中津川市・恵那市酒井行政書士事務所のよっコラム4

*財産分与で悲惨

このコラムは2000.06.01ちょっとためになる話の掲載分ですが多少改訂してあります。

時々相談に来られる方で、離婚をするので、慰謝料として今現在所有している住宅を妻に譲渡したい。
その場合、税金はどうなるのか聞かれることがある。
どうも、離婚の原因をつくったのは、夫らしい。
これを有責配偶者というのですが、その有責配偶者からでも離婚請求が可能になりました。

財産分与とは

法律学小辞典によると

1.財産分与請求権
意義 離婚した男女の一方が、他方に対して財産の分与を求める権利をいう。
(民法768条、771条)
離婚の財産的効果として生ずる。
その性質は、夫婦が婚姻中に協力して蓄積した財産を清算するものであるが、
そのほか離婚後の経済的弱者に対する扶養料や
離婚有責者の他方に対する慰謝料も含むと解する説が多い。
(私見 経済的弱者とは、
通常は妻となっているかもしれないが、最近は夫も十分含まれるのではないかと考えます。)

2.財産分与の方法
財産分与の内容については、当事者の協議によって定めるが、
協議が調わないときは家庭裁判所が一切の事情を考慮して、財産分与の可否、額、方法などを定める。
その際の重要な基準となるのは、婚姻の継続した期間の長短、職業、財産形成に対する協力の程度、
生活の状況や将来の生活の見通しなどである。
財産分与の請求は、離婚後2年以内にしなければならない。(民法768条第2項)
離婚訴訟の中で財産分与を請求することもできる。

3.内縁
内縁解消の場合にも、離婚に準じて、財産分与の請求を認める傾向にある。
                                           以上のようになっております。

税金の関係は、
離婚を原因をする財産分与の場合、財産を受ける側は、税金は一切かかりません。

慰謝料として財産を貰う場合。
それは、非課税所得でして、
非課税所得には、損害保険の保険金、損害賠償金、慰謝料、見舞金などがあります。
死亡保険金は一時所得ですので記憶しておいてください。

民法768条の規定によって

離婚により妻が夫から財産の分与として住宅をもらった場合、
その分与財産は贈与税の課税対象となるかということについて、財産分与による資産の移転は、
贈与でなく、財産分与義務の消滅という経済的利益を対価とする有償譲渡となります。
従って譲渡した者に対して譲渡所得税が発生します。

離婚するのも大変だ。要注意。

婚姻の取消又は離婚による財産の分与は、贈与とみないので原則として贈与税は課税されません。

以下の1又は2に該当する部分はたとえ名目上は財産の分与によって取得したものでも、
実質上は贈与により取得したものとして贈与税が課せられます。(相基通9−8)

1.財産の分与として取得した財産の額が、
  婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても
  なお不当におおすぎると認められる場合のその多すぎる部分

2.その離婚を手段として贈与税や相続税の課税を免れようとしたと認められる場合における
  その離婚により取得した財産

  仮装離婚の時このようなことが行われることがあります。

したがって
財産の分与を受けた者については、時として贈与税がかかるかどうか問題となりますが、
財産の分与をした者についても分与財産をその時の時価で売買したものとして譲渡されることになります。
つまり、金銭以外の財産で財産分与した場合、
それは、一度売却してその金銭を相手方に与えたのと同じことになるので、
財産の分与をした者は、その財産を時価によって譲渡したと同様の譲渡所得の計算が行われて
課税されることになります。

これは、交換、現物出資等の考え方と同じです。
実際に現金は動きませんが、税務署の考え方は、
不動産等の資産を一度換金して、
新たな購入(交換の場合の交換物)、現金にて出資(現物出資の場合の出資物)と見ます。

従って、金銭以外の財産分与についても、現金は動かないのですが
住宅等を売却して金銭を相手方に支払っていると見ます。
よって、譲渡者に譲渡所得税が発生します。

但し、この場合にも居住用財産の譲渡所得の特別控除
及び長期保有居住用財産の税率の特例が適用されます。
つまり、特別控除3000万円等は認めてもらえるということです。

財産分与によっての財産取得者は、分与時の時価をその財産の取得費とみなされます。
                               (所得税法基本通達33−1の4)

以上の様ですので、これから離婚を予定されている方で、
不動産等を分与しようとしているならば、
後で税務署から譲渡所得税をガッポリ請求されることもありますので、
悲惨な目に遭わないよう良く考えましょう。

人災と税金は忘れたころにやってくる。

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