中津川市・恵那市酒井行政書士事務所のよっコラム15
*行政書士の独り言
★ちょっと就籍届
先日、新聞に裁判所の書記官が行った犯罪が掲載されてました。
それは、振り込め詐欺の被害者から巻き上げたお金が、金融機関の口座に凍結されており
書記官が勝手に判決文を作成し、あたかも合法的であるかのように見せかけて
凍結されている口座から被害金額を盗み取ったという事件でした。
それに利用したのが就籍という手続だったそうです。
この就籍とは、就職によく似てますが全く別物で、
戸籍のない人(無籍者)が新たに戸籍を作ってもらうこと。籍に就くということです。
そのためには、家庭裁判所の許可または確定判決が必要になります。
本物の裁判所書記官が許可書や判決文作成するんだから、大変です。
内容は偽物でも、書類は本物ということになります。
いままで、就籍というのは戸籍の分野でも一番片隅に置かれてたんじゃないでしょうか。
私も本で通り一遍程度に見たくらいで、説明もそうありません。
それが、犯罪に利用されたということで一躍有名に?・・・か、どうか知りませんが、
こんな犯罪の手口に使われることもあるんだなぁって思いました。
反面、さすが書記官ならではの発想でした。
普通では考えも及ばない法律の制度を熟知悪用した手口です。
家庭裁判所の許可または確定判決にて、戸籍上架空の人物を作り出したのです。
この事件では書記官が架空の人物を作り上げ、記憶喪失を理由に本物の戸籍謄本や住民票を
役所に作成させたのだと思います。書類そのものは全て本物です。
さらに、当該書記官は、口座凍結している金融機関用に、架空人物が凍結口座から一定の金額を
引き出してもよい旨の裁判所の許可書を作成したのだろうと考えます。
これじゃ、もう何が何だかわかりません。一般人は何を信用すればよいのでしょうか。
就籍は、戸籍のない人のために戸籍をつくることです。
書物では、男性某氏は、昭和**年2月○日某市で倒れた。所持金もなく、住所不定、某市福祉事務所で
保護開始し、退院後某市にアパートを借り居住している(保護継続中)。
男性某氏より住民記録の申出があったが、当該人の本籍、筆頭者、年齢、氏名等はすべて不明である。
どのように取り扱えばよいか。−−という設問であった。
答えとしては、判決文を就籍届に添付して新たな戸籍を作成する
若しくは、緊急時には、就籍届をすることを条件に住民票を作成するというものであった。
実際、記憶喪失者が生活するため働こうにも戸籍や住民票がなければ就職もできませんし、
アパートさえも借りることもできません。
記憶喪失の人は、日本のどこかに自分の戸籍があるだろうけれど、どこにあるか解らないのです。
従って、本人からの申出があれば、役所ではなんらかの手立てにより
戸籍や住民票を作成して救済してやらねばならないのです。
それには家庭裁判所の許可等が必要なのです。それを悪用したのが今回の書記官ということなのです。
最近は、本人確認が厳しく言われておりますが、この事件により一層厳しくなるかも知れません。
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