中津川市・恵那市酒井行政書士事務所のよっコラム25
*家系図裁判 最高裁逆転無罪? いったい論点は何だったのか。
2010年12月21日 かねてより私が気にしていた家系図裁判の判決が出た。
被告は、逆転無罪とのことである。
北海道新聞の内容の概略は下記の通りである。
無資格で家系図 最高裁、逆転無罪 行政書士法違反事件(12/20
18:31、12/20 23:09 更新)
行政書士の資格がないのに家系図を作成し報酬を得たとして、
行政書士法違反に問われたオホーツク管内大空町、○○被告の上告審で、
最高裁第1小法廷(**裁判長)は20日、懲役8カ月、執行猶予2年とした一審の釧路地裁網走支部、
二審の札幌高裁判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。
**裁判長は、○○さんが作成した家系図は
「依頼者の希望に沿って、個人の観賞目的や記念品として作られた」と認定。
対外的な証明文書として利用する予定もなく、行政書士の資格が必要な「事実証明に関する書類」には
あたらないと判断した。
判決によると、○○さんは2006〜07年、6人に家系図を作成し、計約90万円の報酬を得た。
道行政書士会の刑事告発を受け、07年5月に斜里署に逮捕された。
以上、新聞における無罪判決の内容記事を見る限り、私が以前知り得た内容と異なっております。
まあ、新聞記事やネットというものは、かねてよりいい加減なものだと考えておりますので
あまり、腹が立つこともありませんが、それにしても私が知り得た内容と違っているものだと
感心するやら呆れるやらです。
私が知っている過去の内容とは、家系図作成業者である○○さんが、行政書士でもないのに
行政書士が使用する職務上の請求用紙を利用して戸籍謄本等を取得した。
−−−ということに端を発していたのでは?
つまり、行政書士でないものが職務上請求用紙を直接利用し、家系図を作成することは、
行政書士法違反に当たるというものであったと記憶しておりましたが、
どうも私が記憶していたことが違っていたのか、間違った報道がなされていたのか、
今回の新聞報道の内容とは大きく論点が異なっていたのであります。
なぜなら、行政書士でない者が、職務上の請求用紙を利用したということについて記載がないからです。
論点が異なれば、当然結果も異なります。
上記の事件で、ただ単純に家系図作成は、行政書士の独占業務で他の人達が家系図作成を商売として
行うと行政書士法違反になるというならば、それは無理があるような気が致します。
最高裁の判決は、「依頼者の希望に沿って、個人の観賞目的や記念品として作られた」と認定。
対外的な証明文書として利用する予定もなく、行政書士の資格が必要な「事実証明に関する書類」には
あたらないと判断した。
−−− と、なっておりますが、
私の意見と致しましては、家系図は、依頼者の希望に沿って、
観賞目的や記念品でなく対外的な証明文書として利用目的があったとしても
行政書士法にいう事実証明に関する書類には該当しないと考えます。
つまり、行政書士が家系図を作成すれば行政書士業務であるけれど、
行政書士が他を排してできる業務ではないと考えるからです。
なぜなら、現実に家系図ばかりでなく、この世の中で作られている書類で
「事実証明に関する書類」は無数に存在する筈です。
たとえば、報告書の類などがそれに該当するのではないでしょうか。
有償で作成される調査報告書などは巷に溢れかえっていると思います。
それらの書類は、対外的に一応証明に関する文書として利用されています。
「権利義務に関する書類」だって、たとえば、不動産の売買契約書や賃貸借契約書、アパートの契約書など
文具店で売られている始末。これが現実。
それをいまさら、行政書士法違反だというのも どうかと思います。
だったら、世の中 行政書士法違反だらけということに・・・・?
行政書士個人としては、行政書士が作成すれば行政書士の業務であるというのは、
後ろ向きな意見だと承知しております。
正直な話、行政書士の希望としては、家系図も文具店で売られている契約書も、
有償で作成されている調査報告書もすべて行政書士法違反であるから、
これから他の人は作成することができくなり、これらの書類作成については全て行政書士に任せよという方が
遙かに有り難いですし、それを行政書士会がやってくれれば、感謝感激なのでありますが、
現実にはそれは無理なのではないでしょうか。
実態として、行政書士法違反のように見えるものは、世の中に無数に存在します。
むしろ、それらの業務を行政書士がやれば行政書士業務であるとした方が、
現実に適している様に感じております。
確かに、行政書士会としては行政書士の業務範囲拡大として
「事実証明に関する書類」や「権利義務に関する書類」については、
行政書士の業務であると広告宣伝することは重要であると思いますし、
これからも続けてゆくべきと考えます。
今回の告発も、結果として元被告には気の毒だったと思いますが、
行政書士でない者が職務上の請求用紙を利用して戸籍謄本を取得し
家系図を作成したことは、行政書士法違反であるとするなら評価はできました。
上記の通りであったなら、行政書士でない者が職務上の請求用紙を利用して、行政書士法違反となることと、
家系図作成がリンクして、現在、家系図作成業者が遠慮して業務を縮小し
その部分において、行政書士の業務の拡大につながるという点において評価できた筈なのですが・・・。
どうも事実が異なっていたようで、無罪判決となりました。
今回の北海道の新聞記事を見る限りにおいて
当然と言えば当然かなぁーって感じがしておりました。
追記−−ところが、中日新聞2010.12.20朝刊にて、同様の記事が掲載されておりまして、
記事の内容の最後段部分に−−
判決などによると、○○さんは、2006〜07年、知人の行政書士名義の請求用紙を自治体に提出して
戸籍謄本を取り寄せるなどして、掛け軸用の表装を施した和紙の家系図6通を作成。これを桐箱に入れて
計約90万円の報酬を得た。
○○さんに謄本などの請求用紙を譲り渡して同法違反に問われた行政書士二人は略式起訴され、
罰金刑が確定している。−−とあります。
上記(赤文字)の内容でしたら、最高裁の判断は間違ってると考えます。
事実は、どっちなんでしょう。
行政書士の請求用紙を○○さんが直接利用したのか、利用しなかったのか。
それが判断の分かれ道。たいへん疑問です。
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