中津川市・恵那市
不動産情報アラカルト15
*中間省略的登記(第三者のためにする契約)
平成16年不動産登記法が改正され、旧来の中間省略登記はできなくなりました。
しかし、それに困った不動産業界は、国土交通省に申し入れをし、
国土交通省は、法務省に不動産登記法改正前と実質的に同様の不動産登記の形態を実現しました。
その不動産登記法改正前の中間省略登記と同様の効果があるものは、
「第三者のためにする契約」というもので、法務省の了解をとりつけたのでした。
結果として、第三者のためにする契約によって中間省略的登記ができる事となりました。
−−と言っても、この「第三者のためにする契約」は、昔からあったものでして、
今回のために どこかの天才が発明したものではありません。
中間省略的登記を可能にするには、第三者のためにする契約と、
他人物売買の契約又は無名契約の2つの契約が存在せねばなりません。
本年、不動産業者の研修会が平成20年2月に開催され、弁護士より説明を受け、その時には、
何となく理解できたような気分になったものの、実際には具体的にどのようにすれば良いのか、
不動産の売買契約書にはどのように記載するのか、今ひとつ、私自身ハッキリしませんでした。
そこで今回 業者(買主=中間者)として、第1の契約書「第三者のためにする契約」は
どのような内容にするのか、また仲介業者として、この中間省略的売買の相談があった場合、
どんな記載が契約書に必要であるのか私なりに、調査してみた。
「第三者のためにする契約」の注意事項
昔からあった文面で−−売主(甲)は、本物件の移転登記は買主(乙)の代金支払いと引き替えに買主
(乙)又は買主の指定した者(丙)に対して行う−−との特約付きの売買契約は、
中間省略登記を合意する契約であって、「第三者のためにする契約」ではないとされている。
今回の不動産登記法の改正により、
法務省は登記が公示する物権変動の内容の正確性を確保したいのである。
所有権は、所有権移転登記と一緒に移動するのが一般的である。
従って、上記の文面では明確性を欠き、代金と引き替えに買主に所有権が移転されるとも
見て取れるとの判断からダメだと言っているのだろう。
「第三者のためにする契約」では、明確に中間者には所有権が移動しないように記載せねばならない。
要するに、売主から直接エンドユーザー(買主の指定した者(丙))に所有権が移転しなければならない。
従って、この「第三者のためにする契約」のことを
「直接移転売買」とか「直接移転契約」とも言われているのである。
しかし、「第三者のためにする契約」は、第1の契約である売主・買主(中間者)の間の契約で、
それだけでは、中間省略的登記はできず、第2の中間者とエンドユーザー(買主の指定した者)の契約が、
他人物売買の契約として存在せねばならない。
もう少し詳しく言えば、第2契約は無名契約でも良いようであるが、
私自身しっくりこないので、他人物売買契約にした。
これら2つの契約を基にして、ようやく中間省略的登記ができる運びとなるのである。
では、第一の契約である「第三者のためにする契約」には、どのような文言を記載すれば良いのだろうか。
1.所有権は売主から買主(中間者)の指定する者に対して直接移転する。
この時点では、エンドユーザーが特定されている必要はありません。
特約事項や契約書の文面は−−
(所有権の移転先及び移転時期)
本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払い、売主においてこれを受領したときに、
売主から買主の指定する者(買主を含む)に対して直接移転する。
−−というようにします。
2.中間者による所有権の移転先がない限り、売買代金完済後も所有権は、中間者に移転せず
売主に留保される。
特約事項や契約書の文面は−−
(所有権留保)
売買代金全額を支払った後であっても、
買主が買主自身を本物件の所有権の移転先に指定しない限り、
買主に本物件の所有権は移転しないものとする。
−−というようにします。
但し、上記特約(所有権の移転先及び移転時期)をつければ、
この所有権留保は必ずしも必要はないようです。
3.売主は、エンドユーザーの受益の意思表示
(売主に対して移転と引渡しをしてくれとする旨の意思表示のこと)の受領を買主(中間者)に委託する。
これは、エンドユーザーが売主に対してすべき意思表示なのですが、売主と買主(中間者)の委任契約で
エンドユーザーからの意思表示を中間者が受領することになっています。
但し、エンドユーザーが売主に対して受益の意思表示をする場合は必要ありません。
特約事項や契約書の文面は−−
(受益の意思表示の受領委託)
売主は、移転先に指定された者が売主に対してする「本物件の所有権の移転を受ける旨の意思表示」の
受領権限を買主に与える。
−−というようにします。
4.売主は、買主(中間者)の所有権移転債務(中間者がエンドユーザに対して負う債務)の履行を
引き受ける。
特約事項や契約書の文面は−−
(買主の移転債務の履行の引き受け)
買主以外の者に本物件の所有権を移転させるときは、
売主は、買主がその者に対して負う所有権の移転債務を履行するために、
その者に本物件の所有権を直接移転するものとする。
−−というようにします。
そして、第二の契約「他人物売買契約」では
中間者はエンドユーザーに売主所有の物件を売り渡し、エンドユーザーは中間者に代金を支払う
中間者が負う所有権移転義務は売主が履行する(第三者の弁済)
このことを簡単に述べますと
中間者はエンドユーザーに、私は自分のものでない不動産を売りますが、
所有権は取得しないで、所有者から直接にエンドユーザーのあなたに移転します。
でも、代金は中間者である私に支払って下さい。−−よろしいですか。
エンドユーザー曰く−−はい、了解しました。
特約事項や契約書の文面は−−
(第三者の弁済)
本物件は、未だに登記名義人が所有しているので、
本物件の所有権を移転する売主の義務については売主が売買代金を受領した時に、
その履行を引き受けた本物件の登記名義人である所有者が、
買主にその所有権を直接移転する方法で履行する。
−−というようにします。
「他人物売買契約」では所有者が、買主にその所有権を直接移転する方法で履行する
−−というのに対して
「第三者のためにする契約」では
売主から買主の指定する者(買主を含む)に対して直接移転する−−となっています。
以上が、中間省略的登記を可能にするための契約書の書き方要領です。
そうすることにより、不動産取得税・登録免許税・司法書士報酬の費用が節約可能になります。
なおかつ売買益も・・・。
中古住宅では、不動産取得税も馬鹿になりません。
結構 節約できるのではないでしょうか。
但し、中間省略的登記をするにあたっては、一度 司法書士にご相談下さい。
私は、そんな登記はやりたくないといわれる方も多いようです。みなさん協定?
法務省でも司法書士連合会でも、承認されてるんですげどねぇ。
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