科/日経ベンチャー

24/Jan/05

研究テーマ

<シリカゲルにアンチモンポルフィリン錯体を担持させた光触媒の開発と利用>
光が関与する物質変化を様々な観点から研究している。最近研究室で注目している光触媒の研究では、有機塩素化物から塩素を取り除く能力に優れるアンチモンポルフィリンという光触媒を開発した。これを利用し、有機塩素化物やダイオキシンの分解を行う環境浄化システムの構築、さらには可視光触媒を使った殺菌の研究にも取り組んでいる。
*宮崎大学工学部 保田研究室

17/Jan/05

講演会

<大阪大学との産学技術交流会「ソシオ大阪」>
新産業創出シーズ発表「ナノ空間を利用する光触媒デザイン」
大阪大学大学院工学研究科 マテリアル応用光学専攻 教授 山下 弘巳 氏
発表概要:ゼオライトやメソポーラスシリカのナノサイズ細孔空間を利用することでユニーク な構造と機能を有する光触媒を分子設計することができる。この光触媒により、空 気・水中に希薄に拡散した汚染物質の吸着濃縮および清浄化(NOx、有害有機物質などの分解)、人工光合成型反応(二酸化炭素固定)や選択酸化反応(光エポキシ化)などが高効率・高選択的に進行する。可視光利用など、最近の研究動向を交えて光触媒の魅力を紹介する。
日 時 : 平成17年2月22日(火) 14:00〜17:45
場 所 : 大阪商工会議所6階「白鳳の間」
問い合わせ:大阪商工会議所 経済産業部 産業・技術振興担当 吉川・坂上
〒540-0029 大阪市中央区本町橋2-8 
 TEL:06-6944-6300 FAX:06-6944-6249 E-mail:sangyo@osaka.cci.or.jp
*大阪商工会議所

22/Nov/04

公開講座

<第3回 公開講座 「光合成研究からエネルギー・環境・食糧問題を洞察する」>
「水分解酵素の研究とクリーンな水素エネルギー時代」
講演者:楠 正美 所属:明治大学理工学部教授
 植物は,アンテナ色素分子を使って可視領域の太陽光を吸収したあと、そのエネルギーを化学的エネルギーに変換するための驚くべきシステムを持っています。"明反応"と呼ばれるこの一連の過程は,チラコイド膜と呼ばれる生体膜上に浮遊する"光化学系T"と"光化学系U"とよばれる複合膜タンパク質の共同的作用により進行します。実に環境に適合したそのメカニズムは、1)"光化学系T"と"光化学系U"のそれぞれの反応中心が励起状態になると起こる最初の電子移動反応,2)光化学系Uで誘起される,水の酸化分解反応(2H2O→4H++4e-+O2)、3)光化学系Tからの移動電子により起こる、高エネルギー状態分子HADPH2を生産する酵素反応(NADP+2H++2e-→NADPH2),及び、4)水の酸化分解の結果生じたプロトン流により駆動される、高エネルギー状態分子ATPを生産する酵素反応(ADP+Pi→ATP)、から成ります。この講演では,明反応について全般的な概説をしますが,クリーンな水素燃料時代を見据えて,特に演者が行っている水分解酵素の研究に焦点をあて、ホットな研究の最前線に触れた話をする予定です。その訳は,水分解酵素の分子構造を決定し,そのメカニズムを解明することが自然科学として重要であるばかりではなく,現在進行している光触媒技術を飛躍させる鍵となるかもしれないからです。工学の分野では、環境汚染をもたらさない持続可能な水素燃料を水から生産する光触媒技術の開発が,本田-藤島効果の発見を契機に,精力的に行われています。この講演で,植物の水分解酵素と現在の人工的な光触媒とを比較する事により、自然から学ぶべきものは何かを論じます。
*明治大学 科学技術研究所

11/Oct/04

超純水製造装置

<殺菌作用がある特性遠赤外線と光触媒の有機物分解作用を併せて超純水製造装置を開発>
徳島大学発の再生医療ベンチャー・ブラディッシュ(徳島市)が、独自開発の特性遠赤外線を応用し、水道水を超純水に変える装置を製品化した。装置内で水を循環させるため常に高品質な水を採ることができる。不純物を除いた超純水は微量分析や検査、洗浄など、医学や生物化学の分野に不可欠。製品は主に研究機関向けで、県外の医療機器メーカーなどを通じて製造、販売する。製品は「TUB−PWT型」。同社では、徳島大歯学部の山下菊治助教授(同社取締役)とともに、生体に有効で、殺菌作用があるとされる波長七−十二ミクロンの特性遠赤外線を採光する技術を開発。紫外線に反応して有機物を分解する酸化チタンと組み合わせて光触媒による分解能力を高めることに成功し、特許を取得した。RO膜(逆浸透膜)やイオン交換樹脂などで水道水に含まれる微粒子のコロイド状物質やイオン類を除くとともに、内臓のタンク(二十リットル)で光触媒により有機炭素を分解。タンクとフィルターを水が循環するため常時、毎分三リットル採水できる。同社によると、従来の標準的な製品に比べ、有機炭素などの残存量が少なく、採水量は三倍になるという。また名古屋工業大学の協力でフットスイッチを開発し、両手が自由なまま採水ができるなど、人間工学に基づく扱いやすい構造とした。価格は二百万円程度を予定し、設置費用も含め競合製品の六割ほどで導入できるとしている。同社は、特性遠赤外線技術を応用した医薬品や理科学機器の開発も進めている。石川友康社長は「水は食品などすべての基礎となるもので幅広い用途が見込める。一般の産業用機器にも応用していきたい」と話している。
*徳島大学発の再生医療ベンチャー・ブラディッシュ/10月5日 徳島新聞

23/Aug/04

研究テーマ

<光触媒素材としてのZnS、CdS>
硫化亜鉛(ZnS)や硫化カドミウム(CdS)は半導体の性質を示す結晶固体として知られています。ZnSのバンドギャップのエネルギーは約3.6eV(電子ボルト)で、およそ340nm以下の短い波長をもつ紫外線を照射したときに価電子帯の電子が伝導帯に励起されます。CdSの場合はバンドギャップ約2.4eV、光の波長にして約510nm以下で電子を励起します。太陽光における波長と光子数の関係  地表に届く太陽光においては、紫外光・可視光を含めた光子の個数は被照射面積1平方メートル、1秒あたり約1.7×1021個です。太陽光による水素発生能力という視点からみると、光触媒に求められる性質は「より広い波長範囲の光を利用するためにバンドギャップが小さい」「太陽光で励起した電子のうち、水素生成に利用される割合が高くなるような構造を持っている」ことです。利用できる光の波長を広げるためには、バンドギャップの小さいCdSが有利です。しかし、励起電子の利用効率(量子効率)の点で見るとZnSのほうが優れています。ZnS並みの効率でCdSのような波長範囲が利用可能であれば、さらに大きな水素生成量が期待できます。
<ストラティファイド微粒子光触媒>
田路研究室では、新しい溶液反応プロセスを開発し、これを用いて調製した硫化亜鉛(ZnS)微粒子が、硫化水素を溶かしたアルカリ水溶液中で光触媒としてはたらき、非常に高い効率で安定に水素を発生することを見出しました。この素材は、数nm(ナノメートル)という極めて小さな結晶粒子が大きさ数10〜100nmの殻(カプセル)を形成してできています。このような殻状の構造を私たちは「ストラティファイド構造」と名付けました。さらにこのストラティファイド微粒子調製プロセスを硫化カドミウム(CdS)へ応用することに成功しました。CdSのバンドギャップのエネルギーは約2.4eV(電子ボルト)で、510nm以下の波長をもつ紫外光と可視光の一部を利用可能です。太陽光を利用した場合、効率100%でエネルギー変換可能とすると、1平方メートルあたり1時間に30リットルまでの水素を得ることができます。現在、1時間あたり約6〜7リットル生成可能な光触媒が得られています。
<高効率光触媒の薄膜化への試み>
ガラス基板上のCdS光触媒薄膜  半導体光触媒を水素製造の手段として実用化させるという観点から考えると、薄膜形態にすることが非常に有効かつ重要と考えられます。現在、条件を精密に制御することによって水溶液から固体基板上に選択的に析出させることのできるCBD(chemical bath deposition)法を適用して、薄膜状半導体光触媒の開発研究を行っています。この手法は、析出させる基板の種類を幅広く選択できます。カーボンナノチューブの表面に半導体のナノ微粒子を析出させることにも成功しました。カーボンナノチューブは高い電子伝導性をもっており、またそれ自身が金属的あるいは半導体的性質をもっています。したがって、化合物半導体とカーボンナノチューブの組み合わせによって光触媒の特性を向上させるようなバンド構造の変化が期待できます。
*東北大学 大学院 環境科学研究科 田路研究室

09/Aug/04

研究紹介

<高性能脱硝触媒用担体材料の開発(関西電力および他大学との共同研究)>
火力発電所などから発生する窒素酸化物は大気中に放出される前に、アンモニアを還元剤とする選択還元触媒により高い効率で窒素分子に変換・無害化されています。しかし、さらなる大気環境の保全のためには触媒をさらに高性能化する必要がでてきました。この触媒の活性成分は担体上に分散担持されているので、比表面積の大きく、熱安定性の高い担体を用いればよいことになります。私たちの研究室では、有機溶媒を反応メディアとする新規な材料合成法で得られた各種金属酸化物は先ほどの性質を満足していることを見いだしました。そこで、試料を供給してその脱硝触媒の担体としての性能を調べる研究を行っています。また、各種修飾剤を用いてその耐熱性をさらに向上させるための検討を行っています。
<窒素酸化物を除去する光触媒複合材料の開発(大阪市立工業研究所 橋本圭司博士との共同研究)>
酸化チタンなどの半導体に光を照射すると電子と正孔が生成します。このうち正孔は非常に強い酸化力を有し、酸素存在下の条件では窒素酸化物を硝酸イオンに酸化します。この性質を使って、大気中の窒素酸化物を固定化・除去することが可能です。ただし、大気中の窒素酸化物の濃度はせいぜい数ppmであり、効率よく除去するためには何か対策をこうじる必要があります。研究室で開発した新規触媒合成法により非常に高性能の酸化チタンを調製することができていますので、私たちはこの酸化チタンと窒素酸化物の吸着性能が高いゼオライトを組み合わすことでかなり効率よく窒素酸化物を除去できることを見いだしました。いまでは、その性能をさらに向上させる試みを検討しています。
<有機溶媒を反応メディアに用いる酸化物ナノ結晶の合成とその応用>
これまで無機化合物やそれに関連する化合物の多くは、水あるいは水溶液から合成されてきました。これに対し、その反応メディアに有機化合物を用いた研究例は多くありませんでした。私たちの研究室では、無機化合物合成において有機溶媒を用いることの特徴と限界を明らかにすることを目指しており、いくつかの興味ある結果が得られています。高温高圧下、有機溶媒中でチタンのアルコキシドを加水分解すると同時に結晶化も進行し、アナタース型酸化チタンのナノ結晶が生成することを見いだしました。そのサイズを反映して表面積は100m2g-1を越え、かつ十分に結晶化しているため焼成による表面積の低下も小さい、すなわち耐熱性が高いことがわかりました。現在、この酸化チタンを用いて、脱硝触媒の担体としての展開をはかっています。同様に酸化鉄のナノ結晶も合成できることがわかりましたが、系内に存在する水が多いときは3価の鉄からなる酸化鉄(ヘマタイト、Fe2O3)が、少ないときは2価の鉄も含む酸化鉄(マグネタイト、Fe3O4)が生成しました。後者は有機溶媒が鉄を還元していることを示しており、水の存在が酸化物の生成・結晶化機構も大きく変えてしまうことがあきらかになりました。さらに、この方法で合成された酸化チタンは市販の高活性酸化チタンに比べて、2-3倍の光触媒活性を示すことがわかりました。
<太陽エネルギー変換光触媒材料の探索>
新規な無機材料合成法を用いて、さまざまな半導体光触媒材料の合成が可能になります。これまで光触媒性能が低い、あるいは活性がない、と考えられてきた半導体はその物質自体の性質ではなく、その性能がうまく発揮されていない可能性があります。光触媒性能が発揮できるように半導体材料を調製すれば優れた光触媒材料になる可能性があります。このような視点から、酸化チタン以外の半導体光触媒材料の合成とその評価を検討しています。
*近畿大学理工学部応用化学科 大学院総合理工学研究科物質系工学専攻 表面設計化学研究室

02/Aug/04

有機物分解力向上

<汚水処理の新技術・TiO2微粒子を多孔質のシリカで覆い炭化水素を結びつけた構造>
九州工業大学の横野照尚教授らは、光触媒が水の汚れなどの有機物を分解する能力を大幅に高める技術を開発した。酸化チタンの微粒子を、多数の穴があいた多孔質のシリカで覆い、さらに有機物の炭化水素を結びつけた構造を作り、炭化水素によって引き寄せられた有機物がシリカの穴に入って光触媒と接触して分解されるようにした。ヘキサノールなどを水に混ぜて実験した結果、同じ量の通常の光触媒を使った場合に比べ4-5倍多く分解することを確認した。新技術は、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)や農薬などを含む汚水の処理などに用途を拡大できる可能性があるとみている。
*九州工業大学/日経SmallBiz

19/July/04

毛細血管のパターン形成

<光触媒微細加工技術で毛細血管のパターン形成に大日本印刷と協同にて成功>
東京医科歯科大学の森田育男教授の研究グループと大日本印刷株式会社は、光触媒を利用した独自の親疎水パターン形成技術を応用して血管内皮細胞を培養し、従来困難とされていた血管のパターン形成に成功した。病気や事故などで失われた臓器や組織を治すために、人工的に培養した細胞などを利用する治療法(再生医療)が注目されている。本治療法は医薬品などを用いた従来の治療法と比べて、副作用が少ないことから、将来の治療法として期待されている。しかし、生体内の組織に新たな血管網を形成させる方法として、現在行われているのは、骨髄・末梢血中に存在する幹細胞を直接体内に注入する治療に限られている。この治療法では、任意の形状の血管網を形成させることが困難であった。今回の成果は、パターン化された血管を付与できる技術として、人工的な組織培養や臓器形成等の再生医療を加速することが期待される。印刷の製版・刷版技術を応用した「パターン培養基材」をDNPが開発した。その基材上に血管内皮細胞を培養し、パターン化された培養細胞を転写して管腔化させる技術を森田教授らが開発した。血管の管腔化は再現性があり、培養基材のパターンの幅を変えることで血管の管径が制御でき、また、パターンをY字型や井型にすれば、血管もそれに伴って分岐あるいは網目状に形成させることができる。
*東京医科歯科大

05/July/04

表面改質

<TiO2光触媒を用いたビルドアップ絶縁樹脂材料の表面改質とめっき法への応用>
近年の電子機器の小型化、多機能化に伴い、搭載されている基板の内部配線には、高密度化、高集積化が要求されている。一般に、電子機器に内蔵されるプリント配線板やパッケージ製品には、絶縁物質として有機材料が多く使用されている。この絶縁体表面に優れた密着性を有する導体層を形成することは、超微細配線を実現するために必要不可欠な重要な技術である。また、次世代のより微細な配線形成のいては、平滑な導体層形成が要求される。これらの理由から、従来のような酸化剤による樹脂表面の粗化を伴うことのない、平滑な導体形成法について検討した。その結果、TiO2共存下において紫外線照射を行うことで、樹脂表面にカルボニル基が形成されることを見した。この表面改質により、銅めっき膜と樹脂との密着性が改善されることを確認した。このようにして粗化していない平滑な樹脂においても、めっき銅皮膜との間で、1.17kg/cmの密着強度が得られた。
*関東学院大学 渡邉健治,藤村 翼,西脇泰二,田代雄彦,本間英夫

28/June/04

研究テーマ紹介

<光触媒として利用される酸化チタンとその応用技術>
当研究室では、潮流の誘導で閉鎖性海域の水質を改善することを目的とした「流況制御ブロック」を開発しました。これは、半円球と円筒を半分に割った形をしたブロックを湾や入り江に複数個沈設すると、潮流の向きにより抵抗差が生じて、残差環流を発生させるものです。この環流が停滞・劣化した内海部の海水を循環させ浄化させるといったものです。湾や港といった閉鎖性の強い水域では、海水の交換が悪く、海底がヘドロ化していることがありますが、こういった水域に流況制御ブロックを導入すれば、海水だけでなく底質も浄化されることが期待できます。
技術の背景・特徴:人間が自然環境に与える影響が良い意味でも、悪い意味でも強大になりすぎています。現代社会で深刻な問題となっている地球温暖化や環境破壊といった問題に示されるとおりです。しかしながら、我々人間は、自然に対して大きな影響力を持っているにも関わらず、自然のことを充分に理解していません。我々の技術は、先ず自然への理解を深め、そこから人間と自然とが共生できる接点を探り、折り合いをつけていくために必要な技術を開発するという観点に立っています。この流況制御ブロックは、「流れ」という自然の力を活用していますので、電力やガスなどの人為的なエネルギーを一切注入する必要がありません。したがって、ランニングコストがかかりません。さらに、堤防や橋梁といった大規模な構造とも違ってちょっと大きめの「ブロック」にすぎませんので、導入の結果次第では、配置を再調整したり、場合によっては撤去できたりというリバーシブルな側面を持っています。
*福岡大学研究推進部 環境科学技術研究所/福岡商工会議所FukuNe

21/June/04

産業技術振興支援

<二酸化チタンに関する技術開発とその応用> 
―酸化物材料の基礎的研究及びその応用に関する技術・知識―
a)Co、Ni、Fe金属及びその合金系に関する酸化物薄膜とその応用
 これら金属の基礎物性(結晶学的性質、電気的性質、磁気的性質など)の研究をもとにして、当薄膜で構成したデバイス(磁気ヘッド、磁気テープ)の原型開発及びその事業化、製品化を行った。
b)Siの酸化膜に関する研究とその応用
 当膜の基礎物性、製造方法の研究を通して、当膜による強誘電体液品の廃校技術を量産化レベルで検討。
c)Ti酸化膜に関する研究とその応用
 製造条件と基礎物性(結晶学的性質)との関係を研究及びその応用を検討中。
技術の特徴:Ti酸化膜の製造条件と基礎物性及び応用物性としての光触媒効果、濡れ性を三位一体として研究
技術の用途:光触媒反応を用いて、環境浄化の分野
*九州共立大学 工学部 能智 台 教授/(財)九州産業技術センター

03/May/04

講演会

<第3回公開講座「光合成研究からエネルギー・環境・食糧問題を洞察する」>
演題@:水分解酵素の研究とクリーンな水素エネルギー時代
講演者:楠 正美 所属:明治大学理工学部教授
問い合わせ:明治大学 科学技術研究所事務室 Tel:044-934-7613 E-mail:gi_ken@mics.meiji.ac.jp
植物は,アンテナ色素分子を使って可視領域の太陽光を吸収したあと、そのエネルギーを化学的エネルギーに変換するための驚くべきシステムを持っています。"明反応"と呼ばれるこの一連の過程は,チラコイド膜と呼ばれる生体膜上に浮遊する"光化学系T"と"光化学系U"とよばれる複合膜タンパク質の共同的作用により進行します。実に環境に適合したそのメカニズムは、1)"光化学系T"と"光化学系U"のそれぞれの反応中心が励起状態になると起こる最初の電子移動反応,2)光化学系Uで誘起される,水の酸化分解反応(2H2O→4H++4e-+O2)、3)光化学系Tからの移動電子により起こる、高エネルギー状態分子HADPH2を生産する酵素反応(NADP+2H++2e-→NADPH2),及び、4)水の酸化分解の結果生じたプロトン流により駆動される、高エネルギー状態分子ATPを生産する酵素反応(ADP+Pi→ATP)、から成ります。この講演では,明反応について全般的な概説をしますが,クリーンな水素燃料時代を見据えて,特に演者が行っている水分解酵素の研究に焦点をあて、ホットな研究の最前線に触れた話をする予定です。その訳は,水分解酵素の分子構造を決定し,そのメカニズムを解明することが自然科学として重要であるばかりではなく,現在進行している光触媒技術を飛躍させる鍵となるかもしれないからです。
 工学の分野では、環境汚染をもたらさない持続可能な水素燃料を水から生産する光触媒技術の開発が,本田-藤島効果の発見を契機に,精力的に行われています。この講演で,植物の水分解酵素と現在の人工的な光触媒とを比較する事により、自然から学ぶべきものは何かを論じます。
*明治大学 科学技術研究所

26/April/04

高活性光触媒

<超高活性半導体光触媒の合成とその触媒作用に関する研究>
(北海道大学触媒化学研究センター 大谷文章教授との共同研究)
酸化チタンなどの半導体粉末にそのバンドギャップ以上の光を照射すると、励起電子-正孔対が生成しこれがさまざまな基質と反応して、いわゆる光触媒反応を進行させます。大谷教授は酸化チタンをつかった光触媒反応の速度論的考察から、高活性光触媒の条件として高結晶化度と大表面積を両立することであると提案してきました。しかし、両物性を満足する光触媒を合成することは容易ではなく、高性能触媒はいくつかの市販品に限られていました。私たちはテーマ(6)「有機溶媒を反応メディアに用いる酸化物ナノ結晶の合成とその応用」で紹介した、有機溶媒を用いる新規な手法により合成された酸化チタンがこの両物性を満足していることに注目し、光触媒としての利用を検討したところ、期待通り、市販高活性触媒を越える優れた性能を有していることを見いだしました。この酸化チタンは様々な反応系に利用でき、また、合成条件を変化させることで、目的の反応系に最適化した物性を付与させることができます。さらに、何が光触媒反応を支配しているのか、どうすればその性能を上げることができるのか、などについて基礎および応用の両面から研究しています。
*近畿大学理工学部応用化学科 大学院総合理工学研究科物質系工学専攻 表面設計化学研究室

29/March/04

エネルギー
  変換触媒

<エネルギー変換触媒の新しい展開/産官学ワークショップ レジュメ>
21世紀に入り、我々を取り巻くエネルギー事情は益々厳しい状況にある。従来の石油依存型のエネルギー供給体制に代わるものとして天然ガス、バイオガス、炭層メタン、メタンハイドレートなどのメタン資源を高度化学変換してCO2排出削減に資する新エネルギー産業技術及びメタン化学産業技術の創出が緊急の課題である。メタンは、分子中に豊富に水素を含むクリーンな炭素資源であるが、飽和炭化水素中でもっとも安定な化合物である。そのため、メタンの化学変換は高難度反応として位置付けられている。メタンからクリーンエネルギーである水素を製造する間接転換プロセスとして、水蒸気改質による合成ガス製造が工業化されている。それ以外にCO2改質や部分酸化反応がVIII族金属触媒上で検討されているが、反応が高温なため触媒のシンタリングやコーキングが重要な問題として指摘されている。我々は、この点を改善するためにメタンのCO2改質反応に対し、金属炭化物触媒の可能性を検討し、Mo2C/ZrO2触媒が活性・安定性に優れた触媒であることを見出している。この触媒は常圧800℃の反応でメタン転化率60−80%を20時間以上持続できる。一方、メタンの直接転換プロセスにより高エネルギー物質を作り出すプロセスとしては、酸素やN2Oを酸化剤としてC2炭化水素をつくるカップリング反応や部分酸化によるメタノールやホルムアルデヒドの合成が試みられているが、いずれもメタン転化率と選択性に問題がある。最近我々は還元雰囲気でのメタンの活性化を試み、CH4-CO反応を種々の担持VIII族金属で300−400℃で検討したところ、Rh/SiO2触媒で炭化水素のうちでは80%以上の選択性でベンゼンが生成することを見出している。問題はCOの大部分が不均化反応でCO2になる点であるが、Rh金属粒子径を小さくすることによりCO2も含めたベンゼン選択率として40%以上の値が得られている。天然ガスは硫黄などの不純物を含まず、燃料としても有望であるが、気体であることからその輸送に問題がある。一方、メタンの改質反応で得られる合成ガスからはCu/Zn系の触媒を用いてメタノールが工業的に合成されている。最近、メタンの代わりにメタノールを燃料とする直接型メタノール燃料電池が注目を集め、その燃料極での反応であるメタノールの水による改質触媒の開発が求められている。我々は最近、CH3OH―H2O反応で効率よく水素を生成する触媒として種々の担持VIII族金属触媒のほかに、金属炭化物触媒や金属硫化物触媒を検討している。その結果、液相における改質反応は従来の気相メタノール改質反応のホルムアルデヒドからCOを経由する反応経路とは異なり、ギ酸メチルから水素を生成する反応経路が主となることを見出している。これは今後の触媒設計上非常に重要な知見であり、今後の新規触媒開発が期待される。実用化はほど遠いが、我々のエネルギー問題を根本的に解決する「夢のエネルギー変換触媒」として、可視光による水の光分解やメタンの活性化がある。講演では最近の光触媒の新しい展開とともに、最近我々が見出したMoO3-Cu(Ag、Au)/SiO2触媒によるメタンの酸化カップリングでC2の合成や部分酸化でのメタノール合成について紹介する。
*神奈川大学 工学部応用化学科 教授 内藤 周弌/(財)横浜市中小企業振興事業団

01/Mar/04

防汚実用化

<装飾ハンド汚れの光触媒反応による除去>
塩化ビニル樹脂(以下PVCと略す)製装飾ハンドは安価で丈夫であるが,汚れ・変色などの問題があり,外観を重視する利用者にとって装飾ハンドの汚れは大きな問題である.過去の研究ではフッ素樹脂コーティングを用いた汚れ付着の防止が試みられたが,付着した汚れは溶剤を用いなければ除去できず,汚れをふき取るさいにコーティングも同時に剥がれ落ちるという問題点があった. そこでわれわれは付着した汚れを分解するという酸化チタンによる光触媒作用に着目した.本研究では,装飾ハンドの材料であるPVC上において酸化チタンによる分解作用の有効性について実験を行った.さらに,他の義肢・装具材料でも同様の実験を行った.
 藤原知津子 樺沢香織 黒木隆行 山田祐二 指導教員 松本芳樹・出井裕司
*日本聴能言語福祉学院 義肢装具学科 第14期生(平成14年度)卒業研究

23/Feb/04

研究テーマ

<マルチカラーフォトクロミック材料>
私たちは、光触媒として用いられるナノポーラス酸化チタン膜に銀イオンを付着させ、これに紫外線を照射して銀をナノ粒子にすると、フルカラーフォトクロミックデバイスになることを明らかにしました (Nature Mater., 2003)。上記の状態では褐色を呈していますが、ある色の光を照射すると、その部分がその色に変化します。こうして、青、緑、黄、橙、赤、白などさまざまな色を表示させることができ、一度書き込めば、その色は通常の蛍光灯のもとでも数時間以上維持されます。また、再び紫外線を照射すれば、褐色に戻すこともできます。つまり、フルカラーで繰り返し、書き込み・消去ができるわけです。なお、光により色が変化する材料をフォトクロミック材料と呼びますが、これまではある特定の二つの色(白と黒や、青と黄、など)の間で変化するものがほとんどでした。この材料では、酸化チタン膜のナノポア(ナノメートルサイズの細孔)が鋳型となり、さまざまな大きさ・形状の銀ナノ粒子が生成すると考えられます (J. Am. Chem. Soc., 2004)。各粒子はそれぞれ異なる波長の光を吸収します。例えば緑色の強い光を照射すると、緑色の光を吸収する粒子のみの電子が励起され、酸素に奪われて、無色の銀イオンに酸化されます。すると、緑色の光は吸収されなくなり、反射または透過されるようになるため、膜は緑色に見えるようになります。発色させた後、白色光下では徐々に退色しますが、退色を遅延し、色彩を数日間保持する方法も開発しました。
応用の可能性:マルチカラー表示材料(マルチカラーリライタブルペーパーなどの「持ち歩きに便利なフレキシブル表示媒体」) 、模様を任意に変えられる壁紙・装飾材料(防汚・抗菌性もある)、複数の波長で書き込みのできる光学メモリー など
*東京大学生産技術研究所 情報システム部門 立間研究室

23/Feb/04

研究テーマ

<天然資源の住環境改善への利用:ルチルコロイドによる天然ウォラストナイト繊維の表面被覆>
最近の建築物は気密性がよくなり空調が欠かせません.現在の空調のフィルターはプラスチック製ですから,手入れを怠るとたちまちカビの温床となります.抗菌性で不燃性の空調用無機フィルターを開発するために,天然ウォラストナイト繊維に酸化チタンコロイドを被覆しました。キレート剤を用いてウォラストナイト表面を負帯電とし,正電荷をもつルチル粒子を均質に静電吸着させます.このまま乾燥するとルチルコロイドは凝集して剥落してしまいますので,アセトンで水を置換してから500℃で加熱処理しルチル粒子をウォラストナイト表面にしっかり固定しました.
*帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科 林 研究室

16/Feb/04

研究テーマ

<光触媒上での反応機構の解明。光触媒を用いた環境汚染物質の分解、無害化>
研究室概要:太陽光や室内光を吸収して化学反応を引き起こすが自らは変化しない機能性物質 (光触媒)を用いて,環境浄化に主眼をおいた基礎的,応用的な研究を行っている。 現在は二酸化チタンの多孔質なペレットや適当な支持体に固定化した薄膜を作製し, その光触媒作用について研究している。
1.有機塩素化合物の分解・無害化
トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素溶剤は,二酸化チタンの光触媒作用によ り二酸化炭素にまで分解される。また,クロロフェノールなどの芳香族塩素化合物 は,アルカリ性において光触媒作用により脱塩素化される。これらの反応機構を明ら かにするために速度論的研究を行っている。
2.金属イオンの捕集および回収
窒素雰囲気下で光触媒作用を利用した金属イオンの還元捕集に関して反応機構を明 らかにするために,速度論的研究を行っている。
3.光触媒の合成
触媒活性の向上を目指して,合成法について検討している。比表面積,結晶形など の物性を変えた二酸化チタンを合成し,その物性と光触媒活性との関連を明らかにし ている。また,プラズマ焼結法を利用して実用に耐える硬さを有した光触媒材料の開 発にも着手している。
*山口大学理学部 物質構造化学研究室(山崎研究室)

09/Feb/04

研究テーマ

<層状酸化物のナノ複合体光触媒の開発・ナノスケールの複合体をデザイン>
新しい光触媒材料への応用を目的として、チタン酸塩、タンタル酸塩、バナジン酸塩などの層状複合酸化物半導体の層間架橋によるナノ・メソ多孔体の合成に挑戦している。層間架橋とは、層状ホストの層と層との隙間に異なる半導体微粒子の支柱を形成させ、細孔構造とともに局所的なヘテロ接点を構築する有効な手法である。層の組成と支柱の組み合わせで極めて多様な組み合わせが可能で、高い光触媒作用の発現が期待できる。
<層状銅酸化物のインターカレーションによる機能性材料の開発>
種々の層状酸化物はその層と層との隙間(層間)のイオンを交換したり、他の物質を取り込んだりする機能をもっている(インターカレーション)。例えば左の図は水を分解する光触媒、層状タンタル酸塩の層間に塩化銅を挿入した複合体の合成を示している。層間に多様な物質を挿入することによって物性が大きく変化し、電気的、光学的、化学的機能性が発現する。この他、Cuを含む酸化物高温超伝導体の中でも最も二次元的性質が強いBi系化合物の層間にヨウ化リチウムやヨウ化銅がインターカレートされる新たな現象を発見した。インターカレーションに伴う結晶構造や電子状態の変化を追跡するとともに、超伝導特性の制御を調べている。また、212型層状銅酸化物において、層間にインターカレートした酸素が電気伝導性に及ぼす影響を、欠陥反応式に基づいて定量的に評価している。
*熊本大学工学部物質生命化学科 応用触媒研究 町田研究室

02/Feb/04

研究発表会

<第4回半導体の放射線照射効果研究会>
研究発表全12テーマより光触媒関連テーマのみピックアップ
「使用済み核燃料からの放射線シンチレーター光による半導体光触媒の駆動」
     電気通信大学 河野 勝泰
開催日時:平成 16年 2月6日(金)10:00〜17:40 (懇親会17:50〜19:30)
会場:大阪府立大学 / 学術交流会館 ( 堺市学園町 1-1)/ 多目的ホール
 電話:072-252-1161, 学術交流会館受付 ( 内線 )2791, 多目的ホール ( 内線 )2792
 地下鉄御堂筋線 / なかもず駅下車 / 徒歩 15 分 or 南海高野線 / 中百舌鳥駅下車 / 徒歩 15 分
研究参加費:無料 ( なるべく事前申込みを )
懇親会費 : 3,000 円 ( 御出席の方は当日受付にてお支払い下さい )
主催:半導体の放射線照射効果研究会実行委員会
共催:大阪府立大学
連絡先:高橋 芳浩 ( 日大理工 /Tel:047-469-5459,l:ytaka@ecs.cst.nihon-u.ac.jp)
        泉  勝俊 ( 阪府大先端研 /Tel:072-254-9827,:izumi@riast.osakafu-u.ac.jp)
*大阪府立大学先端科学研究所

BackNo.1<August'1998〜December2000>
BackNo.2<December2000〜December2002>
BackNo.3<January2003〜January2004>

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